コンテンツにスキップ

ワガドゥグ全アフリカ映画祭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ワガドゥグ全アフリカ映画祭(ワガドゥグぜんアフリカえいがさい、フランス語: Festival panafricain du cinéma et de la télévision de Ouagadougou、FESPACO)はブルキナファソワガドゥグーで開催されるアフリカ最大の国際映画祭。通称はフェスパコ[1]FESPACO)。第1回は1969年に開催された[2]アフリカで最も長い歴史をもつ映画祭の一つで、アフリカとそのディアスポラによる作品を対象としている[注釈 1][1]

映画祭は創設当初、名称をワガドゥグ最優秀アフリカ映画祭: Premier Festival de Cinéma Africain de Ouagadougou )と称した。「アフリカ映画週間」(Semaine du cinéma africain)だったとしばしば示されるものの、誤りである点は創設メンバーのひとりが記した著書で裏付けされ、また当時の広報用ポスターの文言も確認できる[2]。開催当時の国名はオートボルタ共和国であり、第1回はフランス・ボルタ文化センターの映画クラブ会員向けのイベントだった。それまでのオートボルタで映画といえば欧米の作品が中心だったが、この映画祭によって、アフリカをテーマとしたアフリカ人監督による映画の存在感が示されるようになった[3]

第3回を迎える1972年に正式に名称を変更すると1979年以降は隔年開催が定着し、また併設のアフリカ映画・テレビ番組見本市「MICA」(Marché international du cinéma et de la télévision africains)を導入した1983年以降は、奇数年はこの映画祭、複数年はブルキナファソの全国文化週間ドイツ語版をそれぞれ隔年で交互に催してきた。後者でもBobo-Dioulassoの創設した映画祭(SNC)を行う。

本映画祭はブルキナファソ政府の後援を受け、オランダスウェーデン中華人民共和国デンマークドイツフィンランドフランス他の協賛を得て開かれる。

[編集]

主な賞は、グランプリの他に最優秀短編賞、観客賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞、最優秀シナリオ賞、最優秀音楽賞、最優秀イメージ賞、審査員特別賞、最優秀新人賞にあたるウマール・ガンダフランス語版英語版賞、大陸外のアフリカ系の監督が対象のポール・ロブスン[注釈 2]など、特別賞を合わせると30種類以上となる。

最も栄誉のあるグランプリは「ヨネンガの牡馬賞」(フランス語: Étalon de Yennenga)と呼ばれ、モシ帝国(現・ブルキナファソ)を創始した伝説の女王の名を冠する [4]。この賞はアフリカの現実を最もよく映すアフリカの作品が対象である。

グランプリ受賞作品

[編集]
  • 1969年(第1回)ワガドゥグ最優秀アフリカ映画祭: Premier Festival de Cinéma Africain de Ouagadougou[注釈 3]
  • 1970年(第2回)ワガドゥグ最優秀アフリカ映画祭[注釈 3]
  • 2019年(第26回)『The Mercy of the Jungle 』:Joel Karekezi(ルワンダ)
  • 2021年(第27回)『The Gravedigger's Wife』:Khadar Ayderus Ahmed(ソマリア)
  • 2023年(第28回)『Ashkal』:Youssef Chebbi(チュニジア)
  • 2025年(第29回)『Katanga: The Dance of the Scorpions』:Dani Kouyaté(ブルキナファソ)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. フェスパコより前に始まった映画祭としては、1966年開催のカルタゴ映画祭がある[1]
  2. ポール・ロブスンは20世紀アメリカ多言語を話す俳優で歌手。すぐれた新人の表彰は公民権活動に熱心だった人物にちなんで命名された。
  3. 1 2 巷では第1回、第2回をフランス語: Semaine du cinéma africain(アフリカ映画週間)と呼び習わしているが、通称にすぎない[2]

出典

[編集]
  1. 1 2 3 遠藤 2025, p. 328.
  2. 1 2 3 Ouedraogo 1995, p. 61.
  3. 遠藤 2025, pp. 328–329.
  4. Sheldon 2005, p. 272.

参考文献

[編集]

代表執筆者の姓の50音順。

  • Ouedraogo, Hamidou (1995) (フランス語). Naissance et evolution du FESPACO de 1969 à 1973. Ouagadougou: Imprimerie Nationale du Burkina. p. 61. OCLC 655664310. https://books.google.co.jp/books?id=YTQbAQAAIAAJ&redir_esc=y&hl=ja 
  • Sheldon, Kathleen E. (2005) (英語). Historical Dictionary of Women in Sub-Saharan Africa. Scarecrow Press. ISBN 0-8108-5331-0. https://books.google.com/books?id=36BViNOAu3sC 
  • 白石顕二『アフリカ映画紀行』柘植書房新社〈地球文化紀行〉、2000年、[要ページ番号]頁。ISBN 4806804460 NCID BA49568151 
  • 清水貴夫, 中尾世治 編『ブルキナファソを知るための64章』明石書店〈エリア・スタディーズ〉、2025年。 
    • 遠藤聡子『ブルキナファソの映画――映画祭フェスパコの開催国』。 

関連項目

[編集]

関連資料

[編集]

発表年の早い順

外部リンク

[編集]