百度

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百度公司
Baidu, Inc.
種類 公開会社
市場情報 NASDAQ: BIDU
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国
100080
北京市北四環西路58号理想大廈12階
設立 1999年10月11日
業種 情報・通信業
事業内容 インターネット検索
代表者 李彦宏 CEO
李昕晢 CFO
葉朋 COO
李一男 首席技術官
従業員数 7000人
主要子会社 日本の旗 バイドゥ株式会社
外部リンク

http://www.baidu.com/

http://www.baidu.jp/
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百度(バイドゥ、Bǎidù)は中華人民共和国のBaidu, Inc.が運営する検索エンジンである。創業は2000年1月。本社は北京市にある。

全世界の検索エンジン市場において、BaiduはGoogleに続き第2位のシェアを誇る(米comScore社、2009年8月調べ)。中国国内では、Google(谷歌)を押さえて最大のシェアを誇る。

沿革

創業者の李彦宏(ロビン・リー)は、北京大学を卒業後にニューヨーク州立大学へ留学。Dow Jones & Company,Inc.やInfoseekなどを経て、中国帰国後の2000年1月にBaidu, Inc.を創業している。その後急成長を遂げ、2005年5月NASDAQに上場した。

公開初日、公募価格の27ドルから122.54ドルまで急騰。当日の上げ幅は354%までのぼり、アメリカの証券市場、IPO初日に最多利益を上げた株式のひとつに数えられている。なお、2007年10月には時価総額が118億ドルに上っている。

2006年12月に日本法人であるバイドゥ株式会社を設立し、2007年3月には日本語版サイト「Baidu.jp」のベータ版サービスを開始している。2007年6月にはBaidu, Inc.の社外取締役としてソニー前会長の出井伸之が就任。

2008年1月23日に「Baidu.jp」の本格サービス開始。一般の新聞やテレビのニュースでも取り上げられている。2008年12月16日、検索サイト・Baiduの動画検索画像検索のトップページを刷新した。

2008年、中国検閲当局は陳冠希わいせつ写真流出事件に絡みウェブサイトを介して人気女優の猥褻写真を拡散させたとして百度を批判、謝罪を命じた。11月15・16日には、中国中央電視台(CCTV)が百度の広告掲載に関する不正行為を特集した番組を放映した[1]

提供サービス

中国国内で提供されているサービスは現在までに35に上る[2]。中国語検索の強みに加え、若者に人気のあるコミュニティマルチメディアサービス(画像・動画)を拡充したことが、中国ユーザーを引き付けている。2006年4月からは百科事典百度百科(バイドゥ・バイクー)を新設。

歴史

  • 2000年1月- 北京大学の学友であった、李彦宏と徐勇北京中関村でBaidu, Inc.を創立。
  • 2001年8月 - サーチエンジンのベータ版である、Baiduを発表。
  • 2001年10月22日- Baidu(Baidu.com)を正式発表。
  • 2002年11月 - MP3ファイル検索を新設。
  • 2003年7月 - 画像とニュース検索を新設。
  • 2003年11月 - 百度掲示板を新設。
  • 2005年5月 - 電話番号映画テレビの検索サービスを新設。
  • 2005年6月 - 百度知道(知識サイト)を新設。
  • 2005年8月5日 - NASDAQに上場。
  • 2005年9月22日 - 百度地図検索のベータ版を開設。
  • 2006年1月12日 - 百度国学を発表。
  • 2006年4月20日 - 百度百科を新設。
  • 2006年7月13日 - 百度空間のベータ版を開設。
  • 2006年12月 - 日本法人であるバイドゥ株式会社を設立。
  • 2007年6月 - ソニー前会長の出井伸之がBaidu, Inc.社外取締役に就任。
  • 2007年3月 - 日本語検索サービス「baidu.jp」のベータ版の提供開始。
  • 2008年1月23日 - Baidu.jpの本格サービス開始。
  • 2008年12月16日 - Baidu画像検索Baidu動画検索トップページを一新
  • 2009年12月16日 - 文字入力システムの「Baidu Type」をベータ版でリリース。

