シャム69
| シャム69 Sham 69 | |
|---|---|
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シャム69(2025年) | |
| 基本情報 | |
| 出身地 |
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| ジャンル | パンク・ロック、Oi!パンク |
| 活動期間 | 1976年 - 1980年、1987年 - |
| レーベル | ポリドール、パーロフォン、ステップ・フォワード |
| メンバー |
オリジナル・バージョン ジミー・パーシー デイヴ・パーソンズ デイヴ・トレガンナ スパイク・T・スミス ティム・V・バージョン ティム・V トム・オースティン=モーガン ポール・ブライトマン イアン・ホワイトウッド |
| 旧メンバー |
マット・サージェント ビリー・ボスティック アルビー・マスケル ニール・ハリス マーク・ケイン リック・ゴールドスタイン ロブ・ジェファーソン ロビン・ガイ |
シャム69(シャム・シックスティーナイン、Sham 69)は、イギリス・サリー州ハーシャムで1976年に結成されたパンク・ロック・バンドである。2014年時点で、「シャム69」を名乗るバンドは2つ存在している状態である。
経歴
[編集]結成から解散まで
[編集]1969年、サリー州のサッカークラブであるウォルトン・アンド・ハーシャムFCが地域リーグを制覇。その際、サポーターの一人がサッカー場の壁に、優勝を記念すべく「Walton & Hersham 69」の落書きを残した。
数年後、地元の青年ジミー・パーシーがその落書きに目を留める。字は時を経て消えかかっており、「sham 69」の部分だけが残っていた。パーシーはこれを自らのバンド名に使用する。シャム69とフットボール・カルチャーは後年切っても切れない関係となるが、このエピソードはそれを象徴するものとして頻繁に引き合いに出されるようになる。
1977年、パーシー(ボーカル)、デイヴ・パーソンズ(ギター)、アルビー・マスケル(ベース)、マーク・ケイン(ドラム)の陣容で、ファースト・シングル「I Don't Wanna」をインディー・レーベルのステップ・フォワードより発表。プロデュースはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイル。マスケルがデイヴ・トレガンナに交代し、翌1978年1月、シングル「Borstal Breakout」でイギリスのポリドール・レコードよりメジャー・デビューを果たす。
サッカーの応援歌にも似た、観客が一緒に歌いやすい曲調は「シンガロング・スタイル」と呼ばれ(後のOi!パンクの源流とされる)、レコードセールスの上では好成績を残し続けたが、ライブはパンクスやスキンヘッドたちの喧嘩の場と化し、活動に支障をきたすようになる。1978年のレディング・フェスティバルでは、「If the Kids Are United」を歌ってキッズたちの連帯を訴えても一向に喧嘩が収まらない状況にパーシーが絶望し、ステージ上で涙を流したと伝えられる(パーシーは一貫してこれを否定)。
1979年にシャム69は活動を停止。パーシーはスティーヴ・ジョーンズ、ポール・クックと「シャム・ピストルズ」結成へと動くが、頓挫。シャム69の活動に戻る。1980年のアルバム『自由への暴走』(The Game、ドラムはリック・ゴールドスタインに交代)発表後に解散した。パーシーはソロ活動へ移り、元ジェネシスのピーター・ガブリエルらと共作を残したほか、エンジェリック・アップスターツなどのプロデュースを行った。トレガンナは元デッド・ボーイズのスティーヴ・ベイター、元ダムド~ヘリオンのブライアン・ジェイムスらとローズ・オブ・ザ・ニュー・チャーチを結成した。
再結成以後
[編集]1987年、パーシーとパーソンズが再合流、シャム69が再結成される。この2人以外のメンバーは流動的で、実態としてはバンドではなくプロジェクトであった。初期の荒々しい音楽性は影を潜め、ラップなども取り入れた多彩な音楽性を提示した。だが、初期の代表曲の再録だけのアルバムを発表したり、前のアルバムに収められた曲を次のアルバムにも収録するといった手法が、ファンや音楽メディアから批判の対象となることもあった。1990年には来日公演も実現している。
2005年、パーシーがジョン・ライドンと殴り合いの喧嘩をしたと報じられる[1]。
2006年、初期シングル「Hurry Up Harry」が2006 FIFAワールドカップのイングランド応援歌「Hurry Up England」の元曲として採用され、注目を集めたが、その矢先にパーシーが脱退。デイ21(Day 21、かつてシャム69がライヴで用いた変名)に移る。パーソンズはティム・Vを新ボーカリストに迎え、シャム69を存続させた。
