弘山勉

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弘山 勉(ひろやま つとむ、1966年10月12日 - )は栃木県真岡市出身の元陸上競技選手、現指導者。専門は中距離走長距離走マラソン栃木県立真岡高等学校筑波大学卒業。現役時代は資生堂に所属した。2015年より筑波大学陸上競技部男子駅伝監督を務める。

妻は同じく資生堂ランニングクラブに所属し、オリンピックでは3大会連続で出場した弘山晴美

経歴[編集]

現役時代[編集]

真岡市立山前中学校在学時は、野球部に所属しポジションは投手であった。しかし、中学のマラソン大会で上位に入ったのをきっかけに、高校から陸上競技へ転向する。高校時代は主に中距離ランナーとして活躍。3年時には全国高校駅伝の2区(3Km)に出場した(区間7位)。

筑波大学在学中は箱根駅伝に4年連続出場。特に2年時の第63回大会では9区区間2位の快走でチームのシード権獲得に貢献。3年・4年時は2区を担当し、4年時は長距離部門の主将を務めた。

1989年に資生堂に入社。マラソンのトレーニングを独学でおこない、1990年2月の別府大分毎日マラソンで3位、同年12月の福岡国際マラソンでは2位に入賞する。中山竹通谷口浩美らの次の世代のエース候補として将来を嘱望されたが、独学の限界ならびに故障等もあって実力を発揮出来ず、その後脚光を浴びることは無かった。

資生堂RC・指導者時代[編集]

現役引退後は資生堂RCのコーチに就任、2007年から監督を務めた。1993年2月には当時同じく資生堂の所属選手だった鈴木晴美と結婚し、「弘山晴美選手のコーチでもある夫の勉さん」としても有名となる。指導者になってからも、独学で築いた彼のマラソン理論はさらに探求され、その手腕は妻・晴美の長きに渡る活躍で実証されていた。

2009年3月に晴美が引退を表明した際は、夫婦二人揃って記者会見に臨んだ。その約1年後の2010年3月に長女が誕生。

2012年の全日本実業団女子駅伝などでの成績が振るわず、2013年3月をもって晴美と共に資生堂を退社。2014年10月より、EVOLUアスリートクラブ代表及びアスリートLabスタッフとして、アスリートおよび市民ランナーへのランニング指導活動を開始。

母校筑波大学・指導者時代[編集]

2015年4月からは、母校・筑波大学の陸上部男子駅伝監督に就任[1]。国立大学というハンデを負いながらも育成を進め、2019年10月の第96回箱根駅伝予選会で6位に入り、母校を26年ぶりの箱根駅伝出場に導く[2]2020年1月の本大会では総合20位[3][4][5]

第97回箱根駅伝予選会では10位の専修大学にわずか18秒届かず、11位で連続出場を逃した[6][7]。本大会では関東学生連合チームの監督を務めた[8][9][10][11]

自己記録[編集]

マラソン成績[編集]

大会 記録 順位 備考
1 1989年びわ湖毎日マラソン 2時間33分33秒 42位
2 1990年別府大分毎日マラソン 2時間12分48秒 3位
3 1990年ゴールドコーストマラソン 2時間21分13秒 7位
4 1990年福岡国際マラソン 2時間11分37秒 2位 日本人最上位・自己記録
5 1991年ワールドカップマラソン・ロンドン大会 2時間23分19秒 140位
6 1992年東京国際マラソン 2時間26分21秒 39位
7 1994年福岡国際マラソン 2時間16分01秒 21位
8 1995年北海道マラソン 2時間28分38秒 22位
9 1996年東京国際マラソン 2時間16分16秒 20位
10 1996年福岡国際マラソン 2時間16分14秒 14位
11 1997年東京国際マラソン 2時間24分17秒 25位
12 1997年福岡国際マラソン 2時間18分19秒 26位
13 1999年びわ湖毎日マラソン 2時間19分42秒 31位

著書[編集]

  • 『スピードトレーニングでタイムが伸びる 弘山晴美のマラソン術 (Gakken sports books)』(学習研究社、2005/03/01発行、ISBN 978-4054025196
  • 『最高の走り方 ~超効率的「ベストな1歩」が記録を伸ばす!~』』(小学館、2019/11/21発行、ISBN 978-4093108980[12]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 筑波大 名門復活へ! 陸上長距離コーチにOB弘山勉氏(スポニチ・2015年3月26日記載)
  2. ^ 26年ぶり箱根切符の筑波大「いだてん効果」も力に(日刊スポーツ・2019年10月26日記載)
  3. ^ 【箱根駅伝】26年ぶり出場の筑波大は最下位 大土手主将「来年戻ってきたい」(スポニチ・2020年1月3日記載)
  4. ^ 筑波大を26年ぶり箱根駅伝出場に導いた、2人の選手がつなぐたすき(4years.#大学スポーツ、大学陸上・駅伝・2020年1月7日記載)
  5. ^ 第96回箱根駅伝で受けた洗礼と味わった果実~戦い終えて・弘山駅伝監督~(筑波大学 箱根駅伝復活プロジェクト・2020年1月8日記載)
  6. ^ 順大1位 筑波大18秒に泣く/箱根駅伝予選会詳細(日刊スポーツ・2017年10月17日記載)
  7. ^ 箱根駅伝を18秒差で逃した筑波大学 濃密な衝突と信頼の時間「いつ主将を辞めろと言われるか…」(Number Web、箱根駅伝PRESS・2020年12月22日記載)
  8. ^ 【駅伝】関東学生連合のエントリーメンバー発表/箱根駅伝月陸Online・2020年11月5日記載)
  9. ^ 箱根駅伝・関東学生連合の目標は総合10位以内「何を成し遂げたいか」を考えて(4years.#大学スポーツ、大学陸上・駅伝・2020年11月25日記載)
  10. ^ 第97回 東京箱根間往復大学駅伝競走 往復総合公式記録(PDF版)
  11. ^ 【箱根駅伝】関東学連は総合20位相当 弘山監督「誤算続きでレースにならなかった」(スポニチ・2021年1月3日記載)
  12. ^ 筑波大学を26年ぶりに箱根駅伝本大会に導いた監督=弘山勉(ひろやま・つとむ)さんの最新刊『最高の走り方』発売!「時間のないサラリーマンランナーでもサブ4をめざせる走り方のメソッド」解禁!!(株式会社小学館のプレスリリース・2019年11月21日記載)