ハーヴェスト・レコード

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ハーヴェスト・レコード
Harvest Records
親会社ユニバーサル ミュージック グループ
設立1969年 (1969)
設立者マルコム・ジョーンズ
ノーマン・スミス
販売元Capitol Music
ジャンルプログレッシブ・ロックインディーズ
イギリスの旗 イギリス
公式サイトwww.harvestrecords.com

ハーヴェスト・レコード(Harvest Records)とは、イギリスEMIが、1969年に傘下に設立したレコード・レーベルの名称。

歴史[編集]

EMIで渉外を担当していたマルコム・ジョーンズの提案がきっかけとなり設立。イギリスのアンダーグラウンド音楽シーンで人気を集め始めていたプログレッシブ・ロックハードロックに対応するため、パーロフォンコロムビア・レコードといったEMI傘下の他レーベルから適任のバンド・アーティストを移籍させる形で陣容を整えた。

そういった形で集められたバンドの中に、ディープ・パープル(パーロフォンより)、ピンク・フロイド(コロムビアより)などがいた。ピンク・フロイドはハーヴェスト設立1年後に『原子心母』でレーベル初の全英1位をもたらし、経営基盤を確立(1973年には『狂気』で初のビルボード1位も成し遂げられている)。その後もフォークにいたるまで多彩な人材を輩出し、イギリスの音楽界での存在感を確固たるものとした。

1970年代中盤に差し掛かるころ、パンク・ロックなどの音楽の新しい潮流が見え始めると、ハーヴェストと同様のコンセプトで開かれた他レコード会社の傘下レーベル、ヴァーティゴフィリップス傘下)、デラム(英デッカ・レコード傘下)などが次々と方針変更や活動休止を余儀なくされる中、ハーヴェストはセインツワイヤーなどパンク・ニュー・ウェイヴに対応したバンドを発掘し、新しい時代に対応していった。

だが有力アーティストがレーベルとしてのEMI[1]に集約されるようになると、ハーヴェストは規模を縮小。1990年代以降は新作のリリースはほとんどなく、過去の音源の編集版などが出される程度となっている。

日本においては、同レーベルの作品は東芝EMIから発売されたが、徳間音楽工業が1970年に「ハーヴェスト・レコード」の商標を登録していたため、通常のオデオンレコードもしくはEMIレコードのレーベル内に同レーベルのロゴと「An EMI Recording」の文字を入れたレーベルが使用された。

所属していた主なアーティスト・バンド[編集]

関係したスタッフ[編集]

参考文献[編集]

  • 『レーベル・ブック1』(ストレンジ・デイズ)

脚注[編集]

  1. ^ ハーヴェスト設立当時、EMIは単に統括会社の名称であった。「EMIレーベル」が設立されたのは1972年のことである。