消防署

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Gray eyes (会話 | 投稿記録) による 2012年2月15日 (水) 17:53個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

加古川東消防署分署とレリーフ
さいたま市消防局浦和消防署
消防車(大阪市消防局鶴見消防署
左から、はしご車と小型タンク車など

消防署(しょうぼうしょ、英語:Fire department、Fire station)は、消防(消火・火災予防・救急救助)を専門に行う消防機関、あるいはその建築物。

日本

組織と業務

地方自治体などによってその名称及び組織は、異なる。また総務省消防庁長官命令が発せられた場合は、全国の消防局が当該現場まで日本国内の全ての災害現場まで部隊を派遣可能である。

消防

  • 火災と紛らわしい発煙(揚煙)警戒
  • 火災の鎮火
  • 危険物・化学・薬品などの爆発の鎮火
  • 消火栓の断水・減水届
  • 火災被害証明
  • 消防車迂回道路工事の届出

救急

  • 救急外来紹介
  • 救急患者の搬送
  • 救急搬送証明書
  • 救命講習・応急救護
  • 看護師・准看護師が救急救命士の代わりに高度な処置をすること

救助

  • 山岳救助
  • 水難救助
  • 交通救助
  • 一般救助
  • NBC災害
  • 特別救助隊

予防

  • 消防設備工事・検査・建築確認
  • 危険物
  • 林野災害に関すること
  • 気象災害に関すること
  • 放射能災害に関すること
  • 高圧ガス
  • 防火管理

警防

  • 防隊の運用及び防御活動の計画
  • 消防対象物の強制執行及び補償
  • 消防航空機及び消防船舶の登録・廃止
  • 消防車及び救急などの車検・登録・廃車
  • 訓練に関すること
  • 消防団構成

位置付け

消防本部を有する市町村にあって、本部に併設、あるいは、当該自治体内に何箇所かに設置され、出動に備えている。出張所や分署などを持つ消防署もある。

設備と業務

  • 消防車の配備:ポンプ車、はしご車などの消防車を地域特性に応じて、出場可能な状態で配備している。
  • 救急車の配備:救急車を出動可能な状態で配備している。
  • 火災の予防:ガソリンスタンドなど危険物施設への立ち入り検査、防火対象物の検査などを通して火災の予防を行う。
  • 消防同意:建物の建築確認に際して審査を行う。
  • 火災の鎮圧:消防本部で受けた119番通報は、現場地区を担当する消防署の「通信室」(受付を兼ねている)に送られ出動指令となる。これは通信回線による音声だけでなく、ファクシミリを用いた文書でも送られる(活動記録を残すため)。
  • 火災の調査:火災現場の調査を通して、出火原因の調査などを行う。
  • 監視:かつては望楼から火災を監視していたが、建築物の高層化、119番通報での覚知が増えたので、近年では常時行われることはなくなった。震災や事故による電話回線の途絶の際に望楼や近隣の高層ビル上層階に、無線機を持った吏員を派遣しての監視が行われる。
  • 救命講習の実施:各消防署で開講される。
  • 出火場所の広報:消防車のサイレン音を聞いた人から代表番号に問い合わせが殺到すると業務に支障を来すので、専用のテレホンサービス電話番号が公開されている。
  • すべり棒:漫画やドラマなどのフィクションでは、望楼と並んで消防署の象徴のように描かれているが、現在では設置していない消防署が多い。設置されている消防署でも、降下する際の事故のおそれがあることや、車庫と直結されていることから排気ガスや空調の面で問題があり、使用されていない。では出動の際はどこから来るのかというと、階段を駆け下り、防火帽・防火服上下が準備されている更衣室で装備を身に着けた後、車庫に駆け込む。すべり棒と階段ダッシュ、どちらが速いかタイムを計ったところ、大差なかったという。

関連項目