カトラリー

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カトラリー英語: cutlery

  • 刃物の総称(cutleryの本来の意味で中世フランス語のcoutellerieに由来する)→刃物
食卓で用いるカトラリー
フランツ2世のカトラリー

「カトラリー」には刃物の総称(全般を指す名称)としての用法もあるが、そちらについては「刃物」の記事に譲る。ここでは、食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどについて解説する。

高級なカトラリーとして、合金製がある。銀が用いられる理由としては、中世ヨーロッパでは王位継承者に対する毒殺が横行していた、と指摘されており[2]、銀はヒ素が化学反応を起こして色が変わるため、王侯貴族は銀の食器を使うようになったという[2]、とのこと。

(なお、(当時)使われたのは、鉱山から銀や鉛を産出する時の副産物としてのヒ素[2]、とのことで、無味無臭で水に溶けるので、毎日の食事の中に入れると、(入れられた人は)いつの間にか死んで[2](しまった / しまう)、という。)

また『図解入門最新金属の基本がわかる事典』の199頁にも、ヒ素毒殺を恐れた西洋の貴族たちは銀食器を使っていた、ヒ素検知(のため)だった、と指摘されている[3]。ヒ素が「盛られる」と(つまり料理に混入されると)、食器が黒くなって判明する、という仕掛けである、と指摘されている[3]。(ただし、それは、当時のヒ素精製の技術が低くて、硫黄が混入してしまっていたので、その硫黄と銀食器が反応して黒化した、というのが真相だったという[3]。同書によると、精製技術が良くなった現在では、銀はヒ素検出には使えない[3]、とのこと。)

王族や貴族が珍重していたことの名残で、現在でも高級カトラリーとして銀合金製が用いられることがあり、現在でも高級感を求める、迎賓館、貴族の邸宅、高級レストランなどで用いられることがある、というわけである。

中世ヨーロッパでは、スズの合金製(たとえばピューター(「しろめ」)など)が、銀食器に次ぐ高級食器として使われた。

なお、一般には、鉄製のカトラリーが用いられた。19世紀からは、銀などの代用品として、ニッケルシルバー洋白)が大量に用いられるようになった。現代では、流通するカトラリーの大部分はステンレス鋼製である。

6人分のセット

現代フランス語では、カトラリーを「couverts クヴェール」と言い、それを何人分かセットにして箱に入れたものを「ménagère メナジェール」と言う[4]が、(フランスで)結婚の(お祝いの)贈り物としてメナジェール(=カトラリー・セット)を贈ることが習慣のようになったのは、19世紀半ばのことだという[5]


産地[編集]

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉「カトラリー」
  2. ^ a b c d 『図解入門業界研究最新調剤薬局の動向とカラクリがよーくわかる本』秀和システム、2012、p.136
  3. ^ a b c d 『図解入門最新金属の基本がわかる事典』秀和システム、2015、p.199
  4. ^ [1]
  5. ^ Louise Thomas, « Les ménagères de plus de 150 ans », Le Monde Argent,‎ 6 février 2010, p. 8

関連項目[編集]