アルベゾン閃石

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アルベゾン閃石
カナダケベック州モンテレジー地域モン・サンチレール プードレット採石場産
カナダケベック州モンテレジー地域モン・サンチレール プードレット採石場産
分類 ケイ酸塩鉱物
シュツルンツ分類 09.DE.25
Dana Classification 66.01.03c.09
化学式 NaNa2(Fe2+4Fe3+)Si8O22(OH)2
結晶系 単斜晶系
晶癖 繊維状で放射状に集合
双晶 単晶か[100]面で層状に結合
へき開 [110]方向に完全
断口 不平坦
粘靱性 脆い
モース硬度 5–6
光沢 ガラス光沢
黒色、薄い縁は暗緑色
条痕 濃紺または緑がかった灰色
透明度 半透明 - 不透明
比重 3.3 – 3.5
光学性 二軸性 (-)
屈折率 nα = 1.652–1.699
nβ = 1.660–1.705
nγ = 1.666–1.708
複屈折 δ = 0.014
多色性 強く、青緑色 - 黄褐色 - 灰紫色に変化する
分散 r > v strong
文献 [1][2][3][4]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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アメリカ合衆国ニューハンプシャー州

アルベゾン閃石[5](アルベゾンせんせき、arfvedsoniteアルベゾナイト)は、鉱物ケイ酸塩鉱物)の一種。化学組成は NaNa2(Fe2+4Fe3+)Si8O22(OH)2結晶系単斜晶系角閃石グループの鉱物。

産出地[編集]

主な主産地はグリーンランドフィンランドノルウェーコラ半島カナダアメリカ合衆国中国モンゴルなどにも出る。

性質・特徴[編集]

モース硬度は6。

用途・加工[編集]

光の干渉による金色ブルーのハネが美しいものを、タンブルにしたり、丸玉などに加工されている。ネット上でも「ヌーマイト」と呼ばれているが、これは短い光る破片が特徴であり、全くの別物である。また、「藍針ルチル虎目石」「虎目石タイチンルチル」などのフォールス・ネームも付けられて出回っている。

星葉石英語版(アストロフィライト、(K,Na)3(Fe,Mn)7Ti2Si8O24(O,OH)7)がアルベゾン閃石と共生していることがあり、その外観なども似ていることから、星葉石として虚偽表示されることがある。

サイド・ストーリー[編集]

1823年に発見され、鉱物名はスウェーデン化学者ヨアン・オーガスト・アルフェドソンに由来する。

脚注[編集]

  1. ^ Arfvedsonite (PDF) . Handbook of Mineralogy (英語)
  2. ^ Arfvedsonite (英語), MinDat.org, 2012年4月10日閲覧 (英語)
  3. ^ Arfvedsonite (英語), WebMineral.com, 2012年4月10日閲覧 (英語)
  4. ^ 松原聰宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会国立科学博物館叢書〉、2006年、8頁。ISBN 978-4-486-03157-4 
  5. ^ 文部省編『学術用語集 地学編日本学術振興会、1984年、3頁。ISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]