アイスプラント
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アイスプラント | |||||||||||||||||||||
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![]() アイスプラント
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Mesembryanthemum crystallinum L. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
アイスプラント | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Common Ice Plant Crystalline Iceplant |
アイスプラント(英: Ice plant、学名: Mesembryanthemum crystallinum)は、ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。
ヨーロッパ、南アフリカ原産[1]。肉厚の葉や茎の表皮にミネラル(塩)を蓄える細胞があるため、凍ったように見えることが名前の由来である[1]。
英語ではアイスプラント(iceplants)は本種が属するハマミズナ科の植物の総称で、狭義ではアイスプラントはむしろ耐寒マツバギク属(Delosperma)やマツバギク属(Lampranthus)を指す。また欧米では近縁のCarpobrotus edulisの方が食用のアイスプラントとして一般的である。
生態[編集]
乾燥に耐えるとともに、耐塩性が高い塩生植物の一つであり、海水と同程度の濃度の塩化ナトリウム水溶液中でも水耕栽培が可能である[要出典]。さらに、生活環が半年程度と比較的短く、栽培も容易なため、植物の耐塩性研究におけるモデル生物として学術的な注目も集まっている[要出典]。水耕栽培ではなく土耕栽培を行った場合は、地中にカドミウムなどの有害な重金属が含まれている場合、一般作物以上に吸収、蓄積する特性がある[2]。
乾燥や塩ストレスを与えないと一般的な光合成経路であるC3光合成を行い、乾燥/塩ストレスを与えるとCAM型光合成へ移行することができる。CAM型光合成を行うアイスプラントは、アミノ酸のプロリンやピニトールといった環境適合溶質をより生合成することによって、過酷な乾燥ストレスから生体を防御する。 また、表皮には塩嚢細胞(ブラッダー細胞、英語:Bladder Cell)と呼ばれる体内に侵入した塩類を隔離するための細胞が発達している。塩嚢細胞の大きさは2ミリ前後に達し、透明でキラキラと輝くため、種名のクリスタリナムの由来となっている。
利用[編集]
若い葉や茎が食用になり、独特の食感と塩味が特徴である[1]。フランスではフィコイド・グラシアル(ficoïde glaciale)と呼ばれ、フランス料理の食材として使われている。アフリカでは民間薬や石けん[要説明]として利用される。味や香りが薄いため、サラダ[1]や天ぷら、炒め物などの料理に適している。
日本でも佐賀大学農学部が栽培化し、塩味のする新野菜として紹介したことをきっかけに、近年、全国各地でも栽培されはじめた。日本国内産の栽培品種はさまざまな商品名ががついており[1]、国立ファームはソルトリーフ、佐賀大学発ベンチャーの農研堂はバラフとクリスタルリーフ、アグリ社はプッチーナ、滋賀県長浜市の日本アドバンストアグリはツブリナという商標を用いている。また、静岡県ではソルティーナやシオーナの名で販売されている。
アイスプラントには、中性脂肪の増加を抑えて内臓脂肪を減らす効果があるといわれるミオイノシトールが含まれる[1]。またピニトールも含まれており、血糖値を下げる効果や[1]、肝機能改善効果が有るとされる[要出典医学]。 また、国内でもアイスプラントを配合した化粧品が開発されるなど、その保湿作用やビタミン[要説明]に着目した新規素材として使われ始めている[要出典]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 14.
- ^ 新野菜アイスプラント 土耕栽培で注意喚起 Archived 2010年6月2日, at the Wayback Machine.
参考文献[編集]
- 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、14頁。ISBN 978-4-415-30997-2。