ヒカゲツツジ

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ヒカゲツツジ
ヒカゲツツジ、百々ヶ峰(岐阜県岐阜市、2014年4月5日)
ヒカゲツツジ(百々ヶ峰、2014年4月)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: ツツジ属 Rhododendron
: ヒカゲツツジ R. keiskei Miq.
学名
Rhododendron keiskei Miq.
シノニム
  • Azalea jodogawa Hassk.
  • Azalea keiskei (Miq.) Kuntze[1]
和名
ヒカゲツツジ

ヒカゲツツジ(日陰躑躅、学名Rhododendron keiskei Miq.)は、ツツジ科ツツジ属分類される常緑低木の1[2]。別名が、「サワテラシ」[2][3]。樹高は約1-2m。山地河岸の岩場などに生える。日本では4月-5月にクリーム色ないしは淡黄緑色のを付ける[4][5]

特徴[編集]

和名のヒカゲツツジは日陰に多く生えることに由来するが、日陰だけに生えている訳ではない。別名のサワテラシは河岸の岩場に生えることに由来する。シャクナゲに近い形態をしており、ツツジの名が付くが実際は有鱗片シャクナゲに分類されるべきものである[6]蒴果は長さ8-13 の円柱形。は灰褐色-灰白色。濃い緑色の長楕円形または披針形の長さが4-8 の薄い革質の葉を枝先に互生させ、枝先に集まって付く。裏側は淡褐色で腺状鱗毛が密生する。先が細り、先端に腺状突起を有する。若枝や葉柄にも鱗状毛があり、長毛も混じる。日本では4-5月頃に枝先にクリーム色ないしは淡黄緑色の花を2-4個集まって咲かせる。花冠は径3-4 ㎝で5中裂し、雄しべは10本、外面に腺状鱗毛を散生させる。花糸の下部には白い軟毛を散生させ、花柄は長さ1-1.5 ㎜[4][5]。庭木や鉢植えとして利用されている[2]

分布[編集]

日本固有種。関東地方以西の本州から四国九州にかけて分布。山地、岩場など[4][5]。 

分類[編集]

以下の変種がある。

  • ウラジロヒカゲツツジ(学名:Rhododendron keiskei Miq. var. hypoglaucum Sutô et T.Suzuki)、葉の裏面に腺状鱗片が密にあり灰色で、花は薄黄白色で腺状鱗片がほとんどない[2]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 林弥栄『日本の樹木』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。ISBN 978-4635090438 
  • 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZENCID BN00811290全国書誌番号:85032603https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467-00 

外部リンク[編集]