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記号 F
次元 MLT -2
SI単位 ニュートン (N)
CGS単位 ダイン (dyn)
  

(ちから、: force)は、自由物体に加速度を与え、あるいは固定物体に応力を与えるもととなる作用因子をいう[1]。このときの加速度と力の比例係数として質量慣性質量)という概念が導入される。

力とは物体(あるいは)の間で行われる相互の運動量の交換を示すものであり、ベクトル量である。力の時間による積分力積)は物体の運動量の変化量に等しい。つまり、運動が変化することと力が作用することとは等価である。

物理学において、力学的な力について現代に通じるもっとも基本的な理解を体系化したのはニュートンである。ガリレオケプラーなど先行する研究は存在するが、力学的な力の本質を運動を変化させる働きにあるとし、運動が変化するとはどういうことか、裏返せば運動が変化しないということはどういうことかを現代的視点から体系的に記述した初めての人物である[要出典]。その名は力のSI単位であるニュートンとしても使われている。

ニュートンはその著書『プリンキピア』において、物体の運動における運動量の時間変化の変化率(微分)が「力」に相当することを発見し、運動の法則として定式化した。力を F, 物体の質量、速度、加速度をそれぞれ m, v, a とすると、

\mathbf{F} = {dm\mathbf{v} \over dt} (= m\mathbf{a}).

という式に表される。

自然界の全ての力は、万有引力電磁相互作用強い相互作用弱い相互作用の四つに還元できるとされている(⇒基本相互作用)。

目次

[編集] 定義

F は、上記 4 つの相互作用のなすポテンシャル V(r) の勾配である。

 \mathbf{F} = - {\rm grad\ } V = - \nabla V

ここで、 grad はベクトル解析でいうグラディエント(勾配)、∇ は微分演算子ナブラである。

(例)重力や電磁気力のポテンシャルは、V(r) = K / rK: 定数、r は位置ベクトル r の大きさ)という球対称型で、

 \mathbf{F} = - K {\mathbf{r} \over r^3 } = - \frac{K}{r^2} \left({\mathbf{r} \over r}\right)

が力となる(ここで、r / rr 方向の単位ベクトルである)。重力や電磁気力の力は大きさとしては、K / r2となる。

[編集] 力の釣り合い

ある物体に二つ以上の力が作用しているにもかかわらず、その物体の速度が変化しないとき、力が釣り合っていると言う。例えば、自動車が時速 40km/h のまま直進しているとき、車体にかかる力は釣り合っている。この時、エンジン等によって動かされた車輪が加速しようとする力と車軸や空気の摩擦によって減速しようとする力が釣り合っている。

[編集] 力と微積分

速度の変化する物体の解析には数学微積分がよく用いられる。これは、数学の微積分が力と加速度の関係の考察によって生まれた概念だからである。

[編集] 力の合成と分解

力の合成 力dTと力dNを合成した力dFは平行四辺形の法則によって対角線の長さとして計算できる

ある点に働く複数の力を一つの同等な効果の力として表す、または、逆にある点に働く一つの力を複数の力による同等な効果の力にすることを言う。二つの力の合成や一つの力を分解するための手続きは平行四辺形の法則を用いる。なおこの法則は一般的にベクトル量に対して用いられるもので力に限ったものではない。

例えば、一定の加速度aを持つ列車内で進行方向に向かって進むと、まるで上り坂を登るような感覚を感じる。これは、後方に慣性力 ma、下方に重力 mgがかかり、この二つの力を合成した合力が後方斜め後ろを向いている為と解釈できる。

力の合成と分解を最初に扱ったのは1620年に没したベルギーの数学者、工学者シモン・ステヴィンである。その後、フランスの数学者、天文学者であるラ・イールによって数学的な形式が整えられ、力をベクトルとして表すようになった。アイザック・ニュートンは「力の平行四辺形の法則」を1665年から1666年にかけて発見した。力学の基本法則でもある。

[編集] 脚注

  1. ^ Glossary - Earth Observatory, NASA