モシ

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モシ(Moshi)は、タンザニアの都市。タンザニア北部に位置し、キリマンジャロ州の州都である。人口144739人(2002年)。モシの町はキリマンジャロ山の南麓の緩やかな丘陵部にある。モシはチャガ人とマサイ人が多く住む。モシは西のアルーシャと東のケニアのボイを結ぶ道路上に位置する。また、モシからは南のタンガダルエスサラームへの道路も走っている。タンガやダルエスサラームへは鉄道も走っている。また、モシとアルーシャのほぼ中間点にはキリマンジャロ国際空港があり、国内各地のほかロンドンアムステルダムなどへも直行便が就航している。

モシ周辺は、タンザニア国内で最も識字率の高い地域である。モシはキリマンジャロ登山の基点となる街であり、また西のアルーシャとともにこの地域の観光の拠点となっているため、欧米などから多くの観光客が訪れる。キリマンジャロ登山にはガイドの雇用が必須であり、またポーターやコックなど登山者に雇われる地元住民は多く、観光産業は重要な雇用先となっている。

モシには、炭酸飲料やビール製造、薬品やコーヒー包装などの工場がある。モシは標高が高く冷涼な気候のため、その気候を生かしたコーヒー紅茶の栽培が盛んである。特にアラビカ種のコーヒーは、1900年ごろからこの街周辺に住むチャガ人によって栽培が始められ、キリマンジャロから灌漑水路を引いて生産を安定させ[1]1932年には「キリマンジャロ原住民共同組合連合会」という協同組合を結成してコーヒーの品質の維持に努めた[2]結果、モシ周辺はコーヒーのブランドであるキリマンジャロ・コーヒーの産地となり、コーヒー及びその関連産業はモシの重要な産業となっている。

モシ周辺は古くから教育水準が高く、さらにキリマンジャロコーヒーなどによって経済的にも富裕な地域だったため、政治的に大きな役割を果たした。1992年複数政党制導入以降は、与党タンザニア革命党が強いタンザニアにあってモシは野党の牙城となっている。


脚注[編集]

  1. ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷  p.272
  2. ^ 吉田昌夫『世界現代史14 アフリカ現代II』山川出版社、1990年2月第2版。p.110