投資家

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投資家(とうしか、英:investor)は、株式債券不動産通貨商品などに投資する個人、あるいは法人。

概要[編集]

個人で投資を行う者もいれば、業務として投資を行う法人も存在し、前者は「個人投資家」、後者は「機関投資家」と呼ばれる。

短期の値動きによる利益を狙う「投機家」「トレーダー」に対して、長期の値上がりによって利益を期待する立場を意味することもある。また江戸期の米相場の時代から昭和初期頃までは一般に相場師と呼ばれていた[要出典]

「投機家」「トレーダー」が通常の買いに加え、空売りによる売りからも入るのに対し、投資家はほとんどの場合、買いから入る。個人が投資を行う場合、当面の生活費ではない余剰資金を使って行うのが原則であると言われている。

外国の株式や不動産に投資する者は、投資先の国から「外国人投資家」と呼ばれ、時にその国の投資家以上に存在がクローズアップされる事もある。たとえば日本では、株式市場における外国人投資家の売買シェアが5割を超える為、その動向に常に注意が払われている。

投資家の中には才気と好機に恵まれ、巨万の富を築く人物もおり、世界の長者番付に名を連ねる者もいる。

労働を美徳とする社会においては、キャピタルゲインを目標とした投資によって利益を得る投資家は攻撃の対象とされることがある。しかし投資家は「高い確率で存在している」買い手であることから流動性を高め、企業の資金調達(増資や余剰不動産の処分)を潤滑し経済活動の機動性や効率、規模を向上させ経済全体の向上に寄与している面がある。また逆に株式や不動産の取得を望む場合にも「高い確率で存在している」売り手となることから同様に流動性を高め、やはり経済全体の向上に寄与することになる。[注釈 1]

動向[編集]

ウォーレン・バフェット。総資産は3兆円に上り、彼の発言が市場を動かすことさえある

投資家は洋の東西を問わず古くから存在したが、現代につながる金融技術は18世紀から20世紀にかけてアムステルダムロンドンニューヨークおよびシカゴで開発されてきた。日本でも北浜の米相場が著名であり、江戸時代には高度な金融技術[1]ローソク足チャートなどの相場分析が開発された。

現代の投資家について。株取引を例に取ると、個人投資家が行う取引の形態は、証券会社の窓口や営業を通して株式の売買を行うという形(対面取引)から、パソコンや携帯電話をインターネットに接続して行うオンライントレードが盛んになってきている。未成年者や無職の者でも口座の開設は可能で、また投資に必要な最低限度額や手数料も低下傾向にあり、投資家になるためのハードルは以前より低くなってきている。昔は、投資家と言えば「億万長者」というイメージもあったが、野村総合研究所の調査によれば現在では個人投資家の8割が年収1,000万円に満たない者達で占められている。

機関投資家として、金融機関などが組織的に大規模な投資を行なう場合もある。近年では機関投資家が運用する投資信託(ファンド)への資金流入がすすみ市場においても、各種ファンドの動向が無視できない規模になってきている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 脇田成 「近世大阪堂島米先物市場における合理的期待の成立」、『研究助成金対象論文集』 (日本商品先物振興協会) 第1巻第1号1頁、1995年6月http://www.jcfia.gr.jp/study/ronbun-pdf/no1/01.pdf 

注釈[編集]

  1. ^ 流動性が低下すると、資金調達の際の買い手探しや資産取得の際の売り手との交渉に時間が掛かるなどして、機を失なったり想定外の出費がかさんだりすることになる。これらのリスクを嫌気して投資意欲が減退したり、企業経営の効率が低下したり、場合によっては資金調達の遅れにより経営計画が達成できず倒産してしまうなど、経済全体へ大きく影響を与えることになる。