ディアブル島
ディアブル島 | |
---|---|
![]() ディアブル島(2019年5月撮影) | |
所在地 | フランス領ギアナ |
所在海域 | 大西洋 |
座標 | 北緯5度17分37秒 西経52度34分59秒 / 北緯5.29361度 西経52.58306度座標: 北緯5度17分37秒 西経52度34分59秒 / 北緯5.29361度 西経52.58306度 |
面積 | 0.140 km² |
最高標高 | 約40 m |
![]() ディアブル島を含むサリュー諸島の地図 | |
![]() |
ディアブル島(ディアブルとう、フランス語: Île du Diable イル・デュ・ディアブル)は、南アメリカのフランス領ギアナにある島。英名はデビルズ島(デビルズとう、英語: Devil's Island デビルズ・アイランド)。
概要[編集]
フランス領ギアナの北海岸沖合い11kmにある面積14ヘクタールほどの島で、1852年(ナポレオン3世の第二帝政期)にフランスの政治犯など重犯罪者を収容するための監獄が島に設置された。1946年に廃止されたが、現在でも監獄の建物の跡地が残っており、観光地化されている。
椰子の木に覆われ、岩が多く、最も高い地点で海抜40mほどになる。フランス領ギアナ本土の沖合いに浮かぶ火山列島、サリュー諸島(Îles du Salut)を構成する3つの島のうち最も北に位置する。サリュー諸島のほかの島、サンジョセフ島(Île Saint-Joseph)・ロワイアル島(Île Royale)、本土側の町クールーにも監獄があった。英語圏では「デビルズ・アイランド」の名で知られたが、フランスでは「bagne de Cayenne」、「カイエンヌの穴」と呼ばれていた。
フランス史上最も悪名高い流刑地で、8万人以上の政治犯や重罪人がこの地に送られたが、多くは疫病の蔓延する環境に耐えられずに生きて島を出ることはなかった。脱獄するには密林を抜けてボートなどに乗らなければならないため、脱獄できた者は少数とされている。1854年の法律では、釈放後も受刑者はフランス領ギアナにとどまり強制労働に従事することになっていた。また一生涯フランス領ギアナにとどまることとされる受刑者には土地が与えられた。
アルフレド・ドレフュスが1895年から1899年までこの島で服役したことでも有名である。またこの島に収容されていたアンリ・シャリエールの同名の著書に基づく映画『パピヨン』(1973年)の舞台として知られている。
この流刑地から脱獄に成功したルネ・ベルブノワはアメリカで自伝『乾いたギロチン(Dry Guillotine』(1938年)を出版した。この書籍は国際世論に大きな影響を与え、のちにギアナ流刑地の閉鎖へと繋がった。アンリ・シャリエールの『パピヨン』は少なからずルネ・ベルブノワの自伝から物語の着想を得ている。
1938年、フランス政府は島への流刑者の移送を中止し、1952年に刑務所は永久に閉鎖された。受刑者の多くはフランスの大都市の刑務所に移され、受刑者のいくらかはフランス領ギアナに残ることを選んだ。