田嶋剛希

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獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
世界団体
2022 タシケント 90kg級
2023 ドーハ 90kg級
グランドスラム
2019 エカテリンブルグ 90kg級
2023 トビリシ 90kg級
アジア大会団体戦
2022 杭州 90kg級
世界ジュニア
2017 ザグレブ 90kg級
世界ジュニア団体
2017 ザグレブ 90kg級

田嶋 剛希(たじま ごうき、1997年7月27日 - )は、千葉県出身の、日本柔道選手である。階級は90 kg級。身長172 cm。血液型はO型。組み手は右組み。得意技は袖釣込腰[1]

経歴[編集]

柔道は、父がコーチをしていたこともあり、千葉県四街道市の四街道警察署内、警和会にて始めた。小5年生の時に警和会をやめ、下志津柔道クラブに[1]

国士舘中学から国士舘高校に進むと、2年の時には全国高校選手権の個人戦90kg級と団体戦で優勝して2冠を成し遂げた[1]。3年の時には金鷲旗で優勝すると、インターハイの団体戦でも同級生の山田伊織や1年後輩の飯田健太郎などとともに活躍して優勝を飾り、高校団体3冠(全国高校選手権、金鷲旗、インターハイ)を達成した[1]

2016年には筑波大学へ進学すると、1年の時には優勝大会で3位だった[1]。2年の時には優勝大会で再び3位となった。全日本ジュニアでも3位だったが、今大会で2位になった日本体育大学1年の長井晃志とともに世界ジュニア代表に選ばれていた優勝者である明治大学2年の神鳥剛がケガをしたために、急遽代役で代表に追加選出された[2]。その世界ジュニアでは背負投袖釣込腰で一本勝ちを連発して決勝まで進むと、ドミニカ共和国のロベルト・フロレンティーノをも背負投で破るなど、5試合をオール一本勝ちして優勝を飾った[3][4]。初開催となった男女混合による団体戦では準決勝まで一本勝ちすると、決勝のオランダ戦では背負投の技ありで勝利を収めてチームの優勝に貢献した[5]。3年の時には優勝大会で決勝まで進んで東海大学と対戦するも引き分けると、代表戦で佐々木健志が敗れてチームは2位にとどまった[6]学生体重別では準決勝で頭部から流血するケガを負うも、決勝で大学の1年後輩である横内晋介を背負投で破って優勝した。この際に、「日本代表は絞られているが、割って入る気持ちでやっていきたい」とコメントした[7][8]体重別団体では2位だった[9]講道館杯では決勝でリオデジャネイロオリンピック金メダリストであるJRAベイカー茉秋と対戦すると、技ありを先取するも合技で逆転負けを喫して2位だった[10]グランドスラム・大阪では2回戦で敗れた[11]。2019年3月のグランドスラム・エカテリンブルグでは2回戦で元世界チャンピオンであるセルビアのネマニャ・マイドフを技ありで破るも、準々決勝でジョージアのベカ・グビニアシビリ裏投で敗れたが、その後の3位決定戦でセルビアのアレクサンダル・クコルを合技で破って3位になった[12][13]。4年の時には優勝大会準決勝の国士館大学戦で100㎏級の飯田健太郎を大外刈で破ってチームを決勝に押し上げると、東海大学戦でも150㎏の清水拓実を合技で破るが、チームは敗れて2位にとどまった[14]ユニバーシアードでは3回戦でウズベキスタンのダフラト・ボボノフに反則負けを喫した[15]。団体戦では3位にとどまった[16][17]。講道館杯では3位だった[18]

2020年4月からはパーク24の所属となった[1]。2021年4月の体重別では決勝で会社の1年後輩である増山香補に反則負けして2位だった[19]。11月のグランドスラム・バクーでは準々決勝で地元アゼルバイジャンのママダリ・メフディエフに技ありで敗れると、3位決定戦もグビニアシビリに反則負けして5位に終わった[20]。2022年4月の体重別では準決勝で会社の先輩である長澤憲大を背負投で破るも、決勝では前年に続いて増山に反則負けを喫した[21]。なお、世界団体のメンバーには選ばれた[22]。5月の全日本強化選手選考会では決勝でJRAのベイカー茉秋を技ありで破って優勝した[23]。10月の世界団体では決勝のフランス戦で一本勝ちするなど全勝して、チームの優勝に貢献した[24]。続く講道館杯では準決勝でベイカーに反則負けを喫して3位だった[25]。2023年2月のグランドスラム・パリでは2回戦でチェコのダビド・クラメルトに反則負けを喫した[26]。3月のグランドスラム・トビリシでは準々決勝でオリンピックチャンピオンである地元ジョージアのラシャ・ベカウリに隅落で敗れるも、その後の敗者復活戦で同じく地元ジョージアのグビニアシビリを袖釣込腰で破るなどして3位になった[27][28]。なお、世界団体のメンバーに選ばれた[29]。4月の体重別では決勝でベイカーを技ありで破って優勝した[30][31]。続く全日本選手権では、準々決勝でリオデジャネイロオリンピック100kg超級の銀メダリストである長府工産の原沢久喜に反則勝ちするなど全て一本勝ちして準決勝まで進むと、旭化成王子谷剛志に技ありで敗れたものの90kg級の選手ながら3位入賞を果たした[32][33]。5月の世界団体では準々決勝のジョージア戦で世界チャンピオンのルカ・マイスラゼを技あり、準決勝のオランダ戦でフランク・デ・ウィットを袖釣込腰、決勝のフランス戦でも技ありでそれぞれ勝利するなどして全勝すると、チームも優勝を飾った[34][35]。6月の実業団体では2位だった[36]。続くグランドスラム・ウランバートルでは初戦で中立選手として出場したロシアのミハイル・イゴルニコフに合技で敗れた[37][38]。9月のアジア大会では2回戦で韓国のハン・ジュヨプに反則負けを喫した[39]。団体戦では初戦のネパール戦で勝利するも、準決勝の韓国戦と決勝のウズベキスタン戦では自分の出番が回ってくる前にチームが勝利を収めた[40][41]。講道館杯では決勝で明治大学4年の森健心に技ありで敗れて2位だった[42]。2024年3月のグランドスラム・トビリシでは3回戦でルーマニアのアレックス・クレトに反則負けを喫した[43]。4月の体重別では決勝で国士舘大学1年の川端倖明を大外刈で破って今大会2連覇を達成した[44][45]。これにより、世界選手権代表に選出された[46]

