アーミーナイフ

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アーミーナイフ英語: Army Knife)は、軍隊制式採用している、戦闘以外の日用的な用途に使用するためのツールナイフを指す俗称である。

直訳すると「陸軍ナイフ」や「軍用ナイフ」になることから、戦闘にも用いられるものであると混同されることがあるが、近接戦闘(白兵戦)に用いられる戦闘用ナイフは「ファイティングナイフ (Fighting Knife)」と呼ばれ、日用品としてのアーミーナイフとは別物である。なお、「蛮刀」はとして用いる日用品的な性格と、戦闘用としての性格の両面を持つ。

キャンピングナイフ多機能ナイフ十徳ナイフ(じっとくナイフ、じゅっとくナイフ)または、機能数に応じて○徳ナイフと呼ばれることもある。また、マルチツールという呼び方もある。

概要[編集]

ビクトリノックスの軍隊向け製品
アーミーナイフの缶切り
左・押し切りタイプ
中央・引き切りタイプ
右・一般的缶切り(引き切り)

軍隊向けの製品では、糧食を食べるためのナイフ缶切り栓抜き小銃の分解整備など装備のメンテナンスに使用するドライバーリーマーなどの機能がついたものが一般的であり、軍隊生活において必要となる工具を可能な限りコンパクトに持ち運べるようになっている。ブレードは耐久性に優れたステンレス鋼製で高い強度を持ち、鏡面仕上げとなっている場合もある。開いたブレードを完全に固定するロック機構を持たない製品が多い。

一般ユーザーにも、短期間の野外生活などのアウトドアにおいて必要となる器具をまとめたコンパクトなフォールディングナイフとして、広く使用されている。

一般向け製品[編集]

軍用品から派生した一般ユーザー向けの多機能な折り畳みナイフもある。一般向けには、軍隊で必要な機能のみならず、釣り用の針外しや鱗落とし、やすり虫眼鏡太陽光を集めて火をつけることができる)・ペンチ・筆記用具・方位磁針爪楊枝、発光ダイオード使用の懐中電灯USBメモリーなど、様々な道具が組み込まれている製品などが多岐に渡って販売されている。

この分野でも世界市場においてはスイスのビクトリノックスによるものが有名である。この他にも米国のバックカミラス、日本の関市にある大小のナイフメーカーでも同種の製品が数多く生産されている。

歴史[編集]

19世紀末、国民皆兵制をとるスイスで、今日のビクトリノックスやウェンガースイス軍の装備として製造を開始したのが発祥である。今日でも圧倒的なシェア・高品質を誇る両社の製品が世界的によく知られており、「スイス・アーミーナイフ」と呼ばれている。なお、このウェンガーは2005年にビクトリノックスの傘下となっている。

現在では、大抵の軍隊において標準装備として様々なメーカーの製品が採用されている。

古代ローマの遺物と見られるものの中に、今日販売されている製品によく似た物が見られる[1]

日本における法規制[編集]

アーミーナイフを日常的に持ち歩くことは、日本国内では『正当な理由』が無い場合、違法と警察官が判断する可能性がある。アーミーナイフの刃渡りは、概ね5 - 6 cm程度もしくはそれ以下なので、日本でも銃砲刀剣類所持等取締法第2条2項「刃渡り6センチメートル以上を有するナイフなどを正当な理由なく持ち歩いてはならない」に関しては問題ないが、軽犯罪法第1条第1項の「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処する」に、また多くの都道府県の迷惑防止条例では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、刃物、鉄棒、木刀その他人の身体に危害を加えるのに使用されるような物を、公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない」に、それぞれ抵触する可能性がある。

このため、ナイフが含まれていない製品もあるが、工具の付属した物では特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に抵触する可能性もある。

東日本大震災被災地における取り調べの事例[編集]

東日本大震災の被災地・宮城県仙台市若林区において、がれきの撤去作業を行っていたボランティアが、宮城県警察の応援で派遣されていた警視庁の警察官による職務質問で、刃渡り8.9センチメートルの十徳ナイフを持っていたことが判明、所持に正当な理由がないと警察官に判断され、説明も無いまま仙台南警察署に連行し、銃刀法違反で約3時間に渡り事情聴取を受け、十徳ナイフを一時没取された事例もある(後に弁護士と共同で警察に抗議し、十徳ナイフは返却された)[2]

なお、警視庁災害対策課震災警備係が作成した「地震の時はこうしよう」と言うページ中では、非常持ち出し品として「多機能ナイフ」を掲載していた[注 1]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2012年8月25日現在の内容で確認できる[3]が、約1か月後の同年9月27日にはページが更新されており、ナイフや包丁の類が削除された[4]

出典[編集]

  1. ^ 遠藤充 (2010年2月2日). “ローマ帝国謹製。世界最古の万能ナイフ”. メディアジーン. 2015年5月16日閲覧。
  2. ^ 大野孝志 (2012年1月19日). “取り調べ3時間 なぜだ 「被災地の実情無視」”. 東京新聞TOKYO Web (中日新聞社). オリジナル2012年2月17日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120217172958/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012011902000184.html 2012年1月19日閲覧。 
  3. ^ 地震のときはこうしよう”. 警視庁. 2012年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月16日閲覧。
  4. ^ 地震のときはこうしよう”. 警視庁. 2012年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月16日閲覧。

関連項目[編集]