クリスマスの侵略者

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クリスマスの侵略者
The Christmas Invasion
ドクター・フー(新シリーズ)』のエピソード
Sycorax (2659809114).jpg
シコラックス
話数 シーズン2
第0話
監督 ジェームズ・ホーズ
脚本 ラッセル・T・デイヴィス
制作 フィル・コリンソン
音楽 マレイ・ゴールド
作品番号 2.X
初放送日 イギリスの旗 2005年12月25日
カナダの旗 2005年12月26日
日本の旗 2006年12月5日
エピソード前次回
← 前回
Born Again
(ミニエピソード)
わかれ道
次回 →
Attack of the Graske
(双方向エピソード)
新地球
ドクター・フーのエピソード一覧

クリスマスの侵略者」(原題: The Christmas Invasion)は、イギリスのSFテレビドラマ『ドクター・フー』の60分スペシャル。2005年12月25日にBBC Oneで放送された。本作はデイヴィッド・テナント10代目ドクターとして初めて全編に亘って出演するエピソードであり、番組史上初めてクリスマススペシャルとして制作されたエピソードでもある。

本作は主にロンドンを舞台とする。異星人の種族シコラックスが地球へ侵攻し、地球人の三分の一を譲渡しなければ滅ぼすと脅迫した。

制作[編集]

デイヴィッド・テナントは前話「わかれ道」の終盤で再生シーンに登場していたが、全編に亘って10代目ドクターとして出演するのは今回が初めてであった。時系列的には「わかれ道」と「クリスマスの侵略者」に位置付けられた7分間のミニエピソード Born Again が、2005年11月18日にチャリティ番組『チルドレン・イン・ニード』の中で放送された。クリスマススペシャルはイギリスのテレビシリーズの伝統である。「クリスマスの侵略者」は明確にクリスマススペシャルとして銘打たれた初めての『ドクター・フー』のエピソードであるが、The Daleks' Master Plan の第7エピソード "The Feast of Steven" はクリスマスエピソードとして執筆されており、ウイリアム・ハートネル第四の壁を破るクリスマスの願い事をしていた[1]。クリスマススペシャルは代わりに新春スペシャルが放送された2018年まで『ドクター・フー』における年一回の重要なイベントとなった。クリスマスに放送されたわけではないものの、「にぎやかな死体」は1869年のクリスマス・イヴを舞台としていた[2]

9代目ドクターの英語に北の訛りがあったのに対し、10代目ドクターは河口域英語を話す。12月23日にBBCラジオ1で放送されたインタビューでは、新たに再生したドクターがローズのアクセントに影響されて「卵から出てきた雛鳥のよう」("like a chick hatching from an egg") と説明する台詞が脚本に組まれていたが、最終的にはカットされたとテナントが説明した。

エピソードの一部はグロスタシャーClearwell Caves で撮影された[3]。シコラックスの剣の原型はeBayでオークションにかけられ、グレート・オーモンド・ストリート病院英語版の子どもたちへのチャリティとして資金集めに利用された[4]。920.51ポンドであった[5]。本放送の間、BBC公式ウェブサイトのトップページに "THE CHRISTMAS INVASION is on BBC One NOW. HARRIET JONES SAYS: Switch this website off for Britain." と表示された[6]。抱き合わせのウェブサイト "Who is Doctor Who?" もまたアップデートされ、グイネヴィア1のウェブサイトに反応するミッキー・スミスからのメッセージやローズを連れ戻そうというドクターのアピールが報じされた[7]

音楽[編集]

クローゼットのシーンで流れる歌は10代目ドクターを反映して命名された "Song for Ten" で、作曲はマレイ・ゴールド、歌はティム・フィリップスが担当した[8]。エンディングクレジットのテーマ曲は新たなアレンジが加えられ、2005年のシリーズでは省かれた伝統的な "middle eight" の部分が追加された。これはマレイ・ゴールドが作曲し、BBCウェールズ交響楽団が演奏した。このアレンジは2006年のシリーズのエンディングにも頻繁に使われた[9]

