ヘイ・アーノルド!

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ヘイ・アーノルド!(原題:HEY ARNOLD!)は、アメリカ合衆国のテレビアニメシリーズ。 この作品は、1996年10月7日から2004年6月8日にかけて、アメリカ合衆国のニコロデオンで放送された。 原作はクレイグ・バートレット(Craig Bartlett)、エグゼクティブプロデューサーMary Harringtonのもと、100エピソードが制作された。 2002年には劇場版作品として『ヘイ・アーノルド! ムービー』(原題:HEY ARNOLD! THE MOVIE)が制作されている。

概要[編集]

このアニメは、アメリカ合衆国の架空の都市ヒルウッドに住む小学校4年生のアーノルドが毎回、自分の周りの人物の問題を解決したり自分の中の先入観に立ち向かっていくという内容になっている。

舞台設定[編集]

クレイグ・バートレットは、インタビューの中でヒルウッドはニューヨークをモデルにしていると話したが、シアトルに育ち、オレゴン州ポートランドの美術学校に通ったバートレットはこれらの地域も参考にしている[1]ブタ戦争は、現在のワシントン州カナダブリティッシュコロンビア州の境界線を舞台にした同名のサブタイトルの中で言及される。

一部の回には、ブルックリン橋が町のシンボルとして出てくる。また、アーノルドの近くにはニューヨーク市のスカイラインが水平線から見え、エンパイア・ステート・ビル世界貿易センターセントラル・パークなどがあることから、ヒルウッドという街はブルックリン区クイーンズ区の近くにあると考えられる。

Wikipedia英語版のニューヨーク市内の初等教育学校の一覧によると、PS118はクイーンズ区にあるセント・アルバースという共同体の学校であることがわかる。

また、"Eugene's Bike" という回においてアーノルドとユージーンは、ニューヨークの北にあるコネチカット州ウェストヘイブンにあるQuigley Stadiumにきている。このスタジアムはマイナーリーグのウェストヘイブン・ヤンキースが1972年から1979まで本拠地にしていた場所である。ただし、このスタジアムは実際のスタジアムとは似ていない。

テレビシリーズ放送まで[編集]

アニメーターであるクレイグ・バートレットは、アナコーツ高校を卒業後、ワシントン州オリンピアにあるエバーグリーン州立大学英語版でコミュニケーション学の単位を取って卒業した[2]。高校・大学時代、彼はオレゴン州ポートランドにあるポートランド美術館付属美術学校に通っており、大学卒業後はクレイアニメーションスタジオウィル・ヴィントン・プロダクション英語版に就職した[2] 。元々バートレットは、19世紀風のスタイルを持つ画家を目指していたが、イタリア旅行を通じてアニメーションに興味を抱いた[3]。 1987年、『ピーウィーのプレイハウス』に参加していたころ、彼はペニーという少女を主人公としたショートアニメを製作し、このときアーノルドというキャラクターは、ペニーの友人として登場していた。 6年後、バートレットはニコロデオンのテレビアニメ『ラグラッツ』の企画をすすめるために、5人の脚本家とともに制作チームに参加した[2]。制作会議はいつも話がまとまらず、脚本家たちはいらだった。バートレットは後に「アイデアは良かったのですが、多人数でしかも寄せ集めの集団での話し合いは、このような企画会議には向いていませんでした。ニコロデオンの重役たちは、我々がドアから入ってこないかと頭を抱えていました。」と振り返っている[2]。切羽詰まったバートレットは先述のペニーのビデオテープを製作陣に見せ、彼女に注目してもらおうとした。ところが、脇役であるにもかかわらず、重役たちはアーノルドの方に注目した[2]

ミーティングを経て、制作陣はアーノルドの人格を作り上げ、手法もクレイアニメーションからセルアニメーションに変更した<。 後にバートレットは「我々はアーノルドの人物像について話し合い、"問題解決に自信を持ち、正しい選択をし、正しい行いをすることに自信を持つ、お人よしのヒーロー"というキャラクター像が浮かび上がりました[2]」と振り返っている。 アーノルドのについてのアイデアが出来上がったあと、バートレットは自身の子ども時代を元にした脇役を作っていった。多くのキャラクターは彼が子供のころに出会った人々を複数組み合わせたものとなっており、女の子のキャラクターについては、バートレットに好意を寄せた子やそうでなかった子 が元になっている。[3]。 彼は『ヘイ・アーノルド!』の最初のエピソードを自宅の居間で作り上げ、ニコロデオンでプロデューサーたちに見せた。1年後、ニコロデオンはテレビシリーズの制作を開始するように伝えた[3]

