アパシー・シリーズ

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アパシー・シリーズ』 (Apathy Series) は1995年バンプレストから発売されたSFCアドベンチャーサウンドノベル)ソフト『学校であった怖い話』を起点として展開されるアドベンチャー及びそのシリーズ作品の総称。「アパシー」とは無気力・無関心を意味する精神医学用語である。

『学校であった怖い話』はパンドラボックスが開発を行っていたが、同社は後の低価格路線の失敗により、同作品のメインシナリオライターを務めた飯島健男と共に活動を休止。同社は8年に渡り休眠状態にあったが、突如飯島は飯島多紀哉と改名、活動を再開した。その活動の一環で『学校であった怖い話』の復活、ひいては同シリーズの立ち上げを宣言した。以後の開発 / 著作はパンドラボックスの版権を受け継いだ新会社シャノン及び同人サークル七転び八転がりが受け継ぐこととなる。

概要[編集]

シリーズの原点である『学校であった怖い話 (S) (以下、旧作)』の世界観は莫大な数の分岐と文章量に裏付けされた、大仰に述べれば、永劫回帰とも取れるループ世界である。その内容は「学校」という特定の空間に絞った濃密な怪談集であり、飯島の命題である「幽霊などより一番恐ろしいのは人間である」との提言のもと、展開されたものである。また、怖い話を聞くのに七人集めたのになぜか集合場所には六人しかいなかった……という展開は、個々の話をただの噂として完結させることが出来るため、サウンドノベルに付き物の矛盾を発生させにくい。

この世界観は飯島本人も気に入るところであり、2007年時より作品世界の新たな展開のため、新たな設定を付け加え、旧作の世界を内包するアパシー・シリーズの制作を発表した。なお、シリーズの持つもう一つの側面として、選択肢ひとつで設定が激変する無数のパラレルワールドであることが挙げられる。その性質を活かして、作品間の緩やかな結合の下で柔軟に個々の作品の規模を膨らませている。また、すべての結末は等価であるとされており、シリーズにおいてはいわゆる正史と呼ばれるものが存在しない。これは、旧作の時点でも明言されている。

なお、ネームバリューのある学校であった怖い話のタイトル名を使用しなかったのは『学校であった怖い話』制作に当たってバンプレストとパンドラボックス間に結ばれた版権契約がゲーム本体 (SFC,PS) がバンプレスト、ゲームから派生する二次的著作権がパンドラボックス側に帰属するという変則的なものであったため。タイトル使用を自粛こそしたが、バンプレストとシャノンの関係は極めて良好であり、あくまでこの動きは版権を受け継いだシャノンサイドの自主規制である。

生徒数数千人を越えるマンモス校とのみ表記されていた舞台は千葉県松戸市郊外に存在する架空の学校「私立鳴神学園」と再設定がなされた。アパシー・シリーズとは鳴神学園を舞台もしくは要素として含み、展開される十種以上の単独作品からなる統一世界(総称)である。

これによって、作品世界を『学校であった怖い話』の舞台である「七不思議の集会」に限定せず、様々なシチュエーションにおいて登場人物を展開させることを想定している。現時点ではプロット段階であるが、徐々に作品化が進められており、クロスオーバーやリンクを展開する予定。

また、同人ゲームと商用ゲームの両立を掲げているのも特徴である。殺人を筆頭とする犯罪行為・食人・同性愛など際どい表現が多い作品は同人、それ以外は商業と分けられている。

作品紹介[編集]

旧作[編集]

版権がバンプレストに帰属する作品群。『VNV』に関しては前身となる小説版を含め、シャノン側に版権が帰属するが、シリーズ立ち上げ以前に制作されたため、便宜上この項に記す。なお、『VNV』発売以降、学怖の舞台「鳴神学園」を軸とし展開される物語はすべてアパシー・シリーズと呼称されることになったが、著作の都合上、『学怖 (S) 』の舞台はあくまで生徒数数千人を越える某マンモス高校とされたままである。

