田中千代 (教育者)
田中千代（たなか ちよ 1906年8月9日 - 1999年6月28日）は、教育者、服飾デザイナー。昭和初期に渡欧し欧米の文化・服飾を学び、日本に近代洋裁教育、服飾デザインの礎を作った。民族衣装の研究・収集家でもあった。
東京で外交官松井慶四郎（後に外務大臣）と松井照子の長女として生まれる。照子は鉄道王と言われた今村清之助の孫にあたる。弟に元フランス大使の松井明がいる。
来歴
- 1923年 雙葉高等女学校（現在の雙葉学園）卒業
- 1924年10月 地理学者田中薫と結婚
- 1927 (昭和 2) 東京・御茶ノ水の文化学院大学部に入学。アテネフランセへ通い語学の勉強をする。
- 1928年 薫がの欧米留学（文部省在外研究員）に同行し渡欧。ロンドン、パリ、ニューヨークに滞在する。渡欧中に語学、服飾デザインを学ぶ。
- 1930年 スイスでバウハウスの初代のメンバーであるヨハネス・イッテンから日本女性として初めて教育を受ける。
- 1931年 日本へ帰国。帰国途中の船上で鐘淵紡績（現クラシエホールディングス）の創始者武藤山治の妻千世子と知り合う。
- 1932年 鐘淵紡績の顧問となる。
- 1933年 阪急百貨店婦人服部の初代デザイナーとなる。心斎橋鐘紡のウィンドウでドレスを発表。
- 1937年 兵庫県武庫郡本山村（現在の神戸岡本）に田中千代洋裁研究所を開設。
- 1947年 佐々木営業部（現レナウン）内に田中千代デザインルームを開設。
- 1948年 財団法人田中千代学園を設立、理事長・学園長となる。
- 1951年 私立学校法の施行に伴い、学校法人田中千代学園へ改組。
- 1952年 当時の皇后（香淳皇后）の衣裳の相談役となる。
- 1957年 東京都渋谷区に東京田中千代服装学園（現東京田中短期大学）を開校。
- 1958年 皇太子明仁親王（現今上天皇）の成婚に際し、香淳皇后・皇太子妃美智子（現・皇后）・清宮貴子内親王の衣装の製作にあたる。
- 1969年 防衛庁の依頼により婦人自衛官の制服をデザインする。
- 1972年 東京都町田市に田中千代学園短期大学（現東京田中短期大学）を開校。