検索機能

検索システム

2006年下期頃から、BaiduのクローラBaiduspider」による日本のサイトへの過度なクローリング行為が目立つようになり、大手電子掲示板を始めとしたサイトで利用者がアクセス困難になる事態が発生し、Baiduのクローラからのアクセスをブロックする動きがみられるようになった。

これについて、Baiduは2007年3月、日本の各ウェブサイトにたいしてBaiduspiderが過剰な負荷をかけたことを謝罪するとともに、クローリングの頻度管理を統一するなどの対処策を発表した[3]。また同年5月には負荷の少ない新型クローラである「BaiduChecker」を導入し、ウェブサイトに与える負荷を平均数百バイト程度に抑えられるようになったと表明している[4]。2009年7月現在 BaiduImagespider、BaiduMobaider、が別途クロールしており、特にBaiduMobaiderはRobot.txtを無視してクロールしている。

Baidu, Inc.では中国ユーザーのニーズを反映し、検索順位の決定にオークション的な手法を用いている。しかし、この検索順位のモデルについて、日本には投入しないことを、日本法人の担当者がセミナーなどで明言している。

Baidu.jpの画像検索機能における有害コンテンツの取り扱いに関し、日中両国内で話題となった[5]。現在、Baidu.jpではアダルトコンテンツフィルタが導入されている。2008年10月24日より、このフィルタ機能は初期設定で有効になっている。

MP3検索

Baiduのユーザーにとって人気のある機能はMP3検索である。これはMP3WMArmファイルなどの音声・動画ファイルを検索できるサービスである。MP3検索は主に中国の音楽の検索に使用される。

2005年3月30日に中国のレコード会社の上海歩昇音楽文化伝播有限公司が著作権を侵害されたとしてBaiduを提訴している。その他にも、ユニバーサル・ミュージックをはじめとする大手レコード会社からおこされた同様の訴えについては、2006年11月Baidu側の勝訴となった。

著作権の問題に対し、Baiduは2007年からEMIなど音楽業界との提携を進めており、新しいビジネスモデルのプラットフォーム作りに着手していると伝えられている。

地図

本家中国語版のBaiduには、地図の検索機能が組み込まれている。日本語版検索サービスには地図検索は含まれていない。

他の検索エンジンの地図と異なる点として、中華人民共和国が領有権を主張するエリアは台湾を含め各地が収録されているものの、中国国外の陸地はグレーになっているだけで、詳細表示がない。また南シナ海は中国国内法に従い中国の領土とされ、マレーシアのボルネオ島サラワク州北部数10キロ付近までを中国の海域として海上ライン[6]が引かれている。最南端の海域は、漢字表記で「曾母暗沙」。

ドメインネームハック

2010年1月12日、アメリカで管理されているBaidu.comのDNSレコードが、「IRANIAN CYBER ARMY」を名乗る者によって改竄された。百度にアクセスすると、イランの国旗を背景に英語とラトビア語で「イランのサイバーアーミーによりサイトがハッキングされた」というメッセージが表示されるものであった。これは、無名の個人の要求に対して登録されているメールアドレスを変更するという、ドメインを管理しているRegister.comの重大な過失によるものであったとされる。一度メールアドレスを変更してしまえば、パスワード申請によって容易にドメインの乗っ取りが可能になる。

脚注

  1. ^ グーグルは中国も制するのか~百度の十八番、音楽検索で殴りこみJBpress2009年5月7日)
  2. ^ Baidu, Inc.のプロダクト
  3. ^ Baidu.jp、Baidu Spiderに関する御詫びと対処法について(プレスセンター)
  4. ^ Baidu.jp、負荷の少ない新型Spiderを投入 (プレスセンター)
  5. ^ 中国当局、「百度日本」への中国からのアクセスを遮断か インプレス
  6. ^ 境界線は中国百度

外部リンク