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石 (単位)

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石(こく)
尺貫法
体積
SI 180.39 L(日本
100 L(中国
定義 10
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(こく)は、尺貫法における体積容量)の単位の一つ。

元の用字は「」であり、現在でも日本では「石」と「斛」は同様に用いられるが、中国では宋代を境にしてそれ以降、「石」と「斛」は別の単位となっている。

概要

1石は下位単位では10にあたり、同じく100、1,000に相当する。1合がおおむね大人の1食分とされているので、1石は社会構成員1人が1年間に消費する量にほぼ等しいと見なされ、示準として換算されてきた(365日×3合/日=1095合。ただし、東アジアで広く使われていた太陰太陽暦では1年の日数は年によって異なる)。

なお、面積を表す日本の単位であるは、元は米1石の収穫が上げられるの面積として定義されたものであった。

時代や地域によって異なる数値

体積の基本単位である升の容量が時代や国、地域によって異なるため、石の容量も異なる。

定義文にあるとおり、「石」の元の用字は「斛」であったが、同音の「石」で記された例が『史記』など古代の文献にも見られる。宋代(中国近世初頭)に10斗が1石、5斗が1斛と定められ、以降、中国において「石」と「斛」は別の単位となった(zh:斛)。

日本においては、新京枡に統一された近世初期の寛文9年(1669年)に現在と同じ容量となった。 現行の新京枡における1升は、縦横0.49、深さ0.27尺で0.064827立方尺(=0.49尺×0.49尺×0.27尺)であり、よって、1石は6.4827立方尺となる。積載量木材の体積を表すときには、1石=10立方尺(約278リットル)としている。

近代を迎え、メートル法を採り入れるにあたっては、日本では明治19年(1886年)の条約批准後、メートルを基準にして1升=約1.8039リットルと定められ、よって、1石は約180.39リットルということになった。一方、中国では1升=1リットルと定められ、1石=100リットルとなった。

重量の単位

本来「石」は「せき」と読む重量質量)の単位であった。『孔叢子』に「鈞四謂之石」(4を石という)、『准南子』に「四鈞為一石」(4鈞で1石を為す)とあり、1鈞は30なので1石は120斤となる。例えば、漢代の斤は約258グラムであったので、1石は約31キログラムとなる。

質量の単位としての石は現在の中国でも使用されている(zh:石 (质量单位))。香港で使用される石は英語stone と直訳されている。ヤード・ポンド法の質量単位に同音同綴異義語(cf. 同綴異義語)である stoneストーン)があるが、香港の尺貫法の石は72.5747784キログラム(=160ポンド)、ヤード・ポンド法のストーンは約6.4キログラム(=14ポンド)と、その値は大きく異なる。

石高制

中世末期から近世の終わりにかけての日本では、土地の総合的生産力を石に換算した数量が「石高」として明示されており、これは地域ごとの勢力を表す指標ともなっていた。石高の差は、戦時の動員力や経済力の優劣に関わるものであった。詳しくは該当項目を参照のこと。

関連項目