なお、1988年から1991年の間、アーノルドを題材としたクレイアニメ3部作 Arnold Escapes from Church (1988), The Arnold Waltz (1990), Arnold Rides a Chair (1991)が公開され、このうちArnold Rides a Chairは1991年にセサミストリート内のショートアニメとして放送された。また、1996年には8分間の短編アニメーションArnold がニコロデオン初の長編映画ハリエットのスパイ大作戦英語版』の本編上映前に放映された[2]

テレビシリーズ制作、劇場版へ[編集]

先に公開されたクレイアニメ版と同じ野球帽は、テレビシリーズのアーノルドもかぶっている。しかし、テレビシリーズのアーノルドはセーターを着ており、その下に格子じまのシャツをたくし込まずに着用しているため、キルトを穿いているような服装になった。

バートレットの義兄弟であるマット・グレイニングザ・シンプソンズの作者として知られており、アーノルドを題材としたコミック・ストリップが雑誌en:Simpsons Illustratedに掲載された。

テレビシリーズの企画は1993年秋に通り、その翌春にはパイロット版が製作され、さらにその翌年である1995年1月にはテレビシリーズの製作が決定した。

番組制作は1995年から2001年まで休みなく続き、2002年6月にアメリカ合衆国で劇場公開された『ヘイ・アーノルド! ムービー』で最高潮に達した。なお、この映画はもともと"Arnold Saves the Neighborhood"というテレビ映画として企画されたものである[4]

劇場公開の1年前にあたる2001年5月にテレビシリーズの制作は終了し[5]、2004年6月8日には、『ラグラッツ』と『ワイルド・ソーンベリーズ英語版』とともに『ヘイ・アーノルド!』も予告なしで最終回を迎えた。

『ヘイ・アーノルド!』は、2002年9月14日から2005年9月17日までCBSの時間枠 "Nick on CBS"で再放送された。また、2011年にはカナダのニコロデオンで『ヘイ・アーノルド!』の放送が開始され、同年9月には、ティーンニック英語版が "The 90's Are All That" という放送枠で再放送を開始した。

登場人物[編集]

アーノルドとその家族[編集]

アーノルド(Arnold)
声:Toran Caudell→Phillip Van Dyke→スペンサー・クレイン→アレックス・D・リンツ/吹き替え:吉竹範子
フットボール型をした顔を持つ小学4年生。彼は青いセーターの下に、格子柄のシャツをたくし込まずに着ているためスカートをはいているような服装に見える。
ヒルウッドでまかないつきの下宿屋を営むフィルとガートルードの夫婦の孫。
両親はアーノルドが小さい時に行方不明になっているため、彼は祖父母と、ペットの豚のアブナーと同居している。
フィル(Grandpa Phil)
声:ダン・カステラネタ/吹き替え:
アーノルドの祖父。妻のガートルードと共にヒルウッドでまかないつきの下宿屋を営む。
ガートルード(Gertrude)
声:トレス・マクニール/吹き替え:好村俊子
アーノルドの祖母。夫のフィルと共にヒルウッドでまかないつきの下宿屋を営む。

アーノルドの友人とその家族[編集]