"Song for Ten" や、ハリエット・ジョーンズの演説時の音楽、宇宙船がロンドンに到達した際の音楽が2006年12月にリリースされたサウンドトラックに数多く収録されている。

キャスティング[編集]

UFO ロンドンに墜落」と「宇宙大戦争の危機」にレポーター役で出演したラケル・カールが再登場した。彼女は後に「サウンド・オブ・ドラム[10]、「死に覆われた星[11]、「運命の左折[12]、「盗まれた地球[13]The Sarah Jane AdventuresRevenge of the Slitheen[14]に出演した。

放送とDVDのリリース[編集]

当夜の視聴者は最高980万人、平均940万人に達し、ドラマ『イーストエンダーズ』に次いで2番目に高い視聴率を獲得した[15]。「呪われた旅路」が1380万人の視聴者を記録するまでは、本作が10代目ドクターの時期で最も視聴率の高いエピソードであった。番組でも最高のクリスマススペシャルの1つと考えられている。2014年には7000人を超える『ラジオ・タイムズ』誌の読者が「クリスマスの侵略者」を『ドクター・フー』で最高のクリスマススペシャルとして投票しており、これは投票数の四分の一近い24.92%に及んだ。これは2位と10%以上の差をつけていた[16]

「クリスマスの侵略者」が放送された直後、デジタル放送での視聴者はBBCレッドボタン英語版を押して関連するスペシャルエピソード "Attack of the Graske" を視聴できた。これはギャレス・ロバーツが脚本を担当し、テナントがドクター役で出演した。

カナダ放送協会での2005年12月26日のプレゼンテーションはビリー・パイパーが担当し、番組では Roots Canada 株式会社のカナダシャツを着用していた。本編とプレゼンテーションは与えられた90分の枠が余ったため、残り時間はクレイアニメ快適な生活〜ぼくらはみんないきている〜』の2エピソード分で穴埋めがなされた。BBCアメリカでは2007年に初放送され、Syfy版と違いCMを挟んだ1時間分に編集されていた。

日本では2006年12月5日にNHK衛星第2テレビジョンにて59分枠で初放送され[17]、地上波ではNHK教育テレビジョンにより同じく59分枠で2007年11月27日に放送された[18]

本エピソードは2006年5月1日に「新地球」と共に通常のDVDに収録され、2006年11月20日にはシリーズ2のボックスセットに収録された。これにはラッセル・T・デイヴィスとジュリー・ガードナー(BBCウェールズのドラマ部門長)、フィル・コリンソンによる放送前に撮影されたオーディオコメンタリーが収録された。このコメンタリーはBBCの『ドクター・フー』公式ウェブサイトでMP3としても視聴可能であった[19]。なお、日本語版ではシリーズ2ではなくシリーズ1のDVDボックスに収録されており、地上波での放送に先駆け2007年3月21日に発売された[20]

「クリスマスの侵略者」から「最後のクリスマス」までのクリスマススペシャル10本は2015年10月19日にボックスセット Doctor Who – The 10 Christmas Specials としてもリリースされた[21]

放送前の広報[編集]

2005年12月3日にBBCの情報誌『ラジオ・タイムズ』のクリスマス版が発刊され、「クリスマスの侵略者」と連動した『ドクター・フー』のイラストが表紙を飾った[22]。『ドクター・フー』がクリスマス版の表紙を飾ったのは42年におよぶ番組の歴史の中で初めてであり、BBCのテレビドラマが単体で表紙に選ばれたことも1986年にドラマ『イーストエンダーズ』が表紙を飾って以来のことであった。通常、『ラジオ・タイムズ』のクリスマス表紙は一般的なクリスマスのイラストや写真であった。「クリスマスの侵略者」のコメンタリーでラッセル・T・デイヴィスが確認したように、『ラジオ・タイムズ』の『ドクター・フー』特集記事には"一杯のお茶"が登場しており、これは劇中でドクターを助けることになるアイテムのヒントであった。

小説版[編集]