2011年、パーシーが出戻り、さらにトレガンナも再加入してシャム69が再建されたが、全盛期メンバーの出戻りに押し出される格好となったティム・Vら元メンバーは、最初期のギタリストであるニール・ハリスを加え、同じくシャム69を名乗って活動している。
メンバー
[編集]-
ジミー・パーシー
-
デイヴ・パーソンズ
-
デイヴ・トレガンナ
-
スパイク・T・スミス
最新ラインナップ
[編集]- ジミー・パーシー (Jimmy Pursey) - ボーカル (1975年–1980年、1987年–2006年、2011年– )
- デイヴ・パーソンズ (Dave Parsons) - ギター、バック・ボーカル (1977年–1980年、1987年– )
- デイヴ・トレガンナ (Dave Tregunna) - ベース、バック・ボーカル (1977年–1980年、2011年– )
- スパイク・T・スミス (Spike T. Smith) - ドラム (2023年– )
旧メンバー
[編集]- ニール・ハリス (Neil Harris) - ギター (1975年–1977年) ※2018年死去
- ジョン・グッド (John Goode) - ギター (1975年–1977年)
- アルビー・スライダー (アルバート・マスケル) (Albie Slider (Albert Maskell)) - ベース (1975年–1977年)
- ビリー・ボスティック (Billy Bostik) - ドラム (1975年–1977年)
- マーク・ケイン (Mark Cain) - ドラム (1977年–1979年)
- リッキー・ゴールドスタイン (Ricky Goldstein) - ドラム (1979年–1980年)
- アンディ・プリンス (Andy Prince) - ベース (1987年–1993年)
- マット・サージェント (Mat Sargent) - ベース (1994年–2006年)
- イアン・ホワイトウッド (Ian Whitewood) - ドラム (1987年–2011年)
- ティム・V (Tim V) - ボーカル (2007年–2011年)
- ロブ・ジェファーソン (Rob Jefferson) - ベース、バック・ボーカル (2007年–2009年)
- アル・キャンベル (Al Campbell) - ベース (2009年–2011年)
- ダニー・フューリー (Danny Fury) - ドラム (2011年–2012年)
- ロビン・ガイ (Robin Guy) - ドラム (2012年–2023年) ※2024年死去
タイムライン
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ティム・V・バージョン
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最新メンバー
[編集]- ティム・V (Tim V) - ボーカル (2007年– )
- イアン・ホワイトウッド (Ian Whitewood) - ドラム (2007年– )
- ポール・ブライトマン (Paul Brightman) - ギター (2014年– )
- トム・オースティン=モーガン (Tom Austin-Morgan) - ベース (2021年– )
旧メンバー
[編集]- デイヴ・パーソンズ (Dave Parsons) - ギター、バック・ボーカル (2007年–2011年)
- ニール・ハリス (Neil Harris) - ギター (2011年–2018年) ※2018年死去
- トニー・フィードバック (Tony Feedback) - ギター (2011年–2014年)
- ロブ・ジェファーソン (Rob Jefferson) - ベース、バック・ボーカル (2007年–2009年)
- アル・キャンベル (Al Campbell) - ベース (2009年–2011年)
- ジョン・ウッドワード (John Woodward) - ベース (2011年–2016年)
- ライアン・モンシャル (Ryan Monshall) - ベース (2016年–2021年)
タイムライン
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ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『テル・アス・ザ・トゥルース』 - Tell Us the Truth (1978年) ※全英25位
- 『ザッツ・ライフ』 - That's Life (1978年) ※旧邦題『悪の挑発』、全英27位
- 『ジ・アドヴェンチャーズ・オブ・ハーシャム・ボーイズ』 - The Adventures of the Hersham Boys (1979年) ※全英8位
- 『自由への暴走』 - The Game (1980年)
- 『ボランティア』 - Volunteer (1988年)
