ロバート・トッド・リンカーン

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ロバート・トッド・リンカーン

ロバート・トッド・リンカーン(Robert Todd Lincoln, 1843年8月1日 - 1926年7月26日)は、アメリカ合衆国政治家共和党に所属し、ジェームズ・ガーフィールド政権およびチェスター・アーサー政権で第35代アメリカ合衆国陸軍長官を務めた。父親は第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン

生い立ちと初期の経歴[編集]

青年時代のリンカーン

ロバート・トッド・リンカーンは、フィリップス・エクセター・アカデミーを卒業後、1861年から1864年までハーバード大学で学ぶ。 ハーバード大学卒業後、デルタ・カッパ・エプシロンに所属した(後にデルタ・カイにも所属している)。続いてハーバード法科大学院へ進学した。 南北戦争の為、1865年に北軍に加わり、卒業はしなかった。大尉として従軍し、ユリシーズ・グラント将軍の側近を務めた。当時は戦況が収束方向へ向かっていたため、実際の戦闘に遭遇する公算は極めて小さかった。南軍のロバート・リー将軍が降伏したアポマトックス・コートハウスの戦いに参加した。

1865年4月に父親エイブラハムが暗殺されると、ロバートは母親メアリーおよび弟トマスイリノイ州シカゴへ移り住んだ。シカゴ大学で法律を学び、1867年2月25日に弁護士として認可された。

アメリカ合衆国陸軍長官[編集]

陸軍長官時代のリンカーン

1877年ラザフォード・ヘイズ大統領から国務次官補への就任を要請されたが、リンカーンは辞退した。1881年ジェームズ・ガーフィールド大統領が陸軍長官のポストを提示すると今度は受諾し、続くチェスター・アーサー政権でも同長官を務め、1881年3月5日から1885年3月4日まで在任した。

駐イギリス公使[編集]

1889年3月30日ベンジャミン・ハリソン大統領から駐イギリス公使として指名を受けたリンカーンは、5月25日に信任状を奉呈して着任、1893年5月4日に召還されるまで公使を4年務めた。

晩年[編集]

晩年のリンカーン

1926年7月26日、リンカーンはバーモント州マンチェスターの別荘ヒルデンにおいて死去した。遺体はアーリントン国立墓地に埋葬された。エイブラハム・リンカーンメアリー・トッド・リンカーンの間に生まれた4人の子女の中で唯一成人を迎え、天寿を全うした。

家族[編集]

エイブラハム・リンカーンメアリー・トッド・リンカーン夫妻の長男として生まれた。弟が3人いたが、いずれも19歳以前に若くして逝去した。

父親エイブラハムとは疎遠な関係であったとされる。その原因の1つに、父親が巡回裁判所の判事を務めていたことが挙げられる。幼少期に父親と会話をする機会をほとんど与えられず、後に父親の記憶について、「イリノイ州各地を旅行するためにサドルバッグに荷物を詰めている様子が、鮮明な記憶のほとんどであった」と述べている[1]。ただエイブラハムはロバートの存在を誇りに思い、輝ける人物であるとみており、息子について将来は自分の政治的ライバルともなり得るとも考え、「自分よりも優秀だろう」と評価していた[2]。ロバートの弟ウィリアムトマスは父親と強い絆で結ばれることはなかったがロバートは父親を偉大な人物として賞賛し、その死に際しては公然と泣き暮れた[3]

バーモント州マンチェスターの別荘ヒルデン

1868年9月24日、ロバート・リンカーンは連邦上院議員ジェイムズ・ハーランの娘メアリー・ユーニス・ハーラン (Mary Eunice Harlanm, 1846-1937) と結婚し、1男2女をもうけた。

  1. メアリー・リンカーン(英語) (Mary Lincoln, 1869-1938)
  2. エイブラハム・リンカーン2世(英語) (Abraham Lincoln, 1873-1890)
  3. ジェシー・ハーラン・リンカーン(英語) (Jessie Harlan Lincoln, 1875-1948)

注釈[編集]

  1. ^ Donald, David Herbert, Lincoln. New York; Touchstone, 1995, p. 159
  2. ^ Donald, David Herbert, Lincoln. New York; Touchstone, 1995, p. 428
  3. ^ Donald, David Herbert, Lincoln. New York; Touchstone, 1995, p. 599

外部リンク[編集]

公職
先代:
アレクサンダー・ラムジー
アメリカ合衆国陸軍長官
1881年3月5日 - 1885年3月4日
次代:
ウィリアム・クラウニンシールド・エンディコット
外交職
先代:
エドワード・フェルプス
在イギリスアメリカ合衆国特命全権公使
1889年5月25日 - 1893年5月4日
次代:
トマス・ベイヤード