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パロマ・ピカソ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パロマ・ピカソ
Paloma Picasso
生誕 Anne Paloma Ruiz-Picasso y Gilot
(1949-04-19) 1949年4月19日(75歳)
フランスの旗 フランス ヴァロリス
職業 服飾デザイナー
宝飾デザイナー
配偶者
Rafael López-Cambil
(結婚 1978年; 離婚 1998年)

Eric Thévenet
(結婚 1999年)
[1]
パブロ・ピカソ
フランソワーズ・ジロー英語版
親戚 クロード・ピカソ英語版 (兄)
マヤ・ウィドメーアー=ピカソ英語版 (異母妹))
ジョナス・ソーク (継父)
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パロマ・ピカソ(Paloma Picasso、1949年4月19日 - )は、フランススペイン服飾デザイナー宝飾デザイナー金細工師ティファニーのジュエリーデザインやシグネチャー香水などで知られている。

生い立ち

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芸術家パブロ・ピカソと画家フランソワーズ・ジロー英語版の娘として、フランスのヴァロリスで生まれた。出生時の名前はアンナ・パロマ・ルイス=ピカソ・イ・ジロー(Anne Paloma Ruiz-Picasso y Gilot)である。パロマはスペイン語での意味であり、父が生涯に渡ってモチーフとしていたものである。『パロマとオレンジ』、『青の中のパロマ』など、父の作品の多くに登場している[2]

同母兄にクロード・ピカソ英語版(1947年生)、異母兄にパウロ・ピカソ(1921-1975年)、異母姉にマヤ・ウィドメーアー=ピカソ英語版(1935年生)がいる。また、母と再婚相手のリュック・シモンフランス語版との間に異父妹のオーレリア(1956年生)がいる。

キャリア

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パロマ・ピカソがデザインしたアクセサリー

パロマ・ピカソの宝飾デザイナーとしてのキャリアは、彼女がパリで服飾デザイナーをしていた1968年に始まった[3]。蚤の市で購入した石を使って作ったラインストーンのネックレスが、批評家の注目を集めた。それをきっかけにして、ピカソは宝飾デザインの学校に通うようになった。その1年後、ピカソは友人であるイヴ・サン=ローランに最初の作品を見せたところ、サン=ローランはすぐに彼のコレクションに添えるアクセサリーのデザインをピカソに依頼した。1971年には、ギリシャのジュエリーメーカー、ゾロタス社で働いていた[4]

1980年、ピカソはニューヨークのティファニーとの仕事を始めた。また、香水についての研究を行い、1984年にはロレアルから「パロマ」という香水を発売した[5]。『ニューヨーク・ポスト』紙で、ピカソはこの香水を「自分のような強い女性のためのもの」と表現した。同年、「パロマ」ブランドのボディローション、パウダー、シャワージェル、石鹸なども発売された。

2010年には、ティファニーからデザイナー就任30周年記念コレクションが発売された[6]

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ピカソは赤を好む[7][8]。ピカソの赤い口紅は「彼女の名刺」と呼ばれていた[9]。フランソワ・ナーズはパロマについて、「赤は彼女のトレードマークだ」[10]「彼女のシグネチャーであり、このデザイナーの赤の時代を定義していると言えるかもしれない」[11]と言っている。

ピカソが赤に魅了されたのは幼少期からで、6歳のときに真っ赤な口紅をつけ始めた[12]。彼女はその赤い口紅によって認識されるようになった。「彼女の角張った横顔は、父親のキュービズムの傾向を思い出させる」と言われた[9]。目立たないようにしたいときは、赤い口紅をつけないようにしていた[12]

映画

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1973年に父が亡くなり、ピカソは一時的にデザインに興味を失った。同年、ポーランドの映画監督ワレリアン・ボロズウィックの映画『インモラル物語』に出演し、バートリ・エルジェーベトを演じた。

私生活

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1978年、ピカソは劇作家・演出家のラファエル・ロペス=カンビルと結婚したが、後に離婚した。1999年、オステオパシー医師であるエリック・テヴェネと結婚した[13]。芸術やデザインに関心のあるテヴェネは、ピカソに貴重な示唆を与えた。2人はスイスのローザンヌとモロッコのマラケシュに住んでいる[14][15][16]

脚注

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  1. ^ Williams, Paige, Paloma Picasso - The Jeweler with the famous name designs a big brand and a wonderful life, Pink Magazine, pp. 48-53, March–April 2009. Retrieved 30 May 2012
  2. ^ "Paloma Picasso," from the Biography Resource Center, the Gale Group, 2001.
  3. ^ "Paloma Picasso" Retrieved 21 July 2015
  4. ^ Η Ιστορια Του Οικου”. Zolotas.gr. 2018年9月21日閲覧。
  5. ^ Fashion Encyclopedia. 13 November 2008.
  6. ^ パロマ・ピカソ、ティファニーのデザイナー就任30周年!
  7. ^ Meg Cohen Ragas, Karen Kozlowski (1 September 1998). Read my lips:a cultural history of lipstick. Chronicle Books. p. 223. ISBN 978-0-8118-2011-0. https://books.google.com/books?id=pNvfAAAAMAAJ 
  8. ^ Aran Hansuebsai (1990). Proceedings AIC 2003 Bangkok. Hal Publications. p. 345. ISBN 9789741325160. https://books.google.com/books?id=lMkjwiw1ibEC&pg=PA345 
  9. ^ a b Laura Mercier (24 October 2006). The New Beauty Secrets: Your Ultimate Guide to a Flawless Face. Atria. p. 223. ISBN 9781451612615. https://books.google.com/books?id=1dcm5L5eUeQC&pg=PA223 
  10. ^ Pallingston, Jessica (15 December 1998). Lipstick. St. Martin's Press. p. 139. ISBN 978-0-312-19914-2. https://books.google.com/books?id=Pcq_CUEjxiQC&pg=RA1-PA139 
  11. ^ Working woman. Hal Publications. (1990). p. 144. https://books.google.com/books?id=uWiyAAAAIAAJ 
  12. ^ a b Egan, Maura (22 October 2006). “Picasso's Red Period”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2006/10/22/style/22ttimeless.html 11 February 2011閲覧。 
  13. ^ Thomas, Dana, A Fashionable Life: Paloma Picasso Archived 28 July 2012 at the Wayback Machine. Harper's Bazaar, 9 February 2010
  14. ^ Ibid.
  15. ^ https://www.nytimes.com/1999/04/19/arts/family-feud-over-picasso-wheels-new-car-s-logo-divides-heirs-lucrative-name.html New York Times
  16. ^ https://www.nytimes.com/1996/04/28/magazine/picasso-s-family-album.html?pagewanted=all THERE IS NO SINGLE, true version of Pablo Picasso.

外部リンク

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