牛乳瓶

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日本の伝統的な牛乳瓶とフタ。このタイプのパッケージは急速に姿を消しつつある。
欧米では標準的な大型瓶
トムとジェリーにもしばしば登場する
地域によってはプラスチックボトルも流通している
日本では後述するようにプラスチックボトルは法制度上で想定されていない。

牛乳瓶(ぎゅうにゅうびん、: Milk bottle)とは、牛乳を販売するために用いるガラス製の容器。

概要[編集]

牛乳を始め、それを原料とするコーヒー牛乳フルーツ牛乳の容器として用いられる。この容器は、回収されて再利用(リユース・リターナブル瓶とも)される。以前は学校給食用、宅配用の牛乳に広く用いられてきたが、大手牛乳メーカーの寡占化や販売チャンネルの変化、運搬の容易さなどから、多くは紙パックに置き換わった。しかし、紙パックの紙臭さを嫌い、瓶入り牛乳を愛用する者も少なからず居る。鉄道駅などのミルクスタンドでは、湯煎で加熱して販売することもあるためか、現在でも瓶入り牛乳が売られているところも多い。

牛乳は栄養価が高い反面、雑菌が繁殖して腐敗するなどの衛生面の問題が発生しやすい。このため衛生的にこの飲料を輸送し消費者の手元に届けるため、洗浄して再利用するガラス製の牛乳瓶と、使い捨てとなる紙パックが利用されている。

歴史[編集]

日本[編集]

日本に於いて牛乳の販売は、明治時代に入って大量失業した武士の再就職口として注目され、この頃より大衆が牛乳を口にする機会が増えたが、この当初は桶を担いだ牛乳売りから、各家庭にある容器()に柄杓で量り売るという物だった。このため衛生面にしばしば問題も出たため、1889年に制定された「牛乳搾取規則」によって牛乳瓶に入れて販売するようになった。このガラス瓶は繰り返し洗浄して利用された。

1900年には「牛乳営業取締規則」が定められ、一部の牛乳は瓶ごと高温の水蒸気で加熱して殺菌する高温殺菌法を利用するようになり、腐敗牛乳による集団食中毒社会問題化した後の1933年には、殺菌処理が義務化された。当初は主に低温殺菌法(63~65・30分)で瓶ごと湯煎して殺菌するために、牛乳瓶は加熱殺菌工程に耐えられる強度が求められた。その後、加熱殺菌工程は瓶詰め前に行われるようになったが、リユース上の耐久性を担保するために、長らく肉厚のガラス瓶が利用されてきた。

しかし近年、樹脂コーティングの強化により薄型・軽量化を実現し、これまでのイメージとは異なるスリムな牛乳瓶が、大手乳業に相次いで採用されている。

さらに、大手メーカだけでなく、瓶入り牛乳類を販売している地場メーカでも、同様の新型瓶に切り替えが進められており、冒頭の画像のような牛乳瓶は急速に姿を消しつつある。

牛乳瓶の包装[編集]

明治時代から昭和初期の頃までは、細口の瓶に王冠やコルク栓、または機械栓(気開栓)を用いて封緘されていたが、戦前~戦後にかけて現在のような紙栓(牛乳キャップ)が全国的に普及した。

牛乳栓抜き。トモヱ乳業 牛乳博物館所蔵。

牛乳瓶の紙蓋には開栓のための専用器具が存在し、紙蓋取り[1]あるいは牛乳栓抜き[1]などと呼ばれる。

ただし、地域によっては紙栓自体にアイスクリームカップの蓋のような取っ手(つまみ)を装備した“耳付きキャップ”も流通していた。昭和30~40年代には取っ手用のビニールテープを巻き付けホッチキスで固定した紙栓も存在しており、この場合は当然紙栓の裏側、牛乳と接する部分へホッチキスの金属部分が触れることになる。

瓶の口は全体に掛け紙やポリフードを被せて保護していたが、前述の新型瓶の導入に伴い、近年はプラスチック製の嵌め込み式キャップ(更にビニールのシュリンク処理で封緘する)も増えてきている。

紙製のフタはめんこ遊びに用いられたり、商品名や成分、殺菌温度、製造社名、住所などの食品衛生法で規定された表示項目が記載され、各社や商品ごとのデザインなどの違いもあることから、収集対象となることがある。プラスチック製キャップでは何も記載されないか、賞味期限消費期限)だけが印字されるのみで、紙キャップに記載された各種表示項目は、ビニールのシュリンク部分に印刷されている。

牛乳瓶の大きさ[編集]

日本で市販される牛乳は、明治時代から大正時代の頃までは90ml(5瓶)、昭和初期から昭和45年頃までは180ml(一瓶)の容量が主流で、昭和45年以降は200mlの瓶が中心となった。一合瓶から20ml増量したきっかけは、厚生省学校給食用牛乳の標準容量を200mlに策定したことによる。

その他、宅配用や土産用には720ミリリットル~1リットルの大瓶が存在する。また、海外(欧米など)には3.8リットル入りのガロン瓶: Square milk jug)のものもある。

備考[編集]

  • 日本では2006年5月までは食品衛生法によって、紙パックと牛乳瓶以外の牛乳の充填を認めていなかったが、日本酪農乳業協会等の働きによりペットボトルへの充填も認可された。しかし、設備の関係から実際に販売している企業はない(プラスチック製の瓶で販売している企業は存在する)。
  • 厚いガラスの形容詞として「牛乳瓶のような」という言葉があり、眼鏡では余りに度がきついレンズを揶揄して「牛乳瓶の底のような」という言葉も見られる。(そのような眼鏡を瓶底眼鏡と呼ぶ)

出典[編集]

外部リンク[編集]