ディアブル島
ディアブル(悪魔)島 | |
---|---|
ディアブル島(2019年5月撮影) | |
所在地 | フランス領ギアナ |
所在海域 | 大西洋 |
座標 | 北緯5度17分37秒 西経52度34分59秒 / 北緯5.29361度 西経52.58306度座標: 北緯5度17分37秒 西経52度34分59秒 / 北緯5.29361度 西経52.58306度 |
面積 | 0.140 km² |
最高標高 | 約40 m |
ディアブル島を含むサリュー諸島の地図 | |
プロジェクト 地形 |
ディアブル島(ディアブルとう、フランス語: Île du Diable イル・デュ・ディアブル)は、南アメリカのフランス領ギアナにある島。英名はデビルズ島(デビルズとう、英語: Devil's Island デビルズ・アイランド)[1]。日本名は悪魔島(あくまとう)[1]または鬼ヶ島[2]。
概要
[編集]フランス領ギアナの北海岸沖合い11kmにある面積14ヘクタールほどの島で、1852年(ナポレオン3世の第二帝政期)にフランスの政治犯など重犯罪者を収容するための監獄が島に設置された。現在でも監獄の建物の跡地が残っており、観光地化されている。
椰子の木に覆われ、岩が多く、最も高い地点で海抜40mほどになる。フランス領ギアナ本土の沖合いに浮かぶ火山列島、サリュー諸島(Îles du Salut)を構成する3つの島のうち悪魔島は最も北に位置する。
1852年以来悪魔島に収容された囚人はたった数十人であり、またギアナ流刑地のごく一部に過ぎないにもかかわらずその印象的な名前から流刑地全体を指す名として誤用されている。アルフレド・ドレフュスが1895年から1899年までこの島で服役したことでも有名である[3]。
悪魔島のほかにもサンジョセフ島(Île Saint-Joseph)やロワイヤール島(Île Royale)、本土側の町であるサン=ローランやカイエンヌ、クールーなどにも監獄があった。
ギアナ流刑地はフランス史上最も悪名高い流刑地であり、8万人以上の犯罪者がこの地に送られたが多くは疫病の蔓延する環境に耐えられず死んでいった。脱獄するには密林を抜けてボートなどに乗らなければならないため、成功した者は少数とされている。1854年の法律では、強制労働八年以上を宣告された受刑者は釈放後も一生涯「免囚」としてフランス領ギアナで過ごさなければならないことになっていた(強制労働八年未満の受刑者は、釈放後も元々の刑期と等しい期間をギアナで過ごさなければならなかった。この刑罰は「折り返し」と呼ばれていた)。
1938年6月17日、フランス政府はギアナへの囚人の移送中止を決定する法令を可決した。1953年に流刑地は永久に閉鎖され、受刑者の多くはフランスの大都市の刑務所に移され彼らのいくらかはフランス領ギアナに残ることを選んだ[1]。
脱獄囚
[編集]ギアナ流刑地から脱獄に成功した最も有名な囚人であり、1938年2月にアメリカで自伝『乾いたギロチン』を出版した。
1969年にフランスに帰国し、小説『パピヨン』を出版した。
1973年に小説『パピヨン』を原作とした映画『パピヨン』が公開され大ヒット。
脚注
[編集]- ^ a b c 牢獄研究会 2011, p. 18.
- ^ 占部百太郎 1933, p. 431.
- ^ 太田隆 2011, p. 87.
外部リンク
[編集]- René Belbenoit, 『DRY GUILLOTINE fifteen years among the living dead』,NEW YORK ・BLUE RIBON BOOKS,(1938)
- Philippe Schimitz, René Belbenoit,『Matricule 46635 L’extrodinaire aventure du forçat qui inspira Papillon』, MAISONNEUVE &LAROSE,(2002)
- René Belbenoit,『Hell On Trial』,Bantam Books,(1971),P.185~189,224~235
- https://amp.parismatch.com/Actu/Societe/Rene-Belbenoit-Bagne-Cayenne-evasion-ile-du-diable-1614108
- http://www.historyisnowmagazine.com/blog/2014/10/19/the-story-of-the-worlds-most-infamous-penal-system-ever#.XZ2IDbpcWEc
- https://sites.utexas.edu/ransomcentermagazine/2013/05/14/rene-belbenoit__trashed/
- https://www.lamanufacturedelivres.com/nos-auteurs/auteur/19/rene-belbenoit
- https://norman.hrc.utexas.edu/fasearch/findingAid.cfm?eadid=00617
- Cayenne-Hollywood,『Les Véritables Histoires de Papillon』, France(2008)
- https://renemichelbelbenoit.hatenablog.com/entry/2021/07/11/004754
- https://www.lareviewofbooks.org/article/two-devils-city-angels
- https://www.geo.fr/histoire/les-dernieres-annees-du-bagne-de-guyane-195010
- https://web.archive.org/web/20040629212131/http://www.lexpress.fr/info/france/dossier/domtom/dossier.asp?ida=427523
- https://www.histoire-genealogie.com/De-la-valeur-des-choses-dans-le-temps
- https://www.thegirlexplorers.com/post/a-pioneer-in-gay-and-prisoner-rights
- https://criminocorpus.org/fr/reperes/legislation/textes-juridiques-lois-decre/textes-relatifs-a-la-deportati/acces-aux-textes/decret-du-17-juin-1938/
- https://journals.openedition.org/criminocorpus/181
- http://gmarchal.free.fr/Le%20Bagne%20de%20Guyane/Chronologie.htm#:~:text=%C2%B7%201859%20Arriv%C3%A9e%20en%20Guyane%20des,Bagne%20des%20femmes%20%C3%A0%20Mana.&text=%C2%B7%201859%20Cr%C3%A9ation%20du%20camp%20de,homme%20et%20une%20femme%20transport%C3%A9s.
- The Salvation Army's involvement in the F7 Colony
- https://lareviewofbooks.org/article/two-devils-city-angels/
- https://www.guyane-guide.com/zone-guyane/bagne.htm
- 占部百太郎 (1933). 近代国際政治史. 高原書店. p. 431. OCLC 673402377
- 牢獄研究会 (2011). 図解牢獄・脱獄. 新紀元社. p. 18. ISBN 9784775307694
- 太田隆 (2011). シャーロック・ホームズの経済学. 青弓社. p. 87. ISBN 9784787292001