海嘯

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海嘯(かいしょう、: tidal bore)とは、河口に入る潮波が垂直壁となって河を逆流する現象である。潮津波(しおつなみ)とも呼ばれる。昭和初期までは、地震による津波も海嘯と呼ばれていた。波形から段波(だんぱ)[1]と呼ばれる形状構造をとっているため、波の前面での破壊力が大きい。

海岸でこの現象が起こるのは、河口が広い三角江であり、発生する代表的な河川はブラジルアマゾン川(これを特にポロロッカという)、パキスタンインダス川中華人民共和国銭塘江イギリスセヴァーン川である。

アマゾン川の海嘯

銭塘江の海嘯

銭塘江の海嘯

銭塘江の海嘯は「銭塘江潮」とも呼ばれる。中国語では「钱塘江大潮」であり、現在の中国語の「海啸」は専ら津波を指す。

のあとに発生することが多く、したがって太陰太陽暦の日付で1日から3日、および15日から18日ごろに発生する[2]。とくに中秋節と重なる中国暦8月18日ごろの潮が古来有名であり、そのため、杭州では月餅を食べながら見物する伝統がある。

この現象は銭塘江の河口がラッパ状に開いていることや、その先に舟山諸島が点在し、潮流を複雑にしていること、さらに東シナ海では台湾海峡から流れ込む潮流のスピードが海峡の幅が狭まるにつれ強くなることが原因となって現れると考えられる。

サーフィン

セヴァーン川イギリス)での波乗りの様子

垂直壁となる逆流を乗り切るスリルから、サーファーには人気があるものの、危険は大きい為、発生する都市が率先して奨励することは少ない。基本的には観覧のみを観光資源としており、サーフィン自体は黙認する形になっている。フランスガロンヌ川が有名。

参照

  1. ^ 段波とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書”. Weblio. 2017年11月1日閲覧。
  2. ^ 迫力の大逆流! 中秋の銭塘江「一線潮」 浙江・海寧”. AFP (2019年9月19日). 2019年9月19日閲覧。

関連項目

外部リンク