ピック

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ピック(pick、アメリカ英語)またはプレクトラム(plectrum、イギリス英語)は、ギターなどの撥弦楽器演奏するための道具三味線などに用いられる(ばち)とは区別される。また琴などに用いられ指先に取り付ける爪およびフィンガーピックと区別するためにフラットピックと呼ばれる場合もある。

または、物を引っ掛けて掘り出したりするための道具つるはし(鶴嘴)、ピッケルピッキング行為に使われる鍵山の代わりをする道具など。金属製の楊枝のことを指すこともある。

ギターピック[編集]

様々なギターピック
左下の黒いものはルーローの三角形のような形状

多くは3cm程度の大きさで、薄い三角形をしており、主に親指人差指で挟んで、の代わりにに当てて、弾(はじ)いて音を鳴らす。これらピックを用いた奏法を日本では「ピック奏法」、「ピック弾き」などと言うが、「ピッキング」という際にはフィンガー・ピッキングも含みこれに限らない。またよく「ピッグ」と呼ぶ人がいるがこれは誤りである。

素材はセルロイドなどのプラスティック合成樹脂が主流だが、それ以外にもゴムフェルト金属鼈甲などが用いられる。また、セルロイド以外のプラスティック系素材にも、ナイロンデルリンポリアセタール[1]ポリカーボネートポリ塩化ビニルアクリルカーボンなどがあり、演奏時の音質や弾き心地にそれぞれの特徴がある。

形状は正三角形型、ラウンドなおにぎり型、二等辺三角形のティアドロップ型、ホームベース型などとあり、硬さ(厚さ)はTHIN(薄い、0.5mm程度)、MEDIUM(中間、0.8mm程度)、HARDもしくはHEAVY(硬い、1.0mm程度)、EXTRA HEAVY(最も硬い、1.5mm等以上)等あり、種類は豊富である。また滑り止めのために別の素材を張り付けてあったり、中心部に複数の穴を開けてあるものもある。

エレクトリックギターアコースティックギターベースギターマンドリンなどの弦楽器で使用され、ベースでは硬めのピック、マンドリンでは細長い形状が好まれるという傾向はあるが、素材、形状、硬さはプレイスタイルやプレイヤー(演奏者)の完全な好みによって選ばれる。また、あまり同じピックを使用し続けると、磨耗してどんどん円形に近づいていくのだが、そうなるほどに愛着を持って使い続ける人もいる。

コンサートにおいて、予備のピックがマイクスタンドに貼りつけられ、ファンサービスとして、観客に向かってばら撒くというような光景がよく見られる。また、ミュージシャンバンドキャラクター商品としても、よく利用される。楽器ショーなどのイベント時には、宣伝やファンサービスのため、企業のロゴ入りのピックを無料でプレゼントしたりする事もある。ばら撒きすぎで自分のピックがなくなり、観客に返してもらうという珍事を起こしたアーティスト[誰?]もいる。

フィンガーピック[編集]

フィンガーピックを用いるバンジョー奏者

指先に取り付けるピック。通常は親指、人指し指、中指につけ、親指に付けるものを特にサムピックと呼ぶ。材質は金属プラスチックなど。バンジョーなどに使われるほか、スティール・ギターなど他のギター類でも使用されている。現在はクラシック・ギター奏者が爪の代用として使用する場合もある。

フィンガーピックでギターを弾きこなすと、フラットピックのみでは不可能であったベース・ラインとメロディ・ラインを同時に弾き分けることが出来るようになる。これを従来のフラットピックを用いて行う場合、ベースをピックで、メロディをピックを付けない指先でピッキングすることになる。これはチキン・ピッキングと呼ばれる。

脚注[編集]

  1. ^ 前者はデュポン社の登録商標名だが、同じ素材を指す。