The Christmas Invasion
著者 ジェイミー・T・コルガン
発行日 2018年4月5日
発行元 BBC Books
ジャンル サイエンス・フィクション
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 ペーパーバック
デジタル書籍
ページ数 169
コード ISBN 978-1785943287
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本作は『チルドレン・イン・ニード』でのミニエピソードも含めてジェイミー・T・コルガンにより小説化されており、Target Collection の一部として2018年4月5日にペーパーバックおよびデジタル書籍としてリリースされた[23]

出典[編集]

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  1. ^ "The Daleks' Master Plan". テリー・ネイション(脚本)、ダグラス・カンフィールド(監督)、ジョン・ウィルズ(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC1. 1965年12月25日放送.
  2. ^ "にぎやかな死体". マーク・ゲイティス(脚本)、ユーロス・リン(監督)、フィル・コリンソン(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC One. 2005年4月9日放送. 3回.
  3. ^ Merry Christmas wallpapers & Pictures”. 2016年11月9日閲覧。
  4. ^ Own The ORIGINAL Sycorax Sword Blade (link added)”. myentertainmentnews.co.uk. 2006年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月4日閲覧。
  5. ^ Sword Auction Update”. myentertainmentnews.co.uk. 2006年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月4日閲覧。
  6. ^ http://i51.photobucket.com/albums/f391/anonym22/website.jpg
  7. ^ Defending the Earth! Because friends stick together”. 2019年12月4日閲覧。
  8. ^ Hear the Christmas Song”. BBC (2006年1月10日). 2006年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月20日閲覧。
  9. ^ The New Theme”. BBC (2006年1月3日). 2006年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月20日閲覧。
  10. ^ "サウンド・オブ・ドラム". ラッセル・T・デイヴィス(脚本)、コリン・テギュー(監督)、フィル・コリンソン(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC One. 2007年6月23日放送. 12回.
  11. ^ "死に覆われた星". ヘレン・レイナー(脚本)、ダグラス・マッキノン(監督)、スージー・リガット(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC One. 2008年5月3日放送. 5回.
  12. ^ "運命の左折". ラッセル・T・デイヴィス(脚本)、グレアム・ハーパー(監督)、スージー・リガット(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC One. 2008年6月21日放送. 11回.
  13. ^ "盗まれた地球". ラッセル・T・デイヴィス(脚本)グレアム・ハーパー(監督)、フィル・コリンソン(プロデューサー). ドクター・フー. BBC. BBC One. 2008年6月28日放送. 12回.
  14. ^ "Revenge of the Slitheen". ギャレス・ロバーツ(脚本)、アリス・トラウトン(監督)、マシュー・バウク(プロデューサー). The Sarah Jane Adventures. BBC. BBC One, CBBC. 2007年9月24日放送.
  15. ^ “BBC wins Christmas TV ratings war”. BBC News. (2005年12月26日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4560594.stm 2010年5月25日閲覧。 
  16. ^ Fullerton, Huw (2014年12月28日). “David Tennant’s debut voted best Doctor Who Christmas special”. Radio Times. https://www.radiotimes.com/news/2014-12-28/david-tennants-debut-voted-best-doctor-who-christmas-special/ 2019年12月4日閲覧。 
  17. ^ 放送予定”. NHK. 2007年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月29日閲覧。
  18. ^ 放送予定”. NHK. 2007年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月29日閲覧。
  19. ^ Sounds”. Doctor Who. BBC. 2006年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月4日閲覧。
  20. ^ DVD-BOX”. バップ. 2019年11月29日閲覧。
  21. ^ Doctor Who News: Doctor Who – The Ten Christmas Specials”. Doctor Who News (2015年10月1日). 2015年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月8日閲覧。
  22. ^ Who's on Radio Times?”. BBC (2005年11月28日). 2006年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月20日閲覧。
  23. ^ Fullerton, Huw (2017年11月15日). “Steven Moffat and Russell T Davies are writing special Doctor Who novels”. ラジオ・タイムズ. 2017年12月9日閲覧。