備中天神桜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
備中天神桜
所在地 岡山県高梁市
樹種 ヤマザクラ (C. jamasakura)
テンプレートを表示

備中天神桜(びっちゅうてんじんざくら、Cerasus jamasakura ‘Bitchu-tenjinzakura’)は、岡山県高梁市備中町西山の風致園にあるヤマザクラの古木で、日本花の会よりサクラの新しい栽培品種に認定された一本桜である[1][2][3][4]

特徴[編集]

樹齢およそ300年のヤマザクラ(山桜)で高さ8m、枝張り東西17m南北11mと小ぶりながら、咲き始めは若葉が赤く美しい一重の白い花を付けるのが特徴である。この個体はヤマザクラの一個体であり形態学的には他のヤマザクラと異なる際立った形質はないが、地域に縁のある場所で古くに植栽された由来をもつ古木であることや赤芽白花で観賞性が高いことから新しい栽培品種として認定された[1][2][3]。開花期は通常4月の中旬頃で周辺のソメイヨシノの開花後である[1][2][3][5]

名前の由来[編集]

元々は地域住民への公募であるが、江戸時代に当地西山の庄屋であった赤木家=古瀬田(こせた=屋号)の前方にあった小高い丘「風致園」に自前の神様を祀ったとされ、その神様は菅原道真公を祀った祠もあることから天神様として今なお地域住民で継承されてきて「天神が丘」と呼ばれていることから当サクラにも「天神」の文字が加わった名前が選ばれた[4][6]

沿革[編集]

2018年4月21日、予てから古木のヤマザクラがある「風致園」と呼ばれる場所の整備が完了したのを期に完成を祝う式典が行なわれ[注釈 1]、この時、地域住民によって公募された中から決定された「天神桜(てんじんざくら)」という名前が披露された[7][注釈 2]

2020年3月10日、鑑賞性が高く地域に貢献する可能性が高いとして日本花の会よりサクラの新しい品種に認定され(認定番号第022)[1][5][4]、品種名は「備中天神桜」と命名された[注釈 3][2][4]

交通アクセス[編集]

所在地
交通機関

駐車場[編集]

  • 乗用車数台分

周辺[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 品種特性詳細(認定番号 第022号)備中天神桜”. 日本花の会ホームページ. 2021年11月8日閲覧。
  2. ^ a b c d 備中天神桜”. 高梁市ホームページ. 2021年6月14日閲覧。
  3. ^ a b c 備中天神桜/地域ホームページ備中町西山”. 地域ホームページ備中町西山. 2021年6月15日閲覧。
  4. ^ a b c d 高梁のヤマザクラ、園芸品種に 備中町西山地区の樹齢300年”. 山陽新聞Web News (2020年4月5日). 2021年6月15日閲覧。
  5. ^ a b 新たな地域のシンボルに…樹齢約300年の「ヤマザクラ」新品種に認定 岡山・高梁市”. KSB瀬戸内海放送ホームページ (2020年3月14日). 2021年6月15日閲覧。
  6. ^ 『備中町再発見』p142(岡山文庫, 2020年
  7. ^ 西山を見守る「風致園」/ 桜の古木に命名”. 地域ホームページ備中町西山 (2018年5月9日). 2021年6月15日閲覧。

注釈[編集]

  1. ^ 同地の維持管理は地域の憩いの場と活力になることを目的に地域のメンバーで組織された「風致園を守る会」が行なってこのサクラを守っている。
  2. ^ 「風致園」内には近藤隆則高梁市長揮毫による記念碑も天神桜の近くに設置された。
  3. ^ 新しい品種の認定を受けて同年4月12日に「新種認定記念式典」が同地にて行なわれた。

参考文献[編集]

  • 高見寿『備中町再発見』岡山文庫、2020年。 

関連項目[編集]

座標: 北緯34度51分24.714499秒 東経133度21分13.528159秒 / 北緯34.85686513861度 東経133.35375782194度 / 34.85686513861; 133.35375782194