ジェラルド(Gerald Johanssen)
声:Jamil Walker Smith/吹き替え:進藤一宏
アーノルドの親友である黒人の少年で、丸底フラスコに似た風貌が特徴。
地元の都市伝説に精通しており、物語の導入や舞台背景の説明を担当することも多い。
ヘルガ・G・パタキ(Helga G.Pataki)
声:フランセスカ・スミス/吹き替え:
アーノルド達と同じ学校に通う同年代の少女で、じゃじゃ馬的な性格を持つ。
アーノルドを密かに熱愛しているのだが、当人を目の前にすると素直になれずに憎まれ口を叩いてしまう。
父親(ビックボブ・パタキ)の事が、嫌い。
ビックボブ・パタキ
声:モーリス・ラマーシュ/吹き替え:
ヘルガの父親である、ポケベル会社社長。
ミリアム・パタキ(Miriam Pataki)
声:キャス・スーシー/吹き替え:久保田恵[6]
ヘルガの母。"スムージー"をよく飲む。
オルガ・パタキ(Olga Pataki)
声:ニカ・フッターマン/吹き替え:荒井静香
ヘルガの姉。頭の良い単科大学生。
ユージーン(Eugene Horowitz)
声:クリストファー・キャスティール、ジャレッド・レノン(1997年)、ベンジャミン・ディスキン(1997年から2000年)/吹き替え:後藤邑子
アーノルドの友達のひとりで、開いた缶詰のような形の赤毛の髪が特徴。
なぜか不運を呼び寄せてしまう性質の持ち主である。
スティンキー
声:クリストファー・ウォルバーグ/吹き替え:杉山紀彰
アーノルドの友人である少年で、比較的背が高い。
アーカンソー州出身で、南部訛りがあり、レモンパイが好物。
シド
声:サム・ギファルディ/吹き替え:久保田恵[6]
アーノルドの友人。前後逆にかぶった緑色のキャップと、大きな鼻が特徴。
カーリー
声:アダム・ワイリー/吹き替え:久保田恵
アーノルドのクラスメート。
赤い縁の眼鏡と刈り上げ頭が特徴の少年。
"Curly Snaps"ではある出来事から校長室に籠城し、"Cool Party"では動物園から動物を解放するなどといった大胆な行動に出ることが多い。
Jamie O
声:フィル・ラマール
ジェラルドの兄。
ティンバリー( Timberly)
ジェラルドの妹。
ビッグ・パティ
声:ダニエル・ジュドヴィッツ
6年生の少女で、ハロルドと仲良くなった。
フィービー
声:アンディ・マカフィー/吹き替え:久保田恵[6]
アーノルドのクラスの優等生で、ケンタッキー州出身。父親(声:ジョージ・タケイ)は日系アメリカ人。
ロンダ
声:オリヴィア・ハック
アーノルドのクラスにいる、ヤッピー気質の女の子。
ハロルド
声:ジャスティン・シェンカロー
ユダヤ系アメリカ人の少年。いじめっ子だが、実は臆病。また、アーノルドの同級生だが、留年しているため実年齢は13歳である[7]
Torvald
声:Michael Bacall
アーノルドと同学年だが、 "Tutoring Torvald"で、ハロルドと同じ年である13歳だということが判明している。
ウォルフガング
声:トラン・コーデル
アーノルドらより1学年上の5年生で、下級生をよく虐めている。
エドモンド
声:ティミー・ワイリー/久保田恵[6]
ウォルフガングの親友で、よく一緒にいることが多い。余計な質問をしてはウォルフガングにたしなめられている。

アーノルドの学校の教職員[編集]

Miss Slovak

声:トレス・マクニール
第1シーズンでアーノルドのクラスの担任を務めた女性。
シモンズ先生
声:ダン・バトラー/斉藤瑞樹[8]
第2シーズンからアーノルドのクラスの担任を務めることになった教師。
Miss Felter
声:ジュリア・ルイス=ドレイファス
"Crush On Teacher"でアーノルドのクラスへ代理教師として赴任した女性。
Coach Jack Wittenberg
声:ジェームズ・ベルーシ
アーノルドの学校の体育教師。

その他[編集]

ルル
声:後藤邑子
ライラ
声:後藤邑子
アニー
声:岡田貴之

サブタイトル[編集]

"Eugene's Bike"

ヘイ・アーノルド! ムービー[編集]

日本では劇場公開がなされていない。パラマウント映画配給。

スタッフ[編集]

  • 監督:タック・タッカー
  • 脚本:クレイグ・バートレット、アルビー・ヘチット

吹き替え版キャスト[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Interview with Craig Bartlett by Kim Burk, 1998-11-04
  2. ^ a b c d e f g Levesque, John (1996年10月7日). “'Hey, Arnold!' Toons in to Nick's Family Hour Seattle Native's Animated 9-Year-Old Debuts Tonight on Nickelodeon”. Seattle Post-Intelligencer. Hearst Corporation. 2012年11月25日閲覧。
  3. ^ a b c Unmacht, Eric (1999年11月9日). “Here's How They Make a Cartoon”. The Christian Science Monitor. Christian Science Publishing Society. 2012年11月25日閲覧。
  4. ^ Beck, Jerry (2005). “Hey Arnold! The Movie”. The Animated Movie Guide. Chicago Reader Press. p. 111. ISBN 1-55652-591-5. 
  5. ^ Tladi, Tumelo (2011年1月3日). “Nickelodeon's Five Best Animated Shows”. DStv. MultiChoice. 2012年11月25日閲覧。
  6. ^ a b c d Works::青空びより”. 久保田恵. 2013年3月29日閲覧。
  7. ^ ヘイ・アーノルド!|ニコロデオン Nickelodeon”. ニコロデオン. 2013年3月29日閲覧。
  8. ^ 斉藤 瑞樹-演劇集団チャッターギャング”. 2013年9月29日閲覧。

外部リンク[編集]