バジル・ラージャパクサ

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バジル・ラージャパクサ
බැසිල් රාජපක්ෂ
பசில் ராஜபக்
Basil Rajapaksa
生年月日 (1951-04-27) 1951年4月27日(73歳)
出生地 セイロンの旗 セイロン
出身校 アナンダ・カレッジ
所属政党統一国民党→)
スリランカ自由党→)
スリランカ人民戦線
配偶者 プシュパ・ラージャパクサ
子女 テジャニ、ビマルカ、アシャンタ
親族 父:D・A・ラージャパクサ
兄:チャマル・ラージャパクサ英語版
兄:マヒンダ・ラージャパクサ
兄:ゴーターバヤ・ラージャパクサ

スリランカの旗 スリランカ経済発展大臣
内閣 M・ラージャパクサ内閣
在任期間 2010年4月22日 - 2015年1月9日

スリランカの旗 スリランカ財務大臣
内閣 G・ラージャパクサ内閣
在任期間 2021年7月8日 - 2022年4月3日
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バジル・ラージャパクサ(Basil Rajapaksa, シンハラ語: බැසිල් රාජපක්ෂ, タミル語: பசில் ராஜபக், 1951年4月27日 - )は、スリランカ系アメリカ人の元政治家。2022年4月までスリランカの財務大臣を務めていたが、反政府運動を通じて失脚し、国外逃亡した。

2007年から2015年にも比例区選出の国会議員を務めている。また、2005年から2010年にかけては大統領マヒンダ・ラージャパクサの上級補佐官を務めており、ラージャパクサが2期目の大統領を務めた2010年から2015年には経済発展大臣を務めた[1]。2010年に行われた総選挙英語版ではガンパハ選挙区から立候補し、国内最多の得票数を集めて当選した。その後、再び全国比例区から当選し財務大臣を務めるも、2022年の経済危機英語版への対処に失敗し、反政府運動を通じて失脚した[2]

家系[編集]

彼が生まれたラージャパクサ家英語版は、スリランカ南部の有力な政治家一族である。父D・A・ラージャパクサスリランカ自由党創設者の一人であり、ウィジャヤナンダ・ダハナーヤカ政権にて農業・土地大臣を務めた。兄のマヒンダゴーターバヤはいずれも大統領経験者であり、ゴーターバヤはマヒンダ政権で防衛補佐官も務めた。加えて、長兄のチャマル英語版は国会議長も務めていた。

兄ゴーダーバヤも通った仏教系私立学校のアナンダ・カレッジ出身である。

経歴[編集]

1977年、ムルキリガラ選挙区にてスリランカ自由党(SLFP)候補として初出馬するも落選[3]。同年の選挙ではSLFP最年少であり、またこの選挙ではわずか8名しかSLFP候補が当選しないという党としても惨敗した。その後、初代大統領ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナの下で働き、彼が率いていた統一国民党(UNP)に参加した[4]。この行動の背景には、SLFP内部の政治闘争も影響していた。彼はジャヤワルダナと行動を共にしていたが、対立候補で兄弟のマヒンダ・ラージャパクサのことは公に支援していた。また、UNP在籍中にはガミニ・ディッサナーヤカ英語版と非常に親密な関係を維持していた。その後、1994年総選挙で対立政党であるSLFPが勝利すると、より積極的にマヒンダを支援するようになった。その後1997年に妻が米国の永住権を取得したため、家族で米国へ移住した。しかし、その後も頻繁にスリランカを訪れ、選挙中は支援活動を行った。

2005年の大統領選挙においても兄のマヒンダを支援し、大統領当選後は補佐官として働いた。2007年総選挙にて全国比例区から立候補し、当選。2010年選挙ではガンパハ選挙区から当選した。同年の選挙では40万票以上を集め、選挙区で首位当選した。

2020年の総選挙では再び全国比例区から立候補し[5]、当選後は財務大臣に就任した[6]。しかし、2022年にスリランカが経済危機に見舞われた際、彼は数カ月にわたり議会を欠席した。これに対し、野党は彼の欠席により経済危機の対応が議論できないと批判した[7][8]。また、野党だけでなく、閣内からも批判が起きた。エネルギー大臣のウダヤ・ガマンピラはバジルが経済政策の素人であり、経済危機を受け入れることを拒否していると非難した[9]

最終的に4カ月の欠席の後4月5日に議会へ姿を現し、その後財務大臣を辞任した[10]

しかしそれだけでは収まらず、反政府運動は全土に拡大し、ラージャパクサ一家は国外退避を試みた。7月11日、バジルはバンダラナイケ国際空港のVIPターミナルから国外へ逃亡しようとしたが、空港職員の制止により失敗した[11]

しかしその後無事米国へ逃亡することができた。同年11月22日にはスリランカへ帰国したが、既に国会議員としての地位も閣僚としての地位も失っていた。しかし、バンダラナイケ空港のVIPラウンジの利用を許可され、警察官の保護のもと帰国した。さらに1人あたり200ドル以上かかる同空港のゴールドルート・サービスも利用し、100名以上のSLPP議員が食事をしながら彼の帰国を待っていた[12][13]

私生活[編集]

彼はプシュパ・ラージャパクサと結婚し、二人の間にはテジャニ、ビマルカ、アシャンタという3人の子供がいる[14]

不正疑惑[編集]

