ネチケット
ネチケット(英語:netiquette)とは、インターネットや電子メールなどのネットワークを利用する上でのマナーのこと[1][2]。日本ではパソコン通信が盛況だった1980年代後半から使われた[1]。ネットワーク(network)とエチケット(etiquette) を組み合わせたかばん語で、「ネットマナー」、「ネチケ」などとも呼ばれる。現実世界でのマナーを基本に、ネット上の特性を追加したエチケットなので、ネチケットの中には挨拶やことば遣いなどの実生活のマナーも含まれるが[1]、本項では特にインターネット上のネチケットについて解説する。
ネチケットは、インターネット上でコミュニケーションを行う際や、ウェブサイトや電子メールなどを利用する際など、様々な場面で必要とされている。ネチケットは厳密に定められている規則ではなく、他人への配慮を心がけるなど、社会で最低限必要とされていることに基づいたものが多い。また、コンピュータネットワーク特有の技術的な問題を防ぐためのネチケットも数多く存在する(後述)。
ネチケットに関するガイドラインとしては、1995年(平成7年)にInternet Engineering Task Forceがまとめた「Netiquette Guidelines」、1996年(平成8年)に通商産業省と電子ネットワーク協議会がまとめた「電子ネットワーク事業における倫理問題に係る自主ガイドライン」がある[1][3]。
具体的な例[編集]
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インターネットを利用する際は、まず下記の項目を理解し、留意すること - ネット上では「無知は罪」とされる[要出典]。ウイルス蔓延や個人情報流出など、ネットに関する事件の大半は、コンピュータ初心者[要検証 ]の無知に起因するものである[要出典]。
- アクセシビリティ
- 利用環境による表示や動作の相違を無くし、すべての環境で同様に情報を扱えるようにするためのものである。
- 荒らし
- 掲示板などのネットワークコミュニティにおける荒らしに対する対処。
- 他者に対する配慮
- インターネットは自分ひとりが使用しているわけではないので、他者に対する配慮が非常に重要になってくる。
- 相手に対して常に寛容であるよう心がける - 特にインターネットの経験が豊かな人は、初心者に尊大な態度をとったり、何かを押し付けたりしないこと。初心者の冒したミスには寛容であること。
- まず自分で調べる - 調べてすぐにわかることを他人に質問することは、 ネット上では俗に「教えて君」と呼ばれ、嫌われる対象となる可能性が高い。
- 場の空気を読む - ネット上で発言する際は、過去の発言をよく読み、話の流れや雰囲気を壊さないよう配慮すること。
- ネットワークに対する配慮
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- 不必要に巨大なデータを送らない - サーバがダウンして機能しなくなる場合がある。
- コンピュータウイルスやトロイの木馬に感染した状態のPCをネットワーク上で使い続けない - ネットワーク上にウイルスをばらまいて他人が感染しやすくなるため。
- メールにおける配慮
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- 相手の許可なくHTML形式のメールを送らない - セキュリティ上の理由から、利用者によっては受け取り拒否の設定にしてある場合がある。
- Microsoft Outlook・Outlook ExpressまたはWindows Mailなど一部メーラーのデフォルト設定(リッチテキスト形式やHTML形式になっている)でメールを送る、携帯電話からデコレーションメールを送るなどもネチケット違反に該当する。
- 同報メール[注 2]のあて先をTo:やCc:に記述しない - 個人情報の漏洩に繋がるため。通常、複数のあて先に同報メールを送る場合は、To:に自分自身のアドレスを記述し、Bcc:にあて先を記述するようにする。
- 「〜〜までに返信ください」「必ず返信ください」など、返信を強要しない - 郵便にも郵便事故があるのと同様に、電子メールは届かなかったり読まれなかったりすることも多々ある。返事が本当に必要ならば、電話や直接会う約束を取り付けるなど、確実に相手とコミュニケーションが取れる手段を使う。
- 相手の許可なくHTML形式のメールを送らない - セキュリティ上の理由から、利用者によっては受け取り拒否の設定にしてある場合がある。
- 言葉遣いなど
- 2ちゃんねるなどのような特定のコミュニティ、あるいは世代の中ならば許可・容認されている内容や、既に時代遅れになっている言葉や表現が少なくないが、それらも時と状況と場合において使い分ける必要があるので、結局は自分が情報を送る相手の性質を理解しておく必要がある。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e 日本大百科全書(ニッポニカ),IT用語がわかる辞典,知恵蔵,ASCII.jpデジタル用語辞典,ホームページ制作用語集,DBM用語辞典,デジタル大辞泉,世界大百科事典内言及. “ネチケットとは”. コトバンク. 2022年2月24日閲覧。
- ^ “守っていますか?ルールとマナー 警視庁”. www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp. 2022年2月24日閲覧。
- ^ “rules and manners for networkers”. www.iajapan.org. 2022年3月23日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- RFC 1855 - RFCに明文化されているネチケットについての規定。下記邦訳版のオリジナル。ダイヤルアップ接続が主体であった1995年に策定されたものであるため、内容はブロードバンドが主体になった現状と一部そぐわない部分もあるが、基本的な項目は現在でも十分に通用する内容となっている。
- インターネットを利用する方のためのルール&マナー集 - 一般財団法人インターネット協会
- ネチケットホームページ