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マツバギク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マツバギク
Lampranthus spectabilis
Lampranthus spectabilis
(2008年6月8日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ハマミズナ科 Aizoaceae
亜科 : Ruschioideae
: ルスキア連 Ruschieae
: マツバギク属 Lampranthus
: マツバギク L. spectabilis
学名
Lampranthus spectabilis
(Haw.) N.E.Br.[1]

マツバギク(松葉菊、学名: Lampranthus spectabilis)は、ハマミズナ科(ツルナ科)マツバギク属(ランプラントゥス属[2])の多年草のひとつ。また、マツバギク属(Lampranthus)の総称のこと。南アフリカ原産。葉が松に、花が菊に似ていることから松葉菊と名付けられた[3]。本記事では、特に断らない限り、種としてのマツバギク(L. spectabilis)を説明する。

マツバボタン(スベリヒユ科)と名前が似ているが、別な植物である。また、マツバギクの葉は多肉であり、花の形もある種のサボテンに似ているので、サボテンの一種と誤解する人もいるが、多肉植物であるものの、サボテンとは全く別系統の植物である。

英語では耐寒マツバギク(Delosperma)と合わせてアイスプラント(iceplants)と呼ばれ、広義ではハマミズナ科全体を指す。日本語におけるアイスプラントは同科別属のMesembryanthemum crystallinumを指す

形態・生態

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は木質化し、地上を横に這い、先端が立ち上がる。茎は根本でよく分枝して、まばらなクッション状の群落になる。があって、対生する。

葉は多肉質で、断面がやや三角になった状。

は一見キクにも似ている。花弁は細いものが多数並ぶ。花弁が紫色で、やや光沢がある。朝に花が開き、夕方に花が閉じる。からにかけ、長期間開花を繰り返す。

植え付けの適期は3月から5月、9月から11月だが、真冬と真夏を除き、ほぼ一年中植えつけができる。一度植えつけると何年もそのまま育てられるが、鉢植えの場合は、根詰まりや用土の劣化で花つきが悪くなるため、数年に1回、春か秋に植え直しを行う。

増やしたい場合は挿し芽を用いる。適期は4月から6月、9月から10月ごろで、赤玉土など肥料分が少ない用土に入れてさす。挿し芽から1ヵ月程度で根付く。

人間との関わり

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植え込みなどにもよく利用される。

高温や乾燥に強い上に、大きい群落になる。日本へは、明治初めに渡来[4]、観賞用として花壇石垣などで栽培されている。多湿による蒸れには弱いため、石垣の上や石組みの間、ロックガーデンなどに向いている。

マツバギク属

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マツバギク属(マツバギクぞく、学名: Lampranthus)は、ハマミズナ科(ツルナ科)のの一つ。

園芸上のマツバギク

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園芸方面では、耐寒マツバギク英語版 (Delosperma cooperi) のようにデロスペルマ属英語版 (Delosperma) の植物も「マツバギク」としていることがある。

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br. マツバギク(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年11月5日閲覧。
  2. ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、104頁。ISBN 978-4-900358-61-4 
  3. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、313頁。ISBN 4-529-02039-8 
  4. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、186頁。ISBN 4-529-02039-8 
  5. ^ 鈴木庸夫写真『春の花』畔上能力ほか解説、山と溪谷社〈山溪ポケット図鑑〉、1995年、265頁。ISBN 4-635-07011-5 
  6. ^ 鈴木庸夫写真『夏の花』畔上能力ほか解説、山と溪谷社〈山溪ポケット図鑑〉、1994年、185頁。ISBN 4-635-07012-3 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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