レッキ

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レッキ (recce) は、モータースポーツ用語で、ラリーに使われる道路を事前に試走すること。語源は英語の"reconnaissance"(偵察・検分・予備調査[1])が略されたもの[2]

目的[編集]

ラリー競技では、一般公道を一時的に閉鎖したタイムトライアル区間(スペシャルステージ、SS)を全力走行する。周回路(サーキット)と異なり、SSは1本の距離が長い上に、ルート設定が度々変更される。また、一般道であるため路面状況が常に変化し、先の見通せないブラインドコーナーなど危険なポイントもある。そこで、競技本番の前にSSを事前走行し、直線距離やコーナーの特徴、注意点などを確認して、その情報をまとめたペースノートを作成する。本番ではペースノートをコ・ドライバーが読み上げ、それを頼りにドライバーがSSを全力アタックする。

方法[編集]

通常、ラリーの開催直前に主催者がレッキの機会を用意する。世界ラリー選手権(WRC)は1日1回のレッキを2日間行ってから、3日間の本番を迎える「2+3方式」が主流。また、ワンデイラリーでは午前中にレッキ、午後に競技という日程を採る場合もあり、ミルピステ方式と呼ぶ。WRCでもコストダウンのため2004年にミルピステ方式をテストしたが[3]、スケジュール面で不評のため正式採用は見送られた。

ラリーに参加するドライバーとナビゲーターはあらかじめ主催者から渡されているロードブックを元にSSを試走しながら、本番用のペースノートを作成する。2回目のレッキではその確認作業が主となる。レッキ中はSSが閉鎖されていないので、制限速度内でしか走行できない。WRCでは速度管理のため、レッキに使用される全ての車にGPSの装備を義務付けている。また、後述する違法レッキの監視用にもGPSが使われている。

レッキに使用される車は基本的にノーマル車で、チームの移動用車を使ったり、現地でレンタカーを借りるケースもある。WRCの場合、過去には競技車両でのレッキが認められていたが、コスト削減策により現在では禁止。一方で全日本ラリー選手権の場合は競技車両によるレッキが認められている。

WRCでは市販車にロールバー等の安全設備を設けた基本的にグループN相当のものであることが求められており、レッキ専用車を用意して世界中を転戦している。レッキ車には競技車両のようなスポンサーカラーリングは施されていない。実戦状態に近いことが望ましいため、4WDターボ車が選ばれる。多くのワークス・チーム三菱・ランサーエボリューション、もしくはスバル・インプレッサを利用しているが、これは三菱自動車工業富士重工業(スバル)以外、市販車で四輪駆動車をラインナップしていないメーカーが多いからである[4]。また、フォードはグループ会社であるボルボS60の4WD車を使用している。

レッキの方法についてはレギュレーションで制限が行われており、ラリー主催者や土地の所有者の許可のないレッキは禁止とされている。これは特定のドライバーやチームが事前にコースを何度も試走して有利な状況に立つことを防ぐことが狙いである。これに違反して主催者の許可なしにドライバーやナビゲーター・チームスタッフ等がコース内に立ち入った場合、当該ラリーの失格処分や、最悪の場合モータースポーツライセンスの停止・剥奪に至ることもある。関係ない時期にレッキを敢行して問題となった一例として、1999年サンレーモで、フランソワ・デルクールが主催者に無断で自転車によるレッキを行ったことなどがあるが、これも本来であれば違反である[5]

脚注[編集]

  1. ^ "reconnaissanceの意味". Webrio辞書.
  2. ^ "困ったときの用語集 レッキ". Rally Plus.net.
  3. ^ "三菱自動車『ランサーWRC04』2004年FIA世界ラリー選手権第4戦「プロペシア・ラリー・ニュージーランド」に参戦". 三菱自動車.(2004年4月13日)2014年3月13日閲覧。
  4. ^ ヨーロッパなどのメーカーは、二輪駆動車をベースに4WD化したマシンでWRCに参戦している。
  5. ^ 因みにこの件はよくジル・パニッツィのエピソードとして語られる事が多いが、これは翌年のサンレーモでパニッツィが違法レッキを行ってデルクールがパニッツィを罵倒し険悪になった事によるもの。詳細は両者の項目に詳しい

関連項目[編集]

外部リンク[編集]