学校であった怖い話
略称は「学怖」など。アパシー・シリーズの原点。『晦』及びPS版にて使用されるシステムは概ね完成を見ている。
学校であった怖い話S
新シナリオ、新主人公を追加し、グラフィックを一新した『学校であった怖い話』のPS移植版。
アパシー 学校であった怖い話 〜Visual Novel Version〜
略称は『VNV版』。ログアウト冒険文庫より出版された小説版学怖を選択肢なしのデジタルノベルとして同人ゲーム化したもの。なお、PS版にて飯島多紀哉がノータッチであった女性主人公倉田恵美を主人公とした選択肢ありの新シナリオ「恵美ちゃんの坂上クン観察日記」も追加している。これがファンに対する、新たな性格に設定された女性主人公の初お披露目となった。また、語り部達のプロフィールもこの作品が初出となっている。
さらに、BGMにバンプレストの許諾を得たうえで「学校であった怖い話」に使用された楽曲をアレンジして使用している。
アパシー 学校であった怖い話1995 〜Visual Novel Version〜 新装版
2008年4月25日発売の同人ゲーム作品。上記作品のBGM・グラフィックを差し替え、新規シナリオを追加したマイナーチェンジ版。上記とは異なり、横書き表記を採用。
アパシー 学校であった怖い話1995
新装版と同日発売。要望の高かった小説版を文庫形式として発刊した同人誌。新規シナリオも追加している。
アパシー 学校であった怖い話1995 〜Visual Novel Version〜 鬼哭ノ章
『AMC vol.2』に収録された同人ゲーム作品。『新装版』と同じフォーマットを採用している。
アパシー 学校であった怖い話1995 特別編

鳴神学園1995[編集]

この項に記すのは主に「鳴神学園1995」を冠する作品群。旧作に近しい時間軸である1995年を舞台として扱っている。

AMC vol.1 恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記
『AMC vol.1』に収録された同人ゲーム作品。
アパシー 鳴神学園七不思議1995 最終版(ファイナル・ヴァージョン)
発売未定の同人ゲーム作品。学校であった怖い話Sのシナリオ数を越える究極の分岐数と銘打ち、一般からのシナリオ募集を行った。当初は2008年8月発売予定だったが、諸般の事由により、延期された。
なお、今後の「学校であった怖い話」はアパシー・シリーズの世界観に内包されるため、「鳴神学園七不思議1995」と銘打ち発表される。本作の最終版とはその再定義の一環である。

学恋・シリーズ[編集]

学校であった恋い話 
2008年12月29日発売の同人ゲーム作品。シリーズ初の恋愛シミュレーション作品である。
学恋2〜運命愛は命がけ〜
2009年5月3日発売の同人ゲーム作品。
学恋 〜愛と呪いとヴァレンタイン〜
2009年12月30日発売予定の同人ゲーム作品。

ミッドナイト・コレクション[編集]

略称はミッコレ、AMC、MNC等。『アパシー レンタル家族』に関しては、当初『ミッドナイト・コレクション vol.02』に収録されると発表されたため、便宜上この項に記す。

アパシー ミッドナイト・コレクション vol.1
2007年12月29日発売の同人ゲーム作品集。収録作品は「鳴神学園1995 恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記」・「送り犬」・「柱の傷」。
また、『VNV版』を関西弁とし、新規書き下ろしたシナリオパッチ等も収録する。
送り犬
2009年1月30日より、NTTドコモiアプリFOMA90xシリーズ)で携帯アプリ版が配信されている。単純な移植でなく、新規キャラクターおよび三つの新規ルートが追加されている。
アパシー レンタル家族
2008年6月27日発売の同人ゲーム作品。シリーズ中珍しく、ホラー要素が一切含まれない作品。
アパシー ミッドナイト・コレクション vol.02
2008年8月16日発売の同人ゲーム作品集。収録作品は「アパシー 学校であった怖い話1995 〜Visual Novel Version〜 鬼哭ノ章」・「Apathy 鳴神学園都市伝説探偵局」。

