うけい
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うけい(うけひ)は、古代日本で行われた占いである。宇気比、誓約、祈、誓などと書く。
概要[編集]
ある事柄(例えば「高天原を訪れた須佐之男命に邪心があるかどうか」)について、『そうならばこうなる、そうでないならば、こうなる』とあらかじめ宣言を行い、そのどちらが起こるかによって、吉凶、正邪、成否などを判断する。
例[編集]
日本神話では、重要な場面で誓約が行われている。
- 地上から高天原に登ってきた須佐之男命に、『高天原を奪う等という邪心のないこと』を天照大御神に示すために誓約が行われている(アマテラスとスサノオの誓約)。
- 葦原中国平定において、天若日子に与えた矢が、高天原に飛んで来たのを見て、『それが蘆原中国を平定するために射られた矢なのか』を判断するために誓約が行われている。
- 高木神は、「もしそうなら天若日子に当たるな、そうでないなら天若日子に当たれ」と宣言して、矢を下界に落とした。矢は、天若日子の胸に当たり、死んでしまった。
- 天孫降臨の後、邇邇芸命が木花之佐久夜毘売と結婚した後に、木花之佐久夜毘売が一夜で身篭ったことを怪しみ、国津神のとの子であると疑った。
- そこで木花之佐久夜毘売は、子を産むときに産屋へ火を放ち、「邇邇芸命の子でなければ無事に産まれない。邇邇芸命の子ならば無事に産まれる」と宣言して、無事に子を産んだ。
脚注[編集]
- ^ 『訓讀日本書紀. 上巻』黒板勝美 編 岩波書店 p.48(国立国会図書館)