アミール・ウェブ

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アミール・ウェブ Portal:陸上競技
Ameer Webb Rio2016b.jpg
選手情報
ラテン文字 Ameer Webb
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 100m, 200m
大学 アメリカ合衆国の旗 テキサスA&M大学
生年月日 (1991-03-19) 1991年3月19日(29歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 カリフォルニア州カーソン
身長 181cm
体重 82kg
成績
オリンピック 200m 準決勝2組6着 (2016年)
世界選手権 200m 5位 (2017年)
国内大会決勝 全米選手権
200m 優勝 (2017年)
自己ベスト
60m 6秒58 (2017年)
100m 9秒94 (2016年)
9秒90w (2016年)
200m 19秒85 (2016年)
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アミール・ウェブAmeer Webb1991年3月19日 ‐ )は、アメリカ合衆国カーソン出身の陸上競技選手。専門は短距離走100mで9秒94、200mで19秒85の自己ベストを持つ。2017年ロンドン世界選手権男子200mのファイナリスト(5位)である。

経歴[編集]

高校時代まで[編集]

カリフォルニア州カーソンに生まれ[1]南カリフォルニアタスティン英語版で育った[2]。祖父はテキサス州の220yチャンピオン、父はカリフォルニア州で活躍したスプリンターで、スプリンターの遺伝子を受け継いだウェブもタスティン高校 (Tustin High School時代には2年連続で100mと200mのカリフォルニア州タイトルを獲得するなど活躍した。しかし、NFLデンバー・ブロンコスの熱狂的ファンのウェブは陸上競技よりもアメリカンフットボールに情熱を注ぎ、その快足を生かしランニングバックで活躍した[2]

大学時代[編集]

セリトス大学 (Cerritos Collegeでもアメリカンフットボールに取り組んだが、ディフェンシブサイドへのポジション転向を試みるも上手くいかなかった[2][3]。しかし、陸上競技では100mで10秒16、200mで20秒33の大学記録を樹立し、両種目でカリフォルニア州コミュニティカレッジのチャンピオンに輝いた[4]

陸上競技に専念することを決めたウェブ2011年末にテキサスA&M大学へ進むと[2]、在籍した2シーズンの間に全米学生室内選手権男子200mを連覇、全米学生選手権男子200mで優勝(2位が1回)するなど、200mで全米学生チャンピオンに3回輝いた。全米学生室内選手権初優勝を果たした2012年大会では予選で今季室内世界最高記録となる20秒39、連覇を果たした2013年大会では予選で室内全米歴代10位・室内全米学生歴代8位(ともに当時)の20秒37をマークした[5]

6月下旬の全米選手権男子200m決勝では20秒20(+1.6)の自己ベスト(当時)をマークするも5位(当時)に終わり[6]モスクワ世界選手権アメリカ代表の座を0秒10差で逃した[注 1]

プロ時代[編集]

2014年[編集]

世界大会デビューとなった5月の世界リレー男子4×200m決勝でアメリカチームの3走を務めたが、2走のカーティス・ミッチェルとのバトン交換で違反があったため、アメリカチームは1分20秒61で3位に入ったものの失格に終わった[7]

2015年[編集]

6月の全米選手権男子200mでは2年ぶりに決勝に進出するも20秒30(+0.4)の6位に終わり、表彰台および北京世界選手権アメリカ代表には0秒20届かなかった[8]。今シーズンはきつい練習もこなし、やるべき事をすべてやって臨んだ結果が6位ということにショックだったウェブは陸上競技をやめて警察官に転職することを検討したが、陸上競技をやめることはできなかった[2]

2016年[編集]

4月9日のSun Angel Track Classic男子100mで9秒台に迫る10秒03(+1.1)の自己ベスト(当時)をマークすると、1週間後の16日に行われたマウント・サック・リレー (Mt. SAC Relaysでは、男子100mは追い風参考記録ながら9秒90(+2.4)、男子200mは自身初の19秒台となる19秒91(+1.0)をマークした[9][10]

5月6日のダイヤモンドリーグドーハ大会男子200mで19秒85(+1.9)をマークし、自己ベストを0秒06、大会記録を0秒17更新してダイヤモンドリーグ初優勝を飾った[11]。6月2日のダイヤモンドリーグ・ゴールデンガラ・ピエトロ・メンネアでは男子200mを20秒04(+0.6)で制すると、80分後に行われた男子100mは0秒01差で優勝こそ逃したものの9秒94(+1.0)の自己ベストをマークし、公認記録で初めて10秒の壁を突破した[2]

7月の全米選手権男子200mは予選を20秒27(+0.9)、準決勝を全体2位の19秒97(+1.4)で突破すると、迎えた決勝ではジャスティン・ガトリン(19秒75)、ラショーン・メリット(19秒79)に次ぐ20秒00(+1.6)で3位に入り、リオデジャネイロオリンピックアメリカ代表の座を掴んだ[12]。8月のリオデジャネイロオリンピック男子200mにはラショーン・メリット(19秒74)、ジャスティン・ガトリン(19秒75)に次ぐ今季世界ランク3位(19秒85)として臨むと[13]、4レーンからのスタートとなった予選は直線に入って組2着以内(着順で準決勝に進出できる)を確信したが、大外(8枠)から追い上げてくる選手に気づかず20秒31(-0.2)で3着に終わった[14]。タイムで拾われる最後の枠にギリギリ滑り込み準決勝進出は果たしたものの、2レーンからのスタートとなった準決勝は20秒43(-0.3)の組6着に終わり、決勝に進出することはできなかった[15]

2017年[編集]

