系 (自然科学)
自然科学における系(けい、英語: system)とは、宇宙(または世界)の一部のうち、考察の対象として注目している部分である[1][2]。分野や考察の内容に応じて力学系、生態系、太陽系、実験系などというように用いられる。
観測者がいる、系でない部分は外界という。通常、外界は系と比べて非常に大きく、エネルギーや物質を交換して外界が系に対し変化を及ぼすことがあっても、外界の状態は常に一定に保たれると仮定される。
熱力学では、系は、外界との関係から3つに分類される。
- 開放系(開いた系、open system)
- 外界と、質量とエネルギー(熱、仕事)の両方を交換する系。
- 閉鎖系(閉じた系、closed system)
- 外界と質量の交換はしないが、エネルギーの交換が可能な系。この場合、熱を交換する外界は熱浴とも呼ばれる。
- 孤立系 (isolated system)
- 外界から完全に独立しており、外界と質量もエネルギーも交換できない系。
閉鎖系や孤立系など、外界との関係に制限がある系にはその制限に応じた保存則が適用される。
例
容器につめられた気体の集合の場合もあれば、特定の溶液、力を受けた、与えた物体または細胞内、機関内などの場合もある。