探偵局・シリーズ[編集]

アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局
アークシステムワークスより2007年10月25日に発売されたニンテンドーDSADVゲーム。開発はディー・イー・エル、原作 / 脚本は飯島多紀哉。今作品で設定された網目模様や巫女装束の白衣に使われる文様を使用したセーラー服や学園のロゴを強調した男子制服は今後の作品で継続して使用されている。
Apathy 鳴神学園都市伝説探偵局
『AMC2』に収録された同人ゲーム作品。主人公である賽臥隆恭以外の視点で展開する外伝的性格の強い作品である。

2008・シリーズ[編集]

アパシー 鳴神学園七不思議2008
2006年末より発刊中の同人誌『センス・オブ・ワンダー』にて連載中の作品。飯島多紀哉曰く、この作品を「学校であった怖い話」の直接の続編として、数々の分岐を発生させ、単独作品を制作することを計画している。現に、本作において鳴神学園都市伝説探偵局で登場した語り部達の一年後の姿を見ることが出来る。センス・オブ・ワンダーVol.05が2007年の初夏に発売予定となっていたが、発売されずにoni零と同様に4まで終了となっている。
題について当初は「アパシー 学校であった怖い話2008」であったが、アパシー・シリーズ立ち上げに当たり変更された。
アパシー 学校であった怖い話2008
上記同人誌『センス・オブ・ワンダー』Vol.01 - 04より、上記作品のみを抜粋し、文庫サイズ (A6) とした同人誌。価格は1,000円。

その他[編集]

『晦-つきこもり』『四八(仮)』はアパシーの舞台である鳴神学園を取り扱ったものではないが、共通項があるため、姉妹作として取り扱われることもある。

晦-つきこもり
『学校であった怖い話 (S) 』とシステムを同じくする作品。
飯島多紀哉が担当したのは人物設定とOPシナリオのみ。現在の飯島多紀哉が晦を制作すると仮に想定するなら、1980年時の庚申講を舞台として使用する可能性があるとのこと。
四八(仮)
『学校であった怖い話 (S) 』から、千葉県シナリオに主人公と語り部達がゲスト出演。鳴神学園自体は登場しないため、シリーズとは無関係とされる。
アパシー 流行り神
アパシー・シリーズと『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』のキャラクターが共演する同人ゲーム作品。

登場人物[編集]


時間軸[編集]

旧作において、明確な時間軸の記述はされていない。なお、同じ舞台を持つ旧作と「鳴神学園1995」を冠するシリーズを結びつけ、前者の年代を1995年とする意見も存在するが、それは当たらない。確かに、旧作で使用された七不思議の集会と言う舞台も最終版において明確に組み込まれる形となったが、「鳴神学園1995」という冠題と「七不思議の集会」というキーワードはそれ以前から使用されており、最終版=旧作という図式は鳴神学園の有無を別にしても当てはまらない。

また、無数のパラレルワールドによって構成されたシリーズであるが、一部作品はアパシー 鳴神学園七不思議2008へとつながる歴史を想定した上で、シナリオを構築している感が強く、ある程度は一貫した歴史の下、展開されている。よって、以下に一応の事実を羅列することは可能である。

ただし、これらの記述は完全に一貫した歴史の下にあると限らないので注意が必要。先に述べた通り、例として挙げた1995年度から2008へとつながる歴史一つを取っても、それは無数に存在する分岐一つに過ぎないため。有力なシナリオが正史と勘違いされがちなアパシー・シリーズであるが、旧作を含め、シリーズはすべての分岐、それによって生じる結末を等価として扱っている。

1995年度
2006年度
2007年度
2008年度

外部リンク[編集]