和田研フォント

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和田研フォント(わだけんフォント)は東京大学和田英一らによる「和田研漢字分科会」が公開したフォントである。和田研では、フォントの形状を示す線から肉付けを行い、それらの字形を組み合わせることによって複数のアウトライン形式の漢字を半自動で作成する研究を行っていたが、その過程で作成されたフォントを研究結果として公開していたことから、そのフォントが和田研フォントと呼ばれるようになった。

明朝体である細明朝体、ゴシック体の中角ゴシック体、丸ゴシック体の細丸ゴシック体の3種類が公開されている。

これらの公開されている形式は、肉付けアルゴリズムを行う前のデータと、PostScriptファイルに変換するプログラムである。

現在は和田研のメンバーの1人であった田中哲朗によって管理されている。

アルゴリズムとプログラム[編集]

変換のプログラム、和田研フォントキットはLisp処理系の一つであるUtiLispで作られている。のちにCommon Lispに移植したCLWFKも作られた。

元の文字となるモールに似た形状をスケルトンと呼び、それに対し幾つかの属性を持たせ、スケルトンに対し指定した幅分の計算を行う。計算した幅における座標を求める。ストロークの交点と分岐点では、その変換に対し、特殊な計算を行う。部首ごとに分かれる場合は、その部首単位で作成したストロークを合成する手法を用いる。

ライセンス[編集]

和田研ライセンスといわれる、再配布をする場合は変更箇所とフォントの由来を記載してくださいというライセンスになっている。

和田研ライセンス[編集]

以下にライセンス全文を示す。ライセンスの実質な部分は前の二文である。

フォントをそのまま, あるいはフォーマット変換して使用, 配布する場合, 個人, 会社を問わず, こちらの許可は必要ありません. ただ, 配布する場合はそのフォントが ftp.ipl.t.u-tokyo.ac.jp に由来すること, どのような変換をしたかを付記して下さい. フォントはこれからも, バージョンアップする予定なので, 末端ユーザが最新のバージョンを自分で手に入れられるようにしたいためです. 漢字の字形の誤りや, あまりにデザインのひどい字など御指摘があったら, ktanaka at ecc.u-tokyo.ac.jp まで御連絡下さい.

「個人、会社を問わず」に一部法人が抜けていたり、「配布」に販売が含まれるのかは曖昧だったりと問題の多いライセンスである。 「フォーマット変換」が改変として解釈され、いくつかの派生フォントが作られた。Debianパッケージのライセンスの英訳では「convert」と翻訳されている[1]。 和田研フォントを派生したフォントはさざなみフォント(旧東風フォント代用品)、戸越フォントなどが存在するが、その中のさざなみフォントは和田研フォントを生成する部品のライセンスを著作権者の許可の下修正BSDライセンスに変更することで修正BSDライセンスとなった[2][3]

2009年3月、著作者の一人である田中哲朗により和田研フォントのライセンスから後ろ2つの文が削除された[4]

和田研細丸ゴシック[編集]

和田研細丸ゴシック2004フォントは、和田研細丸ゴシックを元にJIS X 0213に含まれる漢字や記号などを追加したOpenTypeフォントである。現行バージョンのフォント名としては、和田研細丸ゴシック2004絵文字TrueTypeベース) がARIB外字絵文字を幅広くサポートしており、和田研細丸ゴシックProN(PostScriptベース)が全角文字の丸囲み文字の合成に対応しており、このような文字をサポートしているフォントはどちらも希少である(特にWindowsでは全角の丸囲み文字の合成に対応したフォントが他に少ない)。絵文字サポートのフォントに関しては、中程度のウエイトになっている和田研中丸ゴシック2004絵文字もある。

過去のバージョンには、和田研細丸ゴシック2004・和田研細丸ゴシック2004ARIBなどがあった。ほとんどが細・中のウエイトを取り揃えている。

なおライセンスは、和田研ライセンスではなくパブリックドメインのようなライセンスになっている。

参考文献[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]