Ν-ノーチラス号

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Ν-ノーチラス号ニュー・ノーチラスごう)は、テレビアニメふしぎの海のナディア』に登場する架空の戦艦。旧タルテソス王国(元衛星都市ブルーノア)の地下に眠っていた古代アトランティス人の宇宙船を、ネモ船長以下ノーチラス号の元乗組員たちが復活させたもの。

概要[編集]

艦歴
起工 不明
進空 1890年5月31日
喪失 1890年6月-日
艦艇諸元
基本重量 38,000t
全長 333.33m
巡航速度 光速の99%(ワープ時は超光速)
乗員 不明(主砲発射は1名でも可能)
エネルギー発生機関
主機 オルフェウス型大型縮退炉
補機 対消滅機関
推進機関
通常機関 不明(粒子推進器
および反重力推進器)
超光速機関 バニシングモーター
兵装
50口径50cm電子熱線砲 連装2基
60口径12.5cm冷線砲 連装4基
フェザー砲 3連装14基
連装20基
短8cmホーミング・レーザー砲
(小説版ではホーミング・ミサイル)
60門
三式航空爆雷II型 6基
誘導弾 6連装3基
超電磁バリヤー -
リボルバー式艦載機射出口 6連装2基
艦載機(攻撃機、爆撃機)
(最終決戦時は全機喪失)
機数不明

正式名称「第四世代型超光速恒星間航行用超弩級万能宇宙戦艦ヱクセリヲン」。ガーゴイルは「幻の発掘戦艦」と呼んだ。

特徴として、この艦は宇宙専用ではなく大気圏での運用も考慮されている。艦の前部の左右、艦中央下部、後部の左右上下に取り付けられた合計7枚のグラヴィティウイング(重力制御翼)を展開することによって、巨大な質量ながらも重力制御によって大気圏内を飛行することが可能であり、艦体形状も超音速飛行時に発生する衝撃波に対応するべく先端から鋭利なラインを描いている。なお、艦中央部左右に取り付けられた2基のスタビライザーによって大気圏内飛行中の安定を保っている。

主機は縮退炉であり、旧ノーチラス号の主機であった対消滅機関ですら補機に過ぎない。ただし補機だけでも機体の姿勢制御や電子熱戦砲による戦闘など、飛行以外の最低限の行動は可能である。

バリヤーは限界を越えるとガラスのようにひびが入り、やがて砕け散る。なお、バリヤー発生機構は修復が完全にできないらしく、1分しか発生させることが出来ない。

その実際の能力は未知なところが多い。ネモ船長によれば、自分達の知識と操艦技術ではおそらく本来の力の数%しか引き出せないという。

活躍[編集]

旧タルテソス王国跡において、ネオ・アトランティスのデウス・ウキス・マキナ級空中戦艦2隻の攻撃を受けながら進空、うち1隻を撃沈する。重力子爆弾の攻撃から逃れ、日本の静岡付近で非戦闘要員を退艦させた後、パリ上空でレッドノアとの決戦に臨む。

戦場は衛星軌道上へ移り、Ν-ノーチラス号は大きな損傷をうけつつもレッドノア内部へ突入。ネオ皇帝の制御装置を破壊し、内部からの撃破に成功する。レッドノアは自我を取り戻したネオ皇帝によってブルーウォーターによる制御を解かれ、地球に落下していく。Ν-ノーチラス号は最後の力を使って離脱を図るも、船体のダメージは大きく、脱出中にレッドノア内部にて擱座。行動不能となり、共に大気圏に突入していった。ネモ船長は全乗員をレッドノア内に係留されていたヱルトリウム級宇宙船(潜水艦に改造される前のノーチラス号の同型艦)に移乗させた後、Ν-ノーチラス号の電源をスターターにヱルトリウム級宇宙船を起動。ネモは一人ブリッジに残り、主砲でナディアたちの脱出口を開いた。ヱルトリウム級宇宙船の脱出直後、レッドノアもろともΝ-ノーチラス号も大気圏上空にて爆散、艦と運命を共にした。

デザインなど[編集]

デザインは山下いくとの手によるが、デザインモチーフは1968年東宝怪獣映画怪獣総進撃』に登場する宇宙船「ムーンライトSY-3」に『さらば宇宙戦艦ヤマト』に出てくる宇宙戦艦「アンドロメダ」を加えてある(艦首にある2基の開口部は拡散波動砲をモチーフとしたデザインになっている)。カラーリングは『マイティジャック』の万能戦艦マイティ号をイメージしている。なお山下いくとの当初デザインでは前進翼になっていたが作画の難しさゆえに総監督庵野秀明に却下された[1]。更にリボルバー式の小型艇射出機構は、特撮映画『惑星大戦争』の宇宙戦艦轟天号のオマージュである。

『ナディア』36話後半はジャンたちがエレベーターに乗り込む場面から艦橋内の会話、空中戦艦の来襲、補助エンジン始動、偽装外壁剥離、主砲発射などほとんどの場面が『宇宙戦艦ヤマト』第2話と同じカット割りで構成されており、艦長の指示のセリフも同じである。主砲発射音も庵野のこだわりにより、ヤマトの効果担当から音源を借りてきて使用している。

エクセリオンという名前は『トップをねらえ!』のヱクセリヲンと共通している。同作の「科学講座」によれば、(そちらの)ヱクセリヲンの属する第4世代の超光速大型宇宙船はエーテル流体力学によるデザインと大型バニシングモーターを装備したものとされる。

第38回では日本語のラベル(「第二バリヤー回路」「星間物質」など)が表示された計器を見ることができる。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 山下いくと [@ikuto_yamashita] (2019年7月12日). "私も鼻息荒い頃なのでボロクソ書いてますが当時スタッフにも好評だったニューノーチラス号前進翼案、庵野監督が却下した理由は彼の趣味以前に、前に斜めに突き出してる物体は手描き作画が極端に難しいからで、最終回近くの修羅場での事故を避けたんですよ。". X(旧Twitter)より2023年12月9日閲覧