プロピオール酸

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プロピオール酸
Propiolic acid
識別情報
CAS登録番号 471-25-0 チェック
特性
化学式 C3H2O2
モル質量 70.05 g mol−1
外観 無色ないし黄色の液体
密度 1.1325
融点

°C, 282 K, 48 °F [1]

沸点

58 °C, 331 K, 136 °F [1](1.6kPa)

への溶解度 混和
有機溶媒への溶解度 エーテルクロロホルムおよびエタノールに可溶[1]
危険性
引火点 58 °C (136 °F; 331 K) [1]
半数致死量 LD50 100mg/kg(ラット、経口)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プロピオール酸(Propiolic acid)または、アセチレンモノカルボン酸(acetylene mono-carboxylic acid)は、アセチレンジカルボン酸の煮沸で生成する不飽和有機化合物で、ジブロモコハク酸アルコール炭酸カリウムの反応でカリウム塩として得られる。光沢のある固体で、融点は6℃、沸点(分解点)は144℃である。に溶け、酢酸によく似た芳香を持つ。

製造[編集]

産業的には、鉛電極でプロパルギルアルコールを酸化することによって製造される[2]アセチレンジカルボン酸脱炭酸によっても調製することができる。

反応[編集]

太陽光にさらすとトリメシン酸(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸)に変わる。臭素を反応させるとジブロモアクリル酸が得られ、塩酸と反応させるとα-クロロアクリル酸(2-クロロ-2-プロペン酸)が得られる。

水溶液中でアンモニア硝酸銀を付加させた銀塩は特殊な爆薬で、また、アンモニア性塩化銀と一緒に温めることによって得られる不定形の沈殿も爆発する。

エチルエステルヒドラジンを縮合させるとピラゾロンになる。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e プロピオール酸”. 東京化成工業 (2018年10月4日). 2019年2月25日閲覧。
  2. ^ Wilhelm Riemenschneider (2002). "Carboxylic Acids, Aliphatic". Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a05_235

参考文献[編集]

関連項目[編集]