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石田 文次郎(いしだ ぶんじろう、1892年 - 1979年)は、日本の民法学者・裁判官・弁護士。法学博士(京都帝国大学)。東北帝国大学法文学部民法講座教授や、京都帝国大学法学部教授を歴任した。
人物
奈良県添上郡平和村(現・大和郡山市)生まれ。1913年(大正2年)第三高等学校卒。1917年(大正6年)京都帝国大学法学部卒。同年、司法官試補。1919年(大正8年)大阪地方裁判所判事。1920年(大正9年)神戸高等商業学校教授。1922年(大正11年)イギリス・フランス・ドイツ・アメリカ合衆国に留学。1925年(大正14年)東北帝国大学法文学部民法講座教授。1934年(昭和9年)京都帝国大学法学部教授。1939年(昭和14年)満州国建国大学兼任教授。1941年5月31日京都帝国大学法学部長に就く(〜1943年2月26日)。1944年(昭和19年)財団法人立命館顧問に就く。1946年(昭和21年)弁護士登録。1947年(昭和22年)3月京都帝国大学退官。立命館顧問退任。中京法律学校客員講師。1951年(昭和26年)中京法律専門学校専任講師。1957年(昭和32年)中京法律専門学校退職。[1]
家族・親族
娘婿は東京都立大学総長を務めた労働法学者の沼田稲次郎。
受賞歴
学説
- 占有権について、占有意思は占有取得の要件で足りるとするのが通説であるが、石田はこれに加え、占有継続の要件も必要とすべきとした。[2]
- 抵当権流用説
- 一度消滅した抵当権について登記の流用ができる。消滅した抵当権は当事者が合意すれば、実体的要件はクリアしているのだから、他の債務の抵当権に使用したところで問題はないと解する。[3]
主要著作
- 物権法論(有斐閣、1922年)
- 財産法に於ける動的理論(巌松堂書店、1928年)
- 土地総有権史論(岩波書店、1929年)
- 現行民法総則(弘文堂書店、1936年)
- 契約の基礎理論(有斐閣、1940年)
注釈
- ^ 以上について『石田文次郎先生古稀記念論文集』(石田先生古稀記念論文集刊行会、1962年)を参照
- ^ 『物権法論(全訂改版)』(有斐閣、1945年)244~245頁
- ^ 『担保物権法 上巻(全訂版)』(有斐閣、1947年)115頁