3年ぶり2回目の出場となった4月の世界リレーでは男子4×200mでアメリカチームのアンカーを務めると、優勝したカナダには0秒46及ばなかったものの1分19秒88で銀メダル獲得に貢献した[16]

6月25日の全米選手権男子200m決勝ではクリスチャン・コールマンをフィニッシュ直前でかわし(0秒01差)、20秒09(-2.3)で初優勝を飾るとともにロンドン世界選手権アメリカ代表の座を掴んだ[17]。迎えた8月のロンドン世界選手権男子200mでは決勝に進出し、20秒26(-0.1)で5位に入った[18]

自己ベスト[編集]

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒94 (+1.0) 2016年6月2日 イタリアの旗 ローマ
9秒90w (+2.4) 2016年4月16日 アメリカ合衆国の旗 ウォルナット 追い風参考記録
200m 19秒85 (+1.9) 2016年5月6日 カタールの旗 ドーハ
室内
60m 6秒58 2017年2月4日 アメリカ合衆国の旗 フラッグスタッフ
200m 20秒37 2013年3月8日 アメリカ合衆国の旗 フェイエットビル

主要大会成績[編集]

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2014 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 決勝失格 DQ (3走)
2015 北中米カリブ選手権 (en コスタリカの旗 サンホセ 200m 準決勝3組4着 20秒91 (+0.8)
2016 オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 200m 準決勝2組6着 20秒43 (-0.3)
2017 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 2位 1分19秒88 (4走)
世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 200m 5位 20秒26 (-0.1)

ダイヤモンドリーグ[編集]

優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2016 ドーハダイヤモンドリーグ カタールの旗 ドーハ 200m 19秒85 (+1.9) 自己ベスト
ゴールデンガラ・ピエトロ・メンネア イタリアの旗 ローマ 200m 20秒04 (+0.6)
2017 ミュラーアニバーサリーゲームズ イギリスの旗 ロンドン 200m 20秒13 (-0.7)

全米タイトル[編集]

優勝した全米大会を記載

大会 場所 種目 記録 備考
2012 全米学生室内選手権 ナンパ 200m 20秒57 予選20秒39:自己ベスト
2013 全米学生室内選手権 フェイエットビル 200m 20秒42 予選20秒37:室内全米歴代10位・室内全米学生歴代8位
全米学生選手権 ユージーン 200m 20秒10 (+2.6)
2017 全米選手権 サクラメント 200m 20秒09 (-2.3)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 優勝したタイソン・ゲイがドーピング検査で陽性反応が出たためモスクワ世界選手権に出場することができず、代わりに20秒10で4位に入ったウォーレス・スピアモンがアメリカ代表に選出された。後にタイソン・ゲイの記録は抹消された。

出典[編集]

  1. ^ Ameer Webb”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2017年6月2日). 2017年6月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Fast Like Webb”. 国際陸上競技連盟・SPIKES (2016年7月18日). 2017年6月2日閲覧。
  3. ^ Sprinter Ameer Webb's path to Rio Olympics went through Cerritos College”. ロサンゼルス・タイムズ (2016年8月27日). 2017年6月2日閲覧。
  4. ^ Former Falcon Ameer Webb sets world-leading time”. セリトス大学・アスレチックス (2013年3月13日). 2017年6月2日閲覧。
  5. ^ Ameer Webb defends NCAA Indoor 200 title, sets world leading time”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2013年3月9日). 2017年6月2日閲覧。
  6. ^ Sam Humphreys breaks javelin record, qualifies for World Championships”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2013年6月23日). 2017年6月2日閲覧。
  7. ^ Jeneba Tarmoh part of USA winning effort in 4x100 at IAAF World Relays”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2014年5月24日). 2017年6月2日閲覧。
  8. ^ A&M's Shamier Little adds USATF 400 Hurdles title to her collection”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2015年6月28日). 2017年6月2日閲覧。
  9. ^ World leads for Cabral and Prandini at Mt SAC Relays”. 国際陸上競技連盟 (2016年4月17日). 2017年6月2日閲覧。
  10. ^ New talent takes on the old guard over 100m in Eugene – IAAF Diamond League”. 国際陸上競技連盟 (2016年5月17日). 2017年6月2日閲覧。
  11. ^ Brooks upsets the favourites in Doha – IAAF Diamond League”. 国際陸上競技連盟 (2016年5月6日). 2017年6月2日閲覧。
  12. ^ 2016年全米陸上競技連盟フルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月2日閲覧。
  13. ^ Preview: mens 200m – Rio 2016 Olympic Games”. 国際陸上競技連盟. 2016年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月2日閲覧。
  14. ^ Ameer Webb advances to Olympic 200m semifinal, Lindon Victor set for decathlon”. テキサスA&M大学・アスレチックス (2016年8月16日). 2017年6月2日閲覧。
  15. ^ 第31回オリンピック男子200m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年6月2日). 2017年6月2日閲覧。
  16. ^ 2017年世界リレー男子4×200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年6月2日). 2017年6月2日閲覧。
  17. ^ Muhammad wins historic 400m hurdles race at US Championships”. 国際陸上競技連盟 (2017年6月25日). 2017年6月26日閲覧。
  18. ^ 2017年世界選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月11日). 2017年8月11日閲覧。

外部リンク[編集]

記録
前年:
アメリカ合衆国の旗 ラキーム・サラーム英語版
(20秒39)
2011年
男子200m
シーズン室内世界最高記録保持者
(20秒39・20秒37)

2012年・2013年
後年:
アメリカ合衆国の旗 ディオンドレ・バトソン
(20秒32)
2014年