立方センチメートル

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立方センチメートル
centimètre cube
cubic centimetre
角砂糖
記号 cm3
国際単位系 (SI)
種類 組立単位
体積
SI 10−6 m3
組立 (cm)3
定義が 1 cm立方体の体積
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ミリリットル
millilitre
記号 mL, ml
メートル法(SI併用単位)
定義 1/1000 L
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立方センチメートル(りっぽう centimètre cube)は、体積単位である。その単位記号は cm3 である[1]英語cubic centimetre やそれに相当する各国語をした cc(シーシー)も用いられることがあるが好ましくない(後述)。

1立方センチメートルは、一辺が 1 cm(センチメートル)の立方体の体積と定義される。1 cm = 1/100 m なので、1 cm3 = (1/100 m)3 = 1/1 000 000 m3 である。なお、1/100 m3 ではない。

ミリリットルとの関係

現在(1964年以降)では、1 mL(ミリリットル) = 正確に 1 cm3である。なお、1 cm3質量1 g(グラム)である。

1901年から1964年までは、「高精度測定のための体積の単位は,最大密度で,標準大気圧の下にある1 キログラムの純水によって占められる体積であり,その体積を「リットル」と称する.」と定められていた[2]が1964年に変更された。測定結果によれば、最大密度は3.98、1気圧において、 0.999 972 g であったので、それに応じ 1 mL = 1.000 028 cm3 だった。1964年の第12回 CGPM以降は、1 mL = 正確に1 cm3 となった[3]。詳細は、リットル#歴史を参照のこと。

リットルという名称は,高精度の体積測定の結果を表すためには使用されないよう、国際度量衡総会が勧告しているにも関わらず、多くの科学の分野では、立方センチメートルはミリリットル(mL)に置き換えられている[要出典]アメリカ合衆国においては、医学自動車の2分野においてのみ、立方センチメートルがいまだに使われ続けている。

イギリスにおいては、医学では立方センチメートルよりはむしろミリリットルの方が使用されるが、自動車の分野ではそうではない。ほかの英語圏の国においては、立方センチメートルが使われ続けている。

cc

国際単位系(SI)では、ccの使用は認められていない[4]。また,日本工業規格JISにおいても使用できない単位となっている。

日本の計量法においては,取引や証明には「cc」でなく、cm3を使うことが望ましいとしている[5]

現在、医学の分野では「処方箋などでの cc を、"Do Not Use" list に入れて、その使用を廃止しよう。」という運動が進行している。これは、手書きの cc が 00 と見誤りやすい、又はunitsの「U」と見誤りやすい[6]ためであり、それにより、場合によっては致死量に達する薬品の適量超過のおそれがあるためである。アメリカ合衆国では、医学上の略語によって引き起こされたミスのうちの12.6%が、立方センチメートルの意味での「cc」に関するものである[7]。ccの代わりには、mLを使用することが推奨されている。また、μgmgに間違われやすいので、代わりにmcgを使うことが推奨されている。

日本では、主に自動車(四輪車)や二輪車などのエンジン排気量の単位として広く用いられ(自動車メーカの公式サイトやカタログなどの表現では表向きは「1.998L」と表現されるが、「(1,998cc)」と併記する場合がある)、運転免許の区分など公的な規定や公文書でも「cm3」や「(m)L」ではなく「cc」が依然として使われている場合がある。[8][9] かつては牛乳瓶など小型容器の体積あるいは内容量を表す単位としても幅広く使われていた。

符号位置

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+33A4 - ㎤
㎤
立方センチメートル
U+3396 - ㎖
㎖
ミリリットル
U+33C4 - ㏄
㏄
cc

脚注

  1. ^ 国際単位系(SI) 第8版 (2006)、日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター、p.33 下から3行目の例 
  2. ^ 国際単位系(SI) 国際文書第8版(2006)、日本語版、(独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター訳・監修、付録1,pp.54-55、第 3 回 CGPM, 1901 年 「高精度測定のための体積の単位は,最大密度で,標準大気圧の下にある1 キログラムの純水によって占められる体積であり,その体積を「リットル」と称する.」
  3. ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006)日本語版、 (独)産業技術総合研究所、計量標準総合センター訳・監修、付録1、p.64、第12回CGPM,1964 年、「1. 第 3 回国際度量衡総会によって 1901 年に与えられたリットルの定義を廃止し,2. 「リットル」という用語は,立方デシメートルに対する固有の名称として使用され得ることを声明し,3. リットルという名称は,高精度の体積測定の結果を表すためには使用されないよう勧告する.」
  4. ^ 国際単位系(SI) 第8版 (2006)、日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター、pp.42-43 「単位記号や単位の名称に省略形を用いることは許されない.例えば,sec(s 又は秒の代用),sq mm(mm2 又は平方ミリメートルの代用),cc(cm3 又は立方センチメートルの代用),mps(m/s 又はメートル毎秒の代用)などの使用は認められていない.」 
  5. ^ 計量単位に関する質問/取引又は証明に使用する際の質問 「cc」を、体積の単位である立方センチメートルを表す英語(cubic centimeter)の記号として使用しているのであれば、立方センチメートルは体積を表す法定計量単位であるので、「cc」という記号を取引又は証明に使用することができる。  しかし、立方センチメートルについて、その標準となるべき単位記号は、cm3と定めている(計量単位規則)ため、cm3を使用するのが望ましい。
  6. ^ [1] Info: Abbreviations in Health Care - cc, ml, mL and µg, ug, mcg, 10-23-2007, Welcome to OnlineConversion.com Forums
  7. ^ Brunetti, Luigi; Santell, John; Hicks, Rodney (September 2007), Stevenson, James, ed., “The Impact of Abbreviations on Patient Safety” (PDF), The Joint Commission Journal on Quality and Patient Safety 33 (9): 8, http://psnet.ahrq.gov/public/Brunetti_JCJQPS_2007.pdf 
  8. ^ 運転免許証手続き一覧羽曳野警察署、羽曳野・藤井寺交通安全協会
  9. ^ 市場開放問題苦情処理推進会議第1回報告書 - 3-(3) 自動二輪車に関する規制の緩和