グレーチング

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グレーチング(英語: grating)とは、鉄格子のふた。道路や歩道の溝蓋(みぞぶた)や工場やプラントなどの足場など広範囲に使用される。素材は亜鉛メッキ)、ステンレスアルミニウムFRP製などがある。

グレーチングについて[編集]

鉄製(SS製)グレーチング

構造[編集]

主部材となる板材を立てた状態で、補助部材の棒材を主部材に対して直角に圧接溶接し、格子状にしたものです。

歴史[編集]

広島県呉市にあるダイクレが、日本で初めてグレーチングを製造した。アメリカ軍艦船に使われていたグレーチングを元に製造したのが、日本のグレーチングの始まり。1953年昭和28年)に実用新案を取得し、製造を開始した。現在、ダイクレは4割のシェアを持ち、国内首位となっている。

三重県桑名市にあるホクセイは、1973年(昭和48年)に、国内で初めてステンレス製グレーチングの製造・販売を開始した。

新潟県三条市にあるカワグレは、2003年に車輪のはまり込みや、雨の日のスリップを低減できる全く新しい構造のユニバーサルデザイングレーチングを製造・販売した。

岐阜県瑞穂市にある宝機材は、国内で初めて60kg鋼以上の高張力鋼(ハイテン鋼)を使用して軽量グレーチング「LSハイテングレーチング」を製造した。2008年平成20年)9月から販売を開始している。

2020年4月、国民生活における安全確保とインフラ整備事業の発展に尽力すると共に、減災・防災・国土強靭化製品の普及による社会貢献、並びに鋼製グレーチング産業の健全な発展を目的にグレーチング製造メーカー12社が参画し、一般社団法人鋼製グレーチング工業会が設立された。

問題と対策[編集]

普通目のグレーチングの場合、シルバーカーベビーカー車椅子ハイヒール自転車(特にロードバイク)等の細いタイヤが通過する際、溝にはまり、転倒事故を引き起こすこともある。また白杖がはまる場合も有る。古い規格で、普通目の補助部材間隔が100mmのタイプが今もなお多く残っており、これらの原因となっている。

これに対しては、細目のグレーチング等があり対策が可能となっている。また普通目でも補助部材の間隔が50mmと狭いタイプで車輪の落ち込みの軽減できるもの標準化しているメーカーもあり100mmのタイプは減少傾向にある。


舗装路面より、グレーチングは滑りやすく、特に雨天時など水で濡れている場合はより滑りやすいという問題がある。古くからある規格でプレーンタイプ(ノンスリップ無し)が、今もなお多く残っており、これらの原因となっている。

これに対しては、ノンスリップタイプという滑り止め機能を付与したグレーチングがあり、対策が可能となっている。また近年、歩行者が安全かつ円滑に利用できる目安となるアスファルトやコンクリートの基準値のBPN=40以上をクリアするノンスリップグレーチングが開発されている。


主に亜鉛メッキを施した鉄で造られていることから、リサイクル素材として転売目的での盗難、アウトドアバーベキュー用の網として持ち去るといった問題がある。

これに対しては、盗難抑止として金具などによる対策が可能である。


グレーチングはJIS規格がないため製造メーカーによって仕様が異なっていたが、鋼製グレーチング工業会としてグレーチング規格を制定した。

製造メーカー[編集]

日本のグレーチング製造メーカーは10社以上ある。 スチール製のグレーチング製造メーカーとしてはダイクレマキテック、オカグレ、宝機材、石田鉄工、中部コーポレーションカネソウ、片岡産業、三重重工業、奥岡製作所、イズミ、カワグレ等がある。

床板グレーチング[編集]

床板クレーチングはプラント向けでは歩廊や床、階段に利用され、住宅ではバルコニーなどに利用される。

産業用では、汚染物質を室内に滞留・蓄積させずに排出させる一方向流方式のクリーンルームで、床全面にグレーチングを敷設して吸込口の箇所に使用していることが多い[1]

出典[編集]

  1. ^ 早わかりQ&Aクリーンルームの設計施工マニュアル編集委員会 『早わかりQ&Aクリーンルームの設計・施工マニュアル』日本工業出版、2008年、82頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]