ザホス・サモラダス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サモラダス監督(2013年)

ザホス・サモラダスギリシア語: Ζάχος Σαμολαδάς英語: Zachos Samoladas1967年8月26日 - )は、ギリシャ映画監督で、主にアニメ映画を手掛けている。テッサロニキ出身[1][2]

経歴[編集]

1983年、当時まだ10代半ばの映画愛好家であったサモラダスは短編アニメを自作。ギリシャ国営テレビ局ERT番組で自主制作アニメが取り上げられた[1][2]

その後、渡米してカリフォルニア芸術大学(CalArts)に入学し、ジュールス・エンゲル英語版の薫陶を受けて実験的なアニメ制作を学んだ。また、アテネエウゲニア・ハツィコウ映画学校ギリシア語: Σχολή Κινηματογράφου Ευγενίας Χατζίκου英語: Eugenia Hatzikou Film School)でも映画監督学位を取得している[1][2]

1988年、20歳そこそこでテッサロニキ市営テレビ局のディレクターに就任し、現在は同局の番組制作監督を務めている。ギリシャ監督協会ギリシア語: Σωματείο Ελλήνων Σκηνοθετών / ΕΕΣ英語: Greek Directors Guild / GDG)会員[1][2]

作品[編集]

アニメ映画『THE RUNNER』のポスター(2016年)
アニメ映画『TOKEI MARU』のポスター(2018年)
アニメ映画『PROMETHEUS』のポスター(2020年)

アニメ[編集]

ドキュメンタリー[編集]

その他[編集]

日本との関係[編集]

日本では、1922年に戦禍に見舞われた都市スミルナ(トルコ名・イズミル)からギリシャ難民やアルメニア難民を救出した日本商船「東慶丸」のエピソードを描いたアニメ映画『TOKEI MARU』の監督として主に知られている。2022年9月24日には、「東慶丸」によるギリシャ人救出100周年を記念して、ギリシャの都市カヴァラで「TOKEI MARU 1922-2022: Commemorating 100 Years since a Japanese Ship's Voyage to Smyrna」と題したイベントが開催され、関係各者が挨拶や講演を行ったほか、イベントの最後の締め括りとしてアニメ映画『TOKEI MARU』が上映された[3][4]。本作のあらすじは以下の通り。

戦間期の初頭、ギリシャとトルコの間で戦争が勃発(希土戦争)。当時、セーヴル条約に従ってギリシャが合法的に統治していたエーゲ海沿岸部の都市スミルナも旧領奪回を図るトルコの攻撃対象となり、抵抗むなしく町はトルコ軍に占領された。1922年9月、トルコ軍が占領して間もないスミルナの町でギリシャ人アルメニア人の居住区が壊滅的な火災に見舞われる。かつて薩英戦争城下を焼かれて父を失った日本商船「東慶丸」の船長は、炎上するスミルナの町で逃げ惑う住民を見過ごすことができず、トルコ軍の妨害に逆らって救出に向かい、一人でも多くの戦災者を救おうと積み荷をも投げ捨てる――[5]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]