水素7
水素7 | |
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概要 | |
名称、記号 | 水素7,七重水素,7H |
中性子 | 6 |
陽子 | 1 |
核種情報 | |
天然存在比 | 0 |
半減期 | (2.3±0.6)×10−23 秒 |
崩壊生成物 | 5H |
同位体質量 | 7.05275(108) u |
スピン角運動量 | 1/2+ |
余剰エネルギー | 49140± 1010 keV |
結合エネルギー | 940.1 keV |
2n | 20(5) MeV |
水素7 (すいそ7、Hydrogen-7・7H) とは、水素の同位体の1つ。
概要
7Hは、陽子1個と中性子6個から構成されている、最も重い水素の放射性同位体である[1][2]。陽子に対して中性子が6倍も多い極端な中性子過剰核であり、この割合は10Heや12Liよりも多く、全ての核種で最大である[1]。
その極端な中性子数から、7Hは極めて不安定な核種である。半減期は(2.3±0.6)×10−23 秒という極めて短い時間である。これは半減期が判明している全ての核種で最も小さな値であり、次に短いのは4Liの7.57×10−23 秒であり、7Hと比べて3倍以上も長い[3]。
7Hの崩壊モードの詳細は不明であるが、恐らく2個の中性子を放出する中性子放出で崩壊し、5Hに変化すると考えられている。5Hもやはり9.1×10−22 秒という短い半減期をもって2個の中性子放出で3Hに変化し、最終的には12.32年の半減期を以って3Heにベータ崩壊する[1]。
合成
7Hは2003年、理化学研究所の装置を用いた日本・ロシア・イギリス・フランス・スウェーデンの共同研究チームにより初めて合成された。18Oから生成した8Heを加速し、軽水素分子 (1H2) に衝突させることで行われた。合成の成功は、(1Hと8Heが衝突することで生じる2個の陽子 (1H) を理研テレスコープで捉えることにより確認された。この成功以前には、水素の同位体は5Hまでしか合成することが出来ないと考えられていた[4]。
2006年には、9Beや11Bにπ-を照射することにより7Hの合成に成功したことが発表された[5]。2007年には、GANILを用いたヨーロッパの研究チームにより、8Heを12Cに照射することで7Hが合成されたことが発表された[6]。
出典
- ^ a b c The NUBASE evaluation of nuclear and decay properties National Nuclear Data Center
- ^ 7H
- ^ https://periodictable.com/Isotopes/003.4/index2.full.dm.html
- ^ Hydrogen-7 makes its debut physics world
- ^ Searches for the superheavy hydrogen isotope 7H in the absorption of stopped π − mesons ingenta connect
- ^ Discovery of hydrogen-7, the most exotic nuclear system ever observed. National Center for Scientific Research
関連項目
軽量 6H |
水素7は 水素の同位体である |
重量 (未発見) |
(未発見) の崩壊生成物 |
水素7 の崩壊系列 |
5H (2n) へ崩壊 |