- 『インフォメイション・リヴラ』 - Information Libre (1991年)
- 『キングス&クイーンズ』 - Kings & Queens (1993年) ※過去曲の再録音盤
- Soapy Water and Mister Marmalade (1995年)
- 『ジ・ア・ファイル』 - The A Files (1997年)
- Direct Action: Day 21 (2001年)
- Hollywood Hero (2007年) (a.k.a. Western Culture (UK / Europe))
- Who Killed Joe Public (2010年)
- Their Finest Hour (2013年)
- It'll End in Tears (2015年)
- Black Dog (2021年)
- To the Ends of the Earth (2024年)
ライブ・アルバム
[編集]- 『ライヴ・アンド・ラウド!!』 - Live and Loud!! (1987年)
- 『ライヴ・アンド・ラウド!! Vol.2』 - Live And Loud!! Volume 2 (1988年)
- 『ライヴ! ベスト』 - The Best Of & The Rest Of Sham 69 Live (1989年)
- 『ライヴ・アット・ロキシー』 - Live at the Roxy Club (1990年)
- 『ライヴ・イン・ジャパン』 - Live in Japan (1992年)
- 『ライヴ・イン・コンサート』 - BBC Radio 1 Live In Concert (1996年)
- Live in Italy (1996年)
- Live at CBGB's (1998年)
- Green Eggs & Sham (1999年)
- 『グレイテスト・ヒッツ・ライブ』 - Greatest Hits Live (2001年)
- SHAM 69 Live (2011年)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『ベスト・オブ・シャム 69』 - The First, the Best and the Last (1980年)
- 『ザ・パンク・シングルズ・コレクション 1977-80』 - The Punk Singles Collection 1977–80 (1998年)
- 『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ハーシャム・ボーイズ』 - The Very Best Of The Hersham Boys (1998年)
- Angels With Dirty Faces 2-CD Anthology (1999年) (Castle Music ESDCD 780)
- Laced Up Boots and Corduroys (2000年)
- 『イフ・ザ・キッズ・アー・ユナイテッド』 - If The Kids Are United - The Best of Sham 69 (2001年)
- The Best of Sham 69: Cockney Kids Are Innocent (2002年)
- The Complete Collection (2004年)
- Sham 69 - Set List: The Anthology (2013年) ※再録音盤
- Hurry Up Harry: The Collection (2017年)
シングル
[編集]- "I Don't Wanna" (1977年)
- "Borstal Breakout" (1978年)
- "Angels With Dirty Faces" (1978年) ※全英19位
- "If the Kids Are United" (1978年) ※全英9位、日本では、王子ネピアの紙おむつのCMソングとして使用された[2]
- 「ハリー・アップ・ハリー」 - "Hurry Up Harry" (1978年) ※全英10位
- 「クウェスチョンズ・アンド・アンサーズ」 - "Questions and Answers" (1979年) ※全英18位
- "Hersham Boys" (1979年) ※全英6位
- "You're a Better Man Than" (1979年) ※全英49位
- "Tell The Children" (1980年) ※全英45位
- "Unite and Win" (1980年)
- "Rip and Tear" (1987年)
- "Outside the Warehouse" (1988年)
- "Uptown" (1993年)
- "Action Time Vision" (1993年)
- "Girlfriend" (1995年)
- "Swampy" (1996年)
- "Hurry Up England" (2006年)