オイリュトミー

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オイリュトミー(Eurythmy)とは、オーストリア神秘思想家教育家であるルドルフ・シュタイナーによって新しく創造された運動を主体とする芸術である。ある種の舞踊ないし総合芸術パフォーミング・アーツであるとも言われる。ギリシア語のευ(eu:美しい)、ρυθμός(rythmos:リズム)から名付けられた。まれに、英語読みの「ユーリズミー」と呼ばれることもある。また、名称が似通っているリトミックとは直接の関連は無い。

概要[編集]

意識身体ギャップを埋め、言葉または音楽を全身の動きに変換し、内臓ミクロコスモス)を動かすエネルギー惑星マクロコスモス)を動かすエネルギーを関連付ける。 また、言葉または音楽の持つエネルギーを身体表現によって具象化する。 子音母音には、一つずつ動きが定められており、子音の動きと母音の動きを組み合わせることで、言語を立体的に表現することを可能としている。

オイリュトミーは運動であるが、英語ではplayを使わずdo-する、行うと表現する。ダンスにも見えるが、厳密には「オイリュトミーを踊る」という表現は適切でないとされている。

分類[編集]

舞踏芸術の一種としての芸術オイリュトミー、教育の課程としての教育オイリュトミー、療育的な観点から行われる治療オイリュトミー、職場で行われるソーシャルオイリュトミーなどがある。 それぞれに、音楽とともに行うものと、言葉(詩の朗読など)とともに行うものがある。

専門家の養成[編集]

オイリュトミーの専門家をオイリュトミストという。日本人初のオイリュトミストとされているのが、ミュンヘンオイリュトミー学校で学んだ上松恵津子である。

ほかに舞踏家笠井叡がドイツでオイリュトミーを学んだ。彼の次男・笠井禮示も同じくオイリュトミストとして活動を展開している、2010年現在日本には70名ほどのオイリュトミストがいるとされている。 ただし、免許皆伝になるためにはゲーテアヌムでの最終発表の卒業試験が必須である。

オイリュトミーのもっとも基礎的なものとして位置づけられているのは教育オイリュトミーである。 教育オイリュトミーはスイスドルナッハにあるルドルフ・シュタイナーが創設した大学であるゲーテアヌム精神科学自由大学(通称:ゲーテアヌム)の芸術部門にて学ぶ事ができる。以下、ゲーテアヌムのオイリュトミスト養成課程の凡例を示す。

本科は4−5年間学び、それからさらに3年学ぶことでステージオイリュトミストになることができる。

本科を卒業したものだけが次の段階に進め、芸術オイリュトミストになりたいものはその専門コースでさらに3年学ぶ。

治療オイリュトミストになりたいものはその専門コースでさらに2年学ぶ。

教育オイリュトミーの実践[編集]

シュタイナー教育を実践している幼稚園小学校中学校高等学校において、専科の科目として行われている。日本国内においては、シュタイナー学園初等部・中等部や、いずみの学校初等部・中等部をはじめとするいわゆるシュタイナー学校において実践されている。

芸術オイリュトミーの実践[編集]

芸術オイリュトミーは、オイリュトミストがソロ、あるいは集団で行うものである。スイスのドルナッハ、ドイツシュトゥットガルトオランダハーグイギリスロンドンなどには、大規模なオイリュトミストのグループが存在する。

通常は、音楽を伴うオイリュトミーと言葉を伴うオイリュトミーは分けて行われるが、稀に、音楽と言葉を融合した形である声楽曲によるオイリュトミーも行われる。

治療オイリュトミーの実践[編集]

治療オイリュトミストになるとアントロポゾフィー医師とともに治療にあたる。かならず医師の診断のもとに患者にオイリュトミーの処方箋が出され、それにもとづきセラピストとともに患者はオイリュトミーを動く。

関連項目[編集]