エドワード・アーディゾーニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エドワード・アーディゾーニ(Edward Jeffrey Irving Ardizzone, CBE RA 1900年10月16日 - 1979年11月8日[1])は、英国の画家・絵本作家。

略歴[編集]

父はフランス国籍のイタリア人で、母はスコットランド系イギリス人[2][3]仏領インドシナ(ベトナム)のトンキン州ハイフォン[3]に生まれた。1905年、母とともに英国に渡り、サフォークで育つ[3]。ウェストミンスター芸術学校の夜学に学び[4]、1922年に英国の市民権を得た。1926年に勤めをやめ、画業に専念する。

1929年にシェリダン・レ・ファニュの作品の挿絵を描き、ジョニー・ウォーカーの宣伝の絵などを描く。1936年に、最も知られたチムシリーズの最初の一巻『チムとゆうかんなせんちょうさん』を出版する[2]。息子のフィリップのために描かれた絵本だった[5][6]。第二次大戦中は戦争芸術家に任命され[1]、英国軍の撤退などを記録した。

戦後はフリーとして、「ストランド・マガジン」の表紙を描き、ウィンストン・チャーチルの肖像画を描いたり、自作のみならず他の児童文学作家の絵本の絵も描いた。1956年、『チムひとりぼっち』で第1回ケイト・グリーナウェイ賞を受賞[1]

日本語訳[編集]

  • 『チムとゆうかんなせんちょうさん』文・絵, 瀬田貞二 訳. 福音館書店, 1963
  • 『チムひとりぼっち』作・絵, 神宮輝夫 訳. 偕成社, 1968
  • 『チムのいぬトーザー』作・絵, 神宮輝夫 訳. 偕成社, 1968
  • 『ルーシーのしあわせ』ただひろみ 訳. 冨山房, 1976.2
  • 『チムともだちをたすける』さく・え, 瀬田貞二 やく. 福音館書店, 1979.6
  • 『チムのさいごのこうかい』さく・え, 渡辺茂男訳. 瑞木書房, 1981.5
  • 『チムふねをすくう』さく・え, わたなべしげお やく. 瑞木書房, 1982.8
  • 『時計つくりのジョニー』あべきみこ 訳. こぐま社, 1998.7
  • 『コックのジンジャー チムもうひとつのものがたり』チムシリーズ 中川千尋訳. 福音館書店, 2001.10
  • 『ダイアナと大きなサイ』あべきみこ 訳. こぐま社, 2001.10
  • 『チム、ジンジャーをたすける』チムシリーズ ; 3) なかがわちひろ 訳. 福音館書店, 2001.6
  • 『チムとルーシーとかいぞく』チムシリーズ ; 2) なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.6
  • 『エドワード・アーディゾーニ友へのスケッチ』ジュディ・テイラー 編, 阿部公子 訳. こぐま社, 2001.6
  • 『チムとシャーロット』チムシリーズ ; 4) なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.7
  • 『チムききいっぱつ』チムシリーズ ; 5) なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.7
  • 『チムひとりぼっち』チムシリーズ ; 6 なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.7
  • 『チムのいぬタウザー』チムシリーズ ; 7)なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.9
  • 『チムひょうりゅうする』チムシリーズ ; 8) なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.9
  • 『チムとうだいをまもる』チムシリーズ ; 9) なかがわちひろ やく. 福音館書店, 2001.9
  • 『あかいえのぐ』津森優子 訳. 瑞雲舎, 2014.5
  • 『エドワード・アーディゾーニ若き日の自伝』阿部公子 訳. こぐま社, 2015.5

他人の作品[編集]

  • エリナー・ファージョン『ムギと王さま』岩波少年文庫 石井桃子 訳, エドワード・アーディゾーン 絵. 岩波書店, 1959
    • 『年とったばあやのお話かご (ファージョン作品集 ; 1) 石井桃子 訳, エドワード・アーディゾーニ 絵. 岩波書店, 1970
    • 『イタリアののぞきめがね (ファージョン作品集 ; 2) 石井桃子 訳, エドワード・アーディゾーニ 絵. 岩波書店, 1970
  • フィリッパ・ピアス『ハヤ号セイ川をいく』足沢良子 訳, E.アーディゾーニ 絵. 講談社, 1974
  • 『まいごになったおにんぎょう』 A.アーディゾーニ 文, E.アーディゾーニ 絵, 石井桃子 訳. 岩波書店, 1983.11

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 『世界児童・青少年文学情報大事典 第1巻』勉誠出版、2000年、68-70頁。ISBN 4585060219NCID BA47388068 
  2. ^ a b 日本児童文学学会 編『児童文学事典』東京書籍、1988年、17頁https://alc.chiba-u.jp/cl/index.html#%E3%81%82 
  3. ^ a b c エドワード・アーディゾーニ 著、阿部 公子 訳『エドワード・アーディゾーニ 若き日の自伝』こぐま社、2015年、5頁。ISBN 9784772190565NCID BB18889715 
  4. ^ エドワード・アーディゾーニ 著、阿部 公子 訳『エドワード・アーディゾーニ 若き日の自伝』こぐま社、2015年、163頁。ISBN 9784772190565NCID BB18889715 
  5. ^ エドワード・アーディゾーニ 著、阿部 公子 訳『エドワード・アーディゾーニ 若き日の自伝』こぐま社、2015年、165頁。ISBN 9784772190565NCID BB18889715 
  6. ^ 吉田新一 (2006年). “エドワード・アーディゾーニ 含 文献目録 (平成18年度国際子ども図書館児童文学連続講座講義録 絵本の愉しみ--イギリス絵本の伝統に学ぶ)” (PDF). 国立国会図書館国際子ども図書館. p. 60. 2021年2月13日閲覧。