ティーサンドイッチ

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リバティ百貨店ロンドン)のティースタンド
下段の皿にティーサンドイッチ

ティーサンドイッチティー・サンドイッチ英語: tea sandwich)は、イギリスアフタヌーン・ティーで食される一口サイズにカットされたサンドイッチ[1]フィンガーサンドイッチfinger sandwich)とも呼ばれる。紅茶(ティー)を具材にしたサンドイッチや紅茶味のサンドイッチではない[1]

概要[編集]

白パンライ麦パンに、ハーブを用いたクリームチーズなどのフィリングを挟んだサンドイッチである[2]。アフタヌーン・ティーに出されるケーキスコーンとの調和を考えて、具も味もシンプルなものが多い[2]キュウリサーモンローストビーフが代表的な具材である[2]

サンドイッチに使用するパンは薄ければ薄いほど上品とされる[1]。4分の1インチ(約6.3ミリメートル)以下の厚さにスライスしたパンを使用する[3]。提供する際には一口で食べられる3センチメートル程度のサイズにカットするのが基本である[3]

カトラリーフォークナイフ)を使わずに指でつまんで食べる[3]。なお、その際には、右手はティーカップを持つため、ティーカップを汚さないように左手でサンドイッチや菓子を持つのが作法である[4]

歴史[編集]

アフタヌーン・ティーは1930年頃のイギリスで始まった習慣であるが、当時のイギリス上流階級は朝食の時間が早く、夕食の時間が遅かったために、空腹を満たす意味合いもあってアフタヌーン・ティーにサンドイッチが添えられるようになった[1][5]

サイズが小さいことや具材がシンプルなことは当時の上流階級の女性向けであったことと、上述のように間食であることに起因すると考えられている[5]

参考書籍[編集]

  • 藤枝理子『英国式アフタヌーンティーの世界: 国内のティープレイスを訪ねて探る、淑女紳士の優雅な習慣』誠文堂新光社、2021年。ISBN 978-4416620137 

出典[編集]

  1. ^ a b c d ティーサンドイッチをマスターする!”. パン食系女子. 日清製粉グループ. 2023年8月30日閲覧。
  2. ^ a b c 英国の伝統的なサンドイッチで優雅なアフタヌーンをお過ごしください”. 家庭画報.com (2017年9月30日). 2023年8月30日閲覧。
  3. ^ a b c 藤枝理子, p. 152.
  4. ^ 藤枝理子, p. 74.
  5. ^ a b ナガタユイ「ティー・サンドイッチ」『サンドイッチの発想と組み立て:世界の定番サンドイッチとその応用』誠文堂新光社、2012年、34頁。ISBN 978-4416812723 

関連項目[編集]