ラージャパクサ家は数多くの不正疑惑が取り沙汰されており[15]、バジルもまた複数の不正疑惑で取調べを受けている[16]。また彼は政府からコミッションを得ていたということで、「ミスター・テンパーセント」という名で評されていた[17]。2016年にはマルワナにあるバジル所有の広さ6.5ヘクタールの豪邸が裁判所によって競売命令が出された[18]。しかし、この件については未だ係争中であり、豪邸はまだ競売にかけられていない[19]

現政権にかけられた疑惑の一つとして、ディヴィ・ネグマ開発公社に属する資金の不正流用がある。これに対して警察の経済犯罪捜査局(FCID)が捜査に乗り出したが、ラージャパクサ家の起訴には至らなかった。しかし、現在もFCIDが捜査・立件中の裁判が複数ある[20]

脚注[編集]

  1. ^ New Cabinet sworn in”. 2010年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月23日閲覧。
  2. ^ Sri Lankan economic crisis: Ex-finance minister Basil Rajapaksa quits amid protest”. The New Indian Express. 2022年6月9日閲覧。
  3. ^ 1977 Parliamentary Elections Results [リンク切れ].
  4. ^ Can Basil rescue Mahinda’s sinking ship?
  5. ^ “Basil Rajapaksa's name gazetted as National List MP” (英語). www.adaderana.lk. http://www.adaderana.lk/news/75212/basil-rajapaksas-name-gazetted-as-national-list-mp 2022年4月5日閲覧。 
  6. ^ Basil Rajapaksa sworn-in as Finance Minister”. Presidential Secretariat of Sri Lanka (2021年7月8日). 2023年9月21日閲覧。
  7. ^ Nadeera, Dilshan (2022年3月21日). “Basil doesn't come to Parliament – Mano Ganeshan”. island.lk. https://island.lk/basil-doesnt-come-to-parliament-mano-ganeshan/ 2022年4月5日閲覧。 
  8. ^ Weerasooriya, Sahan (2022年3月12日). “Basil's silence for three months amidst dire economic situation causes uproar in Parliament for second day”. island.lk. https://island.lk/basils-silence-for-three-months-amidst-dire-economic-situation-causes-uproar-in-parliament-for-second-day/ 2022年4月5日閲覧。 
  9. ^ Mashal, Mujib; Gunasekara, Skandha (2022年5月14日). “A Ruling Family on the Run as Sri Lanka Plunges Into Economic Ruin” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/05/14/world/asia/sri-lanka-rajapaksa.html 2022年5月14日閲覧。 
  10. ^ “Basil Rajapaksa finally attends Parliament after 4 months”. www.dailymirror.lk. (2022年4月5日). https://www.dailymirror.lk/latest_news/Basil-Rajapaksa-finally-attends-Parliament-after-4-months/342-234552 2022年4月5日閲覧。 
  11. ^ Kumar Bose, Saikat (2022年7月12日). “Lanka Ex Minister Basil Rajapaksa's Dubai Escape Dashed By Flyers: Sources”. NDTV.com. NDTV. https://www.ndtv.com/world-news/sri-lankas-ex-minister-basil-rajapaksa-tried-to-flee-passengers-objected-sources-3149307 2022年7月15日閲覧。 
  12. ^ Weerasooriya, Sahan (2022年11月22日). “Special treatment accorded to Basil at BIA comes in for condemnation”. island.lk. https://island.lk/special-treatment-accorded-to-basil-at-bia-comes-in-for-condemnation/ 2022年11月23日閲覧。 
  13. ^ “No payment made by Basil to use VIP arrival lounge at BIA”. www.dailymirror.lk. (2022年11月22日). https://www.dailymirror.lk/print/front_page/No-payment-made-by-Basil-to-use-VIP-arrival-lounge-at-BIA/238-249070 2022年11月23日閲覧。 
  14. ^ Pushpa Rajapaksa's China funded Sri Lanka NGO now a boutique hotel.”. srilankabrief.org (2018年7月). 2021年1月18日閲覧。[リンク切れ]
  15. ^ බැසිල්ගේ මල්වානේ ඉඩමේ නඩුව මැයි 7 දක්වා කල් යයි”. Hiru News. 2022年12月26日閲覧。
  16. ^ “Sri Lanka ex-leader's brother Basil Rajapaksa arrested”. BBC News. (2015年4月22日). https://www.bbc.com/news/world-asia-32410003 2017年3月19日閲覧。 
  17. ^ “Sri Lanka's all-powerful Rajapaksas under fire” (英語). France 24. (2022年4月1日). https://www.france24.com/en/live-news/20220401-sri-lanka-s-all-powerful-rajapaksas-under-fire 2022年4月5日閲覧。 
  18. ^ “Basil Loses His 240 Million Worth Luxury Villa in Malwana”. Colombo Telegraph. (2016年10月14日). https://www.colombotelegraph.com/index.php/basil-loses-his-125-million-worth-luxury-villa-in-malwana/ 2017年3月19日閲覧。 
  19. ^ Court stops auction on Basil's alleged land in Malwana”. www.dailymirror.lk (2017年3月20日). 2023年9月21日閲覧。
  20. ^ FCID illegal, therefore whole process not lawful, say counsel”. www.sundaytimes.lk (2015年6月7日). 2023年9月21日閲覧。
公職
先代
マヒンダ・ラージャパクサ
スリランカの旗 スリランカ財務相
2021年 - 2022年
次代
マヒンダ・ラージャパクサ
先代
創設
スリランカの旗 スリランカ経済発展相
初代:2010年 - 2015年
次代
ラニル・ウィクラマシンハ