オスツィペック

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オスツィペック
伝統的なオスツィペック
種類 スモークチーズ
発祥地 ポーランド
地域 ポドハレ
主な材料 食塩羊乳
派生料理 クランベリージャム添え
369[1] kcal
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オスツィペック(Oscypek)は、ポーランドタトラ山脈で作られる羊乳スモークチーズである。このチーズは、バッツァ(baca)と呼ばれる専門家によって作られるが、この言葉は、山脈の羊飼いを意味する言葉でもある。いくつかのヨーロッパの国では伝統的な祝日のチーズで、しばしばフライにしてクランベリージャムを添えて食べられる。

製法と種類[編集]

タトラ山脈のスロバキア側には、オシュティエポク(oštiepok)と呼ばれるよく似たチーズがあるが、材料の割合や製法、製品の性質に違いがある[2]。オスツィペックは少なくとも60%の羊乳を用い、重量は60-80g、大きさは17-23cmである必要がある。羊が山の新鮮な草を食べる4月末から10月初めにのみ作ることができる[3]

オスツィペックは、塩味を付けた羊乳に、保護されたレシピに厳密に従って、牛乳ヤギ乳を混ぜたものを使って作る[4]。未殺菌の羊乳から最初にカッテージチーズを作り、湯で洗って絞ることを繰り返す。その後、紡錘型に成形して模様を付け、塩水を満たした樽の中で一晩か二晩寝かし、専用の木小屋の屋根の近くで、最大14日間、熱い煙で保存処理される[5]

歴史[編集]

タトラ山脈でのチーズ製造への最初の言及は、15世紀に遡り、1416年のオホトニツァ村の文書にも記載されている。最初の記録されたレシピは、1748年のジヴィエツのものである[5]。また、レディコウカという小型のものもあり、「オスツィペックの妹」として知られている。

2008年2月14日から、欧州連合保護原産地呼称の対象となった[6]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ Tabele składu i wartości odżywczej żywności. Wydawnictwo Lekarskie PZWL. (2017). pp. 95. ISBN 978-83-200-5311-1 
  2. ^ Spor o oštiepok je zo stola, V4 plánuje žalobu na Komisiu” (スロバキア語). EurActiv (2007年6月5日). 2008年5月1日閲覧。
  3. ^ Mecking, Olga. “Poland's surprisingly beautiful cheese” (英語). 2018年10月31日閲覧。
  4. ^ Oscypek - famous Polish smoked cheese”. www.intopoland.com. 2021年8月18日閲覧。
  5. ^ a b Scyplawy i twardsy” (ポーランド語). Tygodnik Powszechny (2008年3月4日). 2008年6月19日閲覧。
  6. ^ eAmbrosia – the EU geographical indications register”. eur-lex.europa.eu. 2020年10月19日閲覧。