ボルトロン

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ボルトロン(Voltron: Defender of the Universe)は、アメリカ合衆国テレビアニメシリーズ。バルトロンと表記する資料もある[1]

概要[編集]

東映アニメーションバンダイが制作した全く関連性のない日本のロボットアニメを統合・再編集した、ハイパーリンク形式のアニメシリーズである[2]。社会現象を起こすほどの人気を獲得し、アメリカで最も有名なスーパーロボットとなる。映画『デッドプール』やドラマ『メンタリスト』などで本作について言及されている。

1984年から1985年までにかけて『百獣王ゴライオン』を編集した第1シリーズ『Lion Force Voltron』(ライオンフォース・ボルトロン)が全75話、『機甲艦隊ダイラガーXV』を編集した第2シリーズ『Vehicle Team Voltron』(ビークルチーム・ボルトロン)が全52話放送された。なお、『百獣王ゴライオン』と『機甲艦隊ダイラガーXV』にあった暴力シーンはカットされている[3]

1986年9月26日には東映アニメーションによる描き下ろしシーンを追加したTVスペシャル『Fleet of Doom』が放送され、1998年9月12日からは『Lion Voltron』の5年後を描いたCGIアニメ『Voltron: The Third Dimension』が2000年2月19日まで放送。2011年6月16日からは続編『Voltron Force』がニックトゥーンズ2012年4月25日まで放送された。

2016年1月5日にはNetflixドリームワークス・アニメーションとの取り組み拡大に合わせ、新作アニメ『ヴォルトロン』の制作を発表し[4]、2016年6月10日に北米で一斉配信され、2017年7月6日にはヴォルトロン関連作品で初めて日本語字幕と日本語吹き替え版が制作・配信された。

制作背景[編集]

1984年にワールド・イベント・プロダクションズの社長テッド・カプラーと経理担当兼副社長フラス・カノーディアは『百獣王ゴライオン』のアメリカでの放映権を得る為に東映を訪れる[5]。カプラーはゴライオンに目をつけた理由を「ライオンが変形するロボットが動物好きなアメリカの子供に受けると感じた」と述べている[5]。 カプラーが歩合制での契約を要求したのに対し、当時の東映は歩合制での契約を認めない方針をとっていたため、渡邊亮徳はフラット契約を要求した[5]。最終的にはカノーディアがカプラーを説得してフラット契約を結ぶことにし、『機甲艦隊ダイラガーXV』と『光速電神アルベガス』の権利も購入された[5]。カノーディアはフラット契約ならば為替利益が出ると考えていたが、円高により損失が生じたため副社長の地位を解任される[5]

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

ボルトロン・フォース[編集]

キース(Keith)
声 - ニール・ロス
レッドライオンのパイロットでボルトロン・ライオンフォースのリーダー。『ゴライオン』の黄金旭を基にしている。コミックでのフルネームはキース・アキラ・コガネ。
元々は銀河同盟からアルス星に派遣された偵察隊のリーダー。ドゥーム星に捕まり奴隷にされたが脱出し、アルス星のライオンの城にたどり着いた。
スヴェン(Sven)
声 - マイケル・ベル
ブルーライオンのパイロットで、『ゴライオン』の銀貴と銀亮を基にしている。コミックでのフルネームはスヴェン・ホルガーソン。
ゴライオンの銀貴は第5話で戦死するが、本作では怪我をしてドゥーム星に捕まったことにされ、双子の弟である亮と同一人物に改変された。ロトーとの一騎打ちでは重症を負うが一命は取り留め、続編の『Voltron Force』ではロミール姫との間に息子が生まれている。
ランス(Lance)
声 - マイケル・ベル
レッドライオンのパイロットで、『ゴライオン』の黒鋼勇を基にしている。コミックでのフルネームはランス・チャールズ・マクレーン。
ハンク(Hunk)
声 - レニー・ウェインリブ→ケビン・マイケル・リチャードソン(第2シーズン)
イエローライオンのパイロットで、ゴライオンの青銅強を基にしている。コミックでのフルネームはツヨシ・ギャレット。
ピッジ(Pidge)
声 - ニール・ロス
グリーンライオンのパイロットで、『ゴライオン』の錫石宏を基にしている。コミックでのフルネームはダレル・ガンダーソン。
プリンセス・アルーラ(Princess Allura)
声 - BJ・ウォールド
ボルトロンを作ったアルス星の王女で、『ゴライオン』のファーラ姫を基にしている。スヴェンの負傷後はブルーライオンのパイロットになった。
キング・ザーコン(King Zarkon)
声 - ジャック・エンジェル→ケビン・マイケル・リチャードソン(第2シーズン)
ドゥーム星の残酷な王で、基になったのは『ゴライオン』のダイ・バザール大帝王。『Voltron:Third Dimension』では改心したふりをして銀河同盟を乗っ取ろうとする。
プリンス・ローター(Prince Lotor)
声 - レニー・ウェインリブ→ティム・カリー(第2シーズン)
ドゥーム星の王子で、基になったのは『ゴライオン』のシンクライン皇太子。ファーラ姫に横恋慕しており、キースを憎んでいる。『Voltron:Third Dimension』ではサイボーグ手術で生還し倒されるが、『Voltron Force』では復活してドゥーム星の王を名乗る。
ハガー(Haggar)
声 - BJ・ウォールド
ザルコンに仕える魔女。基になったのは『ゴライオン』の妖婆ホネルバ。
ユーラック(司令官サダック)
コサック
声 - ケビン・マイケル・リチャードソン