IJF世界ランキングは360ポイント獲得で71位(24/4/1現在)[47]。 

戦績[編集]

(出典[1]、JudoInside.com)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 「柔道全日本強化選手名鑑 2022」近代柔道 ベースボールマガジン社、2022年4月号
  2. ^ 神鳥が負傷…田嶋を世界ジュニア選手権に派遣/柔道
  3. ^ 田嶋、荒木が優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2017年10月21日
  4. ^ Junior World Championships 2017, Zagreb - DAY THREE
  5. ^ Word Junior Championship Teams 2017
  6. ^ 「筑波らしい闘いをしてくれた」小野監督、頂点にあと一歩のチームを評価/柔道 サンケイ 2018年6月24日
  7. ^ 太田が100キロ超級制す=全日本学生体重別柔道 時事通信 2018年9月30日
  8. ^ 田嶋、頭から流血するけがも…気迫で一本勝ち「魂です」/柔道 サンケイスポーツ 2018年9月30日
  9. ^ 平成30年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会
  10. ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  11. ^ Grand-Slam Osaka 2018
  12. ^ 女子78キロ級で泉が優勝 GSエカテリンブルク大会/柔道 サンケイスポーツ 2019年3月17日
  13. ^ Grand-Slam Ekaterinburg 2019
  14. ^ 奮闘光った田嶋=全日本学生柔道 時事通信 2019年6月23日
  15. ^ Universiade Naples 2019
  16. ^ 体操女子の畠田瞳が4冠 柔道団体女子、ラグビーV/夏季ユニバ サンケイスポーツ 2019年7月8日
  17. ^ Judo Documents
  18. ^ 2019年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  19. ^ 2021年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  20. ^ Baku Grand Slam 2021
  21. ^ 2022年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  22. ^ 柔道 10月の世界選手権 斉藤立が男子100キロ超クラス代表に NHK 2022年4月29日
  23. ^ 田嶋剛希、ベイカー茉秋を破って優勝 強化選手選考会/柔道 サンケイスポーツ 2022年5月8日
  24. ^ 日本が混合団体5連覇、決勝で好敵手・フランス下す 世界選手権/柔道 サンケイスポーツ 2022年10月13日
  25. ^ 2022年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  26. ^ Paris Grand Slam 2023
  27. ^ 田嶋は3位 柔道GS 時事通信 2023年3月26日
  28. ^ Tbilisi Grand Slam 2023
  29. ^ 団体代表に田嶋剛希、秋場麻優ら 5月の世界選手権/柔道 サンケイスポーツ 2023年3月20日
  30. ^ ウルフが男子100キロ級V 女子78キロ超級は冨田―選抜体重別柔道 時事通信 2023年4月2日
  31. ^ 2023年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  32. ^ 【柔道】田嶋剛希90キロ級で初出場3位「大きい相手にも通用」リオ銀125キロ原沢久喜に勝利 日刊スポーツ 2023年4月30日
  33. ^ 令和5年全日本柔道選手権大会
  34. ^ 【柔道】男女混合団体戦で日本6連覇 決勝でフランスに逆転勝ち 抽選の代表戦で新添左季が勝利 日刊スポーツ 2023年5月15日
  35. ^ World Judo Championships - Doha 2023 Mixed Teams
  36. ^ 第73回全日本実業柔道団体対抗大会
  37. ^ 五輪覇者ウルフが3位、冨田若春は優勝 GSウランバートル大会/柔道 サンケイスポーツ 2023年6月25日
  38. ^ Ulaanbaatar Grand Slam 2023
  39. ^ 田嶋剛希、右膝負傷で精彩欠く「未熟だった」 杭州アジア大会/柔道 サンケイスポーツ 2023年9月26日
  40. ^ 日本、混合団体で連覇 アジア大会・柔道 時事通信 2023年9月27日
  41. ^ Judo Schedule & Results
  42. ^ 2023年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  43. ^ Tbilisi Grand Slam 2024
  44. ^ 増山が100キロ級制す 女子70キロ級は田中V―選抜体重別柔道 時事通信 2024年4月7日
  45. ^ 2024年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  46. ^ 世界選手権代表を発表 パリ五輪代表では男子60キロ級の永山竜樹が唯一出場/柔道 サンケイスポーツ 2024年4月8日
  47. ^ World ranking list

外部リンク[編集]