中山隧道

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中山隧道
Nakayama-zuidou 02.jpg
展示施設として改装された坑内
概要
位置 新潟県中越地方
座標 北緯37度18分10.1秒 東経138度55分44.6秒 / 北緯37.302806度 東経138.929056度 / 37.302806; 138.929056座標: 北緯37度18分10.1秒 東経138度55分44.6秒 / 北緯37.302806度 東経138.929056度 / 37.302806; 138.929056
現況 廃止(1998年)。文化財として保護。土木学会選奨土木遺産。
起点 新潟県長岡市
終点 新潟県魚沼市
運用
建設開始 1933年
開通 1949年
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中山隧道の位置(新潟県内)
中山隧道
中山隧道の位置(新潟県)
山古志側坑口

中山隧道(なかやまずいどう)は新潟県長岡市魚沼市間にある国道291号の旧道のトンネル。全長は922 mあり、手掘りの道路トンネルとしては日本最長である[1]

1933年から1949年にかけて旧山古志村小松倉集落住民の労働奉仕により作られた。1998年に並行して自動車用トンネルが開通し、以後旧トンネルは史跡として整備保存されている。新中山トンネルの建設に関しては、田中角栄の関与が知られる。関連作品として橋本信一のドキュメンタリー映画「掘るまいか 手掘り中山隧道の記録」がある。2006年土木学会選奨土木遺産に選定された。

歴史[編集]

山古志村の小松倉地区(地図 - Google マップ)は四方を山に囲まれた入り組んだ山あいにあり、昭和時代の太平洋戦争が終結した数年後まで、そこに住む住人達が買い物病院に行くためには、中山峠を越えた広神村経由で小出町に出るしか術がなかった。中山峠越えは、普段でも1時間以上かかる道のりで、冬場になれば日本有数の豪雪地帯のため積雪は4メートルを超し、吹雪にも遭うため通行は困難を極めた[2]。しかしついに、1932年(昭和7年)に隧道を建設することが集落の住民たちで話し合いによって決められた[2]。翌1933年(昭和8年)11月12日からトンネルの掘削工事が始められ、集落の住民たちは無報酬でありながらも交代で、しかも見通しも立たない状況のなかでツルハシなどを使用してすべて人力によって掘り続けられた[2]。太平洋戦争が勃発すると、戦争が優先されたため約4年間工事は中断したが、1947年(昭和22年)からまた再開され、着工から15年以上が経過した1949年(昭和24年)5月1日に広神村側に貫通した[2]。中山隧道の貫通は、小松倉地区の住民たちにとって大きく生活環境が改善し、雪が降った時でも中山峠を20分で越えられるようになった。まさに、小松倉地区住民たちの血と汗の結晶ともいえるトンネルであった[3]

開通当初、幅1.4メートル、高さ1.5メートルだった中山隧道は、その後幾度も拡幅を重ねながら人々に利用され続け、1982年(昭和57年)に国道291号のルートに指定された[3]。国道指定後、1998年(平成10年)に国道の道路改良事業によって、中山隧道に隣接する新・中山トンネルが開通し、49年間続いた生活道路としての役割を終えた[3]。その後、日本全国から貴重な生活遺産や土木遺産として活用してほしいという声が寄せられ[3]、現在は史跡として保存されるに至っている。

年表[編集]

  • 1933年昭和8年)11月12日:鍬立て式[4]
  • 1934年(昭和9年)10月:中山隧道開さく期成会結成[4]
  • 1939年(昭和14年)10月21日:80間(144 m)到達[4]
  • 1943年(昭和18年):掘削中断、180間(324 m)[4]
  • 1947年(昭和22年):掘削再開[4]
  • 1949年(昭和24年)5月1日:夕刻に貫通、幅4尺、高さ6尺、502.8間[4]
  • 1950年(昭和25年):2期工事。幅2 m、高さ2.5 mに拡築[4]
  • 1956年(昭和31年):トンネル拡張および、路盤下げ工事[4]
  • 1959年(昭和34年):坑内舗装工事[4]
  • 1960年(昭和35年):広神側坑口付近が落盤。小松倉住民がコンクリート巻き立て工事を施工し補修[4]
  • 1981年(昭和56年):照明工事[4]
  • 1995年平成7年):山古志側坑口のコンクリート巻き立て工事(延長9 m)[4]
  • 1996年(平成8年):広神側坑内のモルタル吹付工事(延長214.9 m)[4]
  • 1998年(平成10年):道路規制 幅1.4 m、高さ1.5 m、長さ875 m[4]
    • 同年12月14日:中山トンネルに役割を引き継ぎ新生[4]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 88.
  2. ^ a b c d ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 89.
  3. ^ a b c d ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 90.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「中山隧道の経緯」 (山古志側坑口にある標識). 新潟県長岡市山古志東竹沢: 小松倉自治会. (1998年). 

参考文献[編集]

関連文献[編集]