ビークル・ボルトロン[編集]

ジェフ(Jeff)
声 - ニール・ロス
ボルトロン・ビークルフォース及び飛行チームのリーダーで、ボルトロンの頭になるコマンドジェット・エクスプローラーのパイロット。基になったのは『ダイラガー』の安芸マナブ。
ビークル・ボルトロンのチームは地球からの移民先を探す目的で銀河同盟から派遣された。アカデミー時代ではキースのライバルだった。
チップ(Chip)
声 - ニール・ロス
飛行チームのメンバーで、ボルトロンの右上腕部になるレコンヘリコプターのパイロット。『ダイラガー』の陸奥ヤスオを基にしている。ピッジとは兄弟。
クリフ(Cliff)
声 - レニー・ウェインリブ
陸チームのリーダーで、ボルトロンの腰部分になるジェットレーダーステーションのパイロット。『ダイラガー』のワルター・ジャックを基にしている。ランスの友人。
コマンダー・ホーキンス(Commander Hawkins)
声 - ピーター・カレン
銀河同盟の戦艦S.S.エクスプローラーの艦長で、ボルトロン・ビークルフォースの司令官。基になったのは『ダイラガー』の伊勢シンジ。
コマンダー・ハザー(Commander Hazar)
ドルレ帝国の司令官。基になったのは『ダイラガー』のソクラット・テレス。

反響[編集]

以前にも日本のロボットアニメがアメリカの地方局で放送されてはいたが、ボルトロンは全国区で放送されたことが成功した理由とされている[2]。『ゴライオン』パートであるLion Voltronシリーズは人気が高いが、『ダイラガー』パートであるVehicle Voltronシリーズは人気を得られなかったとされ、その理由は15人と言うパイロットの数により視聴者である子供が感情移入しにくかったと言われている[2]

ワールド・イベントが得たボルトロンのライセンス収入は7億5000万ドル[2]。東映には1986年までに4億4000万円の版権収入が入ったとされる[5]

商品展開[編集]

日本と異なりアメリカでのボルトロン関連製品の数は非常に多く、また、多彩な製品が販売されている。

玩具関連[編集]

日本で「DX未来獣合体」として発売されていた製品(Lion Voltron)や「DX機甲合体」として発売されていた製品(Vehicle Voltron)は以前にも「ゴーダイキン(Godaikin)」として発売されていたものではあるが、それ以外にもBANDAI America(旧Popy)がOEM生産したMatchbox社製品以外にも類似の製品が販売されていた。

特にゴライオンをベースとしたLion Voltronは初期の人気商品だけあって合体可能でありながらブラックライオンの脚部の構造の違う[注 1]大型の製品がPanosh Place社から発売されていた。内部にフィギュアを搭載可能になっている関係上[6]、レッドライオンとグリーンライオンの胴体部が固定式の一体成型になっている為、合体後に肘が曲げられないのも最大の特徴である。同社からは敵のキング・ザーコンやプリンス・ローター、ハガー達が同サイズの独自デザインの戦闘メカなどと一緒に発売され、ボルトロンチームにもグレーダム城デザインの基地が発売されていて作品の場面の再現が出来る展開となっている。

Matchbox社ではブラックライオン、グリーンライオン&イエローライオン、レッドライオン&ブルーライオンの分売形式の合体ロボットと、リモコン操作のできるGIANT COMMANDERを販売。Lion Voltronは「未来獣合体」とほぼ同様の内容だがブラック・ブルー・イエローの内蔵武器はオミットされている。GIANT COMMANDERは合体は出来ないが、腕はある程度なら肘から曲げられる。Lion Voltronは後に「Voltron III」、Vehicle Voltronは「Voltron I」として再発売されている。

ToynamiではMatchbox社製品を洗練(ブラッシュアップ)したデザインの「Masterpiece Voltron」が、他にも小型化しブラックライオンの前脚部収納部のカバーやグリーン&レッドライオンの胴体部の可動を省略した廉価版の合体ロボットや巨大サイズのソフビフィギュアが販売されている。

過去にPanosh Place社の製品を販売していたMattel社では社内のコレクターズ部門Matty Collector.com[注 2]から全高23インチの巨大合体フィギュアが発売された。フィギュアには各搭乗者の可動フィギュアが付属する形で発売され、付属のVoltron keyを使ってそれぞれのフィギュアが搭乗できる。Svenのフィギュアのみは初回限定特典の形で提供された。

Vehicle Voltronは放送当時はMatchbox社のみの展開であったが近年再商品化が進んでいる。Toynamiからは非分離合体型のアクションモデルが、Miracle Productionsからは15機完全合体型の[注 3]、いずれも合金モデルが発売になっている。

続編である「Voltron II」に登場する光速電神アルベガスのモデルは「Gladiator Voltron」と呼ばれる。こちらもMatchbox社のみの展開であった。 Matchbox社製品は後にBANDAI Americaでも再発売された。 その続編である「VoltranⅢ」の製品はトレンドマスター[注 4]から販売された。こちらはMatchbox社製品の再発売Lion Voltron以外にも新規デザインのパイロットやオリジナルの敵フィギュア、敵合体ロボットのVoltrexやDracotron、更にはVoltron強化型のStealth Voltronも販売していた。

玩具以外[編集]

Lion Voltronは玩具以外の製品の発売も行われている。

Reebokでは各ライオンとのセットでオリジナルデザインのスニーカーを販売した。正面から見ると各ライオンの顔に見えるデザインとなっている。他にも通常のキャラシューズと同じようにメカのイラストがプリントされたのみの製品も販売されていた。

1998年にコカ・コーラはボルトロンとタイアップしたスプライトのTV CMを放送している[2]。手がけたのはバーレル・コミュニケーションのディレクター、レジナルド・ジョリーとトッド・トリプレットで制作費は1500万ドル[2]。ボルトロンのパイロット役としてファット・ジョーコモン、グッディ・モブ、マック・テン、アフリカ・バンバータ、ジャジー・ジェイといったラッパー達が出演している。ラッパー起用の理由は2パックノトーリアス・B.I.G.の殺害事件がきっかけとされ、ラッパー達を合体ロボに見立て、ヒップホップの団結を呼びかけたかったとしている[2]。連作の続き物になっており、最初にキング・ザーコンが登場するバージョンで始まり最後のバージョンでLion Voltronに合体するが、それまでの戦闘では各ライオンは噛ませ犬の様にあっさり撃墜されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後脚部がLion Voltronの脚部になるのは同じであるが、ブルー及びイエローライオンに収納される形ではなく、ブラックライオンの後脚部を折り畳む形で収納する構造になっている。
  2. ^ このような主に番組のメインターゲットの子供層向けではなく成人やマニア層向けの製品を販売している部署は国内ではバンダイの「TAMASHII NATIONS」やタカラトミーの「立石商店」といったブランド名が知られている。
  3. ^ 発売直後に金型のマイナーチェンジが行われわずか2ヶ月の後に再発売されている。
  4. ^ 2002年まで存在していた企業で同名のタカラトミーの関連会社とは別会社。

出典[編集]

  1. ^ ひかわ玲子 「海外アニメ情報 日本のアニメ、世界を制す『何だって、ジャパニメーション?』」 ジ・アニメ 1985年12月号、近代映画社、p111。
  2. ^ a b c d e f g パトリック・マシアス 「ギャング・スタラッパーがボルトロンで合体」『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』 町山智浩訳、太田出版、2006年、133 - 136頁。ISBN 978-4778310028
  3. ^ “Voltron -Anime News Network”. Anime News Network. (2002年3月14日). http://www.animenewsnetwork.com/feature/2002-03-14 2008年10月6日閲覧。 
  4. ^ 入倉功一 (2016年1月6日). “ギレルモ・デル・トロの新作アニメシリーズがNetflixで配信決定!”. シネマトゥデイ. 2016年1月17日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 大下英治 「第七章 ジャパニーズ・キャラクター、世界へ」『日本(ジャパニーズ)ヒーローは世界を制す』 角川書店1995年、196 - 200頁。ISBN 978-4048834162
  6. ^ この構造の為にブラックライオンとブルー及びイエローライオンとの接続形態が上記の様に変更されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]