松田銑
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松田 銑(まつだ せん、1913年 - 2002年)は、日本の翻訳家、編集者。
略歴
[編集]岡山県生まれ。東京帝国大学経済学部卒。実家の家業を手伝うが、戦時下、上京して農業関係の団体に就職。横浜正金銀行、日本銀行、ワシントンD.C.の世界銀行、メルボルンのオーストラリア放送協会、『リーダーズ・ダイジェスト』日本語版編集長などを務め、翻訳家となる。アレックス・ヘイリー『ルーツ』の翻訳で知られる。
映画監督の内田吐夢の甥にあたる。
著書
[編集]翻訳
[編集]- 『漂海民族 マウケン族研究』(W・G・ウアイト、鎌倉書房) 1943
- 『アメリカ資本主義の趨勢』(労働調査協会編、高橋正雄共訳、有斐閣) 1952
- 『歴史としての未来 現代の歴史的動向とアメリカの進路』(ロバート・L・ハイルブローナー、ぺりかん社) 1970
- 『ルーツ』(アレックス・ヘイリー、安岡章太郎共訳、社会思想社) 1977、のち現代教養文庫
- 『エノラ・ゲイ ドキュメント・原爆投下』(ゴードン・トマス, マックス・モーガン=ウィッツ、ティビーエス・ブリタニカ) 1980
- 『危機の時代を超えて』(ロバート・L・ハイルブロナー、日本経済新聞社) 1980
- 『ペトログラード行封印列車』(オーエン・セラー、文芸春秋) 1981
- 『ネラールの海賊』(ジェフリー・ロード、創元推理文庫、リチャード・ブレイドシリーズ) 1984
- 『原潜ポチョムキン撃沈』(マーク・ジョーゼフ、新潮文庫) 1987
- 『特報!「レバンタイン発」』(P・デラコート、新潮文庫) 1987
- 『死の雪山サバイバル』(フィリップ・フィンチ、新潮文庫) 1989
- 『タイムウォーズ 時間意識の第四の革命』(ジェレミー・リフキン、早川書房) 1989
- 『北極星をめざして』(アレックス・ヘイリー、社会思想社) 1989
- 『エア・アメリカ』(クリストファー・ロビンズ、新潮文庫) 1990
- 『高度41,000フィート燃料ゼロ!』(ウイリアム&マリリン・モナ・ホッファー、新潮文庫) 1990
- 『ロシアの声』(トニー・パーカー、飛鳥新社) 1992
- 『ラスト・フライト』(アメリア・イヤハート、作品社) 1993
- 『ヘンリー・ライクロフトの四季随想』(ジョージ・ギッシング、河出書房新社) 1995
- 『幸福な死のためのわたしの哲学』(モリス・シュヴァルツ、飛鳥新社) 1997
- 『モリー先生の最終講義 死ぬこと・生きること』(モリス・シュワルツ、飛鳥新社) 1998
ジョン・ケネス・ガルブレイス
[編集]- 『まぼろしの勝利 小説・アメリカ外交』(J・K・ガルブレイス、日本経済新聞社) 1968
- 『小説アメリカ外交』(J・K・ガルブレイス、中央公論社) 1979
- 『ガルブレイス著作集 9 回想録』(ティビーエス・ブリタニカ) 1983
- 『ガルブレイス世界を読む 富と英知の使い方』(ティビーエス・ブリタニカ) 1984
ノーマン・カズンズ
[編集]- 『ある編集者のオデッセイ サタデー・レビューとわたし』(ノーマン・カズンズ、早川書房、現代ジャーナリズム選書) 1971
- 『死の淵からの生還 現代医療の見失っているもの』(ノーマン・カズンズ、講談社) 1981
- 『人間の選択 自伝的覚え書き』(ノーマン・カズンズ、角川選書) 1985
- 『私は自力で心臓病を治した』(ノーマン・カズンズ、角川選書) 1986
- 改題『生への意欲 続笑いと治癒力』(岩波書店)、のち岩波同時代ライブラリー、のち岩波現代文庫
C・W・ニコル
[編集]- 『ティキシィ』(C・W・ニコル、藁科れい共訳、角川書店) 1979、のち角川文庫
- 『冒険家の食卓』(C・W・ニコル、角川書店) 1981、のち角川文庫
- 『バーナード・リーチの日時計 青春の世界武者修行』(C・W・ニコル、角川選書) 1982
- 『ザ・ウイスキーキャット』(C・W・ニコル、森山徹撮影、講談社) 1984、のち講談社文庫
- 『私のニッポン武者修業』(C・W・ニコル、角川選書) 1986
- 『誇り高き日本人でいたい』(C・W・ニコル、鈴木扶佐子, 千葉隆章共訳、アートデイズ) 2004
参考
[編集]- 「生涯現役 翻訳の道 新たな一歩 翻訳家・松田銑さん 75」読売新